「安倍派が誕生したと聞いて少し驚いています」
「細田派が「衣替え」したのです。細田氏が衆議院議長になるので、派閥の後継人として彼を指名したということです」
「自民党最大派閥になったそうですね」
「安倍氏は熱心な改憲論者ですので、自民党を内側から引っ張るつもりでいると思います」
「維新と国民民主が、意外と改憲に前向きなのですね」
「日本人は少し改憲アレルギーが強すぎると思っているのですが、国際情勢も含めて周りが変化すれば、それに合わせて憲法も変えるということだと思います」
「日本人は憲法は聖典という感覚で捉えている人が意外と多いと思います」
「十七条憲法と大日本帝国憲法がそうでしたからね」
「日本国憲法を入れて日本は3つの憲法を今まで持ったのですが、改正はゼロです。ある意味凄いですよね。ギネスものだと思っています」
「今の憲法が改正できなかったのは、戦後教育の問題もあります。とにかく、この前の選挙を機に、流れが大きく変わろうとしています。憲法改正に向けての具体的な動きが出始めると思います」
「選挙なんかで世の中は変わらない、と嘯(うそぶ)いていた人もいましたけどね」
「変わることもあれば、変わらないこともあるということだと思います」
「どういう場合に変わるのですか?」
「難しい質問をしますね。天の声に人が応えて、地、つまり現実の社会が一つの方向に動き始めた時ですね。3拍子揃わないとダメです。1拍子、2拍子では、変わらないということです」
「3・3・7拍子で人の気持ちが変わりますものね」
「それと関係があるかどうかは分かりません」
「ここからが本論です ↓」
熱心な護憲派の共産党はもともと改憲派――それを封印しているだけ
革命政党が護憲を掲げること自体が論理矛盾です。両者は二律背反的な関係にあるからです。革命というのは、現法制度を考え方も含めてすべて変えてしまおうという試みだからです。それを標榜している政党が、今の憲法を守れと言う、それを何の問題意識を持たずに受け入れてしまう多くの日本人。人が良いのか、何も考えていないのか、それは分かりません。
今はSNSで様々な話題について、いろいろな意見を知ることができます。昨日も維新と国民民主が憲法改正を巡って協議をしたということに対して、共産党の志位委員長が「危険な動き」と発言したことに対するネットユーザーからの声を知ることができました。一昔前では考えられなかったようなことが、インターネットというツールを通して行われているのだなと実感します。
否定意見、賛成意見いろいろありました。投稿者の間で、論争になっているものもありました。それは天皇制についてです。「共産党は天皇制を廃止しようとしている」、「なくさないと言っているので、それを信用したい。それも含めて護憲の立場だ」というやり取りもありました。
(「毎日新聞」)
共産党が74年前に出した「日本人民共和国憲法」
「日本人民共和国憲法」――ネーミングを聞いて、中国と似ていると思った人がいるかもしれませんが、中国共産党と日本共産党は1歳違いの兄弟党です。お互いの前身は、コミンテルン中国支部、コミンテルン日本支部なので、組織の作り方は同じです。上命下達型の組織になっていて、党内から異論が出ないような仕組みになっています。民主集中制と言う名の独裁体制なので、一人の人間が20年以上にわたって委員長を続けることも可能ですし、中国のように任期を勝手に変更することもトップの判断で出来てしまうのです。
インターネットで簡単に検索できますので、多少でも関心があれば情報を取ってみて下さい。「日本人民共和国憲法」で検索すれば、全文入手できます。
入手した後、今の憲法と比較して下さい。天皇制については、「天皇制はそれがどんな形をとろうとも、人民の民主主義体制とは絶対に相容れない。天皇制の廃止、寄生地主的土地所有制の廃絶と財閥的独占資本の解体、……」(前文)とあります。法的な文書に副詞は余り使いませんが、「絶対に」という言葉を使って強く否定しています。そこに共産党の強い思いと意志が込められているのです。
その理由について、前文の最初に「天皇制支配体制によってもたらされたものは、無謀な帝国主義侵略戦争、……」とありますが、その認識が間違っています。「無謀な帝国主義侵略戦争」の側面があったことは否めないと思いますが、その原因を「天皇制支配体制」に求めるのは無理があります。そもそも天皇というのは古代の飛鳥時代から権威の象徴であって、権力は付与されていません。権力なきところに支配はありませんので、「人民の民主主義体制」と両立することができます。現に、今の憲法体制下の状況を見れば、両立できていることが分かると思います。
世界には王室を持っている国がいくつかあります。イギリスにも王室がありますが、民主的な議会制度と併存しています。「民主主義体制とは絶対に相容れない」存在ではなく、王室がある故に国の品格が上がっているのです。
(「前横浜市長・前衆議院議員 中田宏」)
冷戦後に「日本人民共和国憲法」を密かに封印
「日本人民共和国憲法」は、ソ連崩壊後に総会で破棄しましたが、それまでは自分たちの活動の指針になっていたのです。要するに、一時の気の迷いから書かれたものではありません。現に、国会開会式には天皇陛下が「おことば」を述べる式典が参議院で行われますが、共産党は今でこそ出席していますが、戦後長い間出席しませんでした。「日本人民共和国憲法」の考えで行動していたということです。
「日本人民共和国憲法」には、社会主義経済の政策方針が掲げられています。「日本人民共和国の経済は封建的寄生的土地所有制の廃止、財閥的独占資本の解体、重要企業ならびに金融機関の人民共和政府による民主主義的規制にもとづき……」(第四条)。この条文は生産手段の公有化(国有化)について規定した文章です。
生産手段の公有化(国有化)は、搾取理論から導かれた社会主義の中心的な考え方です。今から約170年前にマルクスが言い始めたことですが、当時は「町工場資本主義」の時代です。横暴な資本家に変わって、国の役人が近代的なやり方で会社を統治した方が良いだろうという判断が根底にあったことは確かでしょう。
21世紀のグローバルな資本主義の時代にその公式(搾取理論)を当てはめるのは無理です。町工場の経営者のようにふんぞり返っていただけでは、経営は成り立ちません。企業ガバナンス(コーポレートガバナンス)と言われるように、経営者は会社という組織をいかに発展させるか、従業員に対する社内教育や福利厚生そして公器の観点から企業として社会貢献をいかにするかなど多くのことを考えなければいけません。搾取という理屈で企業を説明することはもう不可能です。微積の公式を当てはめて解かなければいけない問題を、99の公式で解くようなものだからです。
(「Omron」)
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