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「認知戦」を制する者は、現代戦を制する / 認知戦では独裁国家、独裁政党が1枚上手 ―― 日本は認知戦への備えが全くない

「今日(5/26)の国会の予算委員会で『認知戦』という言葉を使って自民党議員が質問していました。『認知戦』って、何か分かりますか?」

女性

「認知症なら分かりますが、……。初めて聞きました」

「これから日本でも増えるだろうと言われているのですが、簡単に言うと「作為的な誤情報」というものです」

女性

「わざと誤った情報が流されるということですね。中学生の頃に、変な噂話を流されて、すごい嫌な思いをしたことがあるのですが、その類ということですね」

「まあ、そうですね。敢えて言えば、変な噂の国家版ということですかね」

女性

「なして、そんなこつやるのかや?」

「急に方言で応えないでくんろ。簡単に言えば、攪乱作戦です。情報を流すのは、タダだし、必ず同調者が出ます。ゼロから何らかの効果が期待できるということで、流して来るのです」

女性

「流した方が勝ちという考え方ですね」

「日本は言論表現について全く取り締まっていませんので、そういった作為的な誤情報が今後は多く流れてくるということです」

女性

「ただ、今まで様々なデマ情報が流れていますよね。そんなこともあって、活字に対する信頼感はかなり低くなっていると思います」

「それは確かでしょう。そのことを嘆いていいのか、迷っている部分があります」

女性

「最近の言葉で言うと、情報リテラシーということですよね。情報を見極める力が、国民一人ひとりに求められていると思います」

「まあ、そうですけど、日本人は基本的に入ってきた情報をまず信用しようとします」

女性

「昨年のオレオレ詐欺の被害額は278億円だそうです。1日平均7千万円くらい誰かが騙されているということです」

「相手からの情報にのめり込まないということでしょう。太平天国の時代ではないという自覚をしてもらって、慧眼を鍛えるということに尽きると思います」

女性

「ここからが本論です ↓」

 偽情報は拡散する

「日経」に「ウクライナ批判の投稿者」(2022.5/17日付)という興味深い記事が掲載されました。SNS投稿を東京大学と共同で調べたそうです。それによると、偽情報がかなりの範囲に拡散されているということが分かります。

データで示したいと思います。228件の「ウクライナはネオナチだ」とロシアのプロパガンダに沿った意見が、リツイートされて結局約3万回以上に拡散されていたそうです。そして、228件のうち75アカウントの投稿者の意見を分析したところ、約8割が「新型コロナウイルスのワクチンにはマイクロチップが入っている」「ワクチンは不妊につながる」といった誤情報を発信していたことが分かったそうです。

さらにその「75のアカウントの投稿はフォロワーなどに共有され、拡散者は約1.1万アカウントにのぼる。その9割は誤情報などにもとづきワクチンを否定するツイートも共有していた」(「日経」同上)とのことです。


(「Twitter」)

 認知戦の発信元は、独裁国家であり独裁政党

この75の情報発信者の傾向まで調べています。一番多いのが、この世界はある支配者によって動かされているという考えを信じている人です。次に多いのが、反米主義、共産主義といった反政府的な考え方をもっている人です。

コロナは闇の組織の陰謀であり、ワクチンを打たせるためにウイルスがばら撒かれたというデマ話が作られています。

そういった話に飛びついた7割の方が、ロシアの戦争止む無しの話に共感しています。ロシアはアメリカやNATOによって追い詰められ、仕方なくウクライナに生き残りをかけ、さらにはネオナチとの戦いのため、軍隊を派遣したという偽情報を信用し、自らも発信する傾向にあることが分かりました。

さらに、「ワクチンに関するデマを流している集団がウクライナ関連の誤情報を積極的に拡散している」(「日経」同上)ということも分かりました。作為的な動きと、それに影響を受けた動きが並行して存在したということです。

ただ、発信の大元は、独裁国家であり、独裁政党であることは間違いありません。

(「Ameba」)

 認知戦では独裁国家、独裁政党が1枚上手

ロシアや中国の情報の出し方を見ていると、必ず自分たちのポジションを固めた上で情報発信しています。そのため、聞いた時に一瞬正しいことを言っているかのように聞こえます。

認知戦のターゲットはターゲットになった国の政治指導者です。ウクライナを例にして見てみたいと思います――ウクライナへの侵攻は2月24日からですが、その1か月以上前にロシア側のウクライナ東部での工作が始まっています。東部の親ロ派勢力に対する攻撃を、ウクライナ政府が行ったというシナリオに基づく情報を発信します。侵攻の口実にするためです。

ロシアからすれば、ロシア派の仲間たちを助けなければいけないということになります。そして、ウクライナにナチズムのレッテルを貼れば、東部の戦いはネオナチとの戦いであり、それは自由と民主主義の戦いでもあるし、同じロシアの仲間を助ける戦いでもある、とすれば大義名分は成り立ちます。

現在ロシアは東部2州の完全制圧に向けて軍事的圧力を強めています。力を使って領土を獲得しながら、ウクライナから奪った土地の住民に対しては盛んにプロパガンダを流して取り込んでいきます。これは現在進行形で行われていることです。

同じようなことが日本でも行われる可能性がある、という危機感をもって見る必要があります


(「中日新聞Web」)

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