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憲法改正問題(1) ―― 憲法改正論議と並行して行うこと / 専守防衛と前文の内容

「『産経』(7/14)の報道ですが、アメリカのワシントン・ポストの社説が日本の改憲支持を謳いました」

女性

「実は、なぜそのニュースが1面に載るのか、よく分からないのです。1面というのは、重要という意味ですよね」

「分からない、というのは?」

女性

「何が、どう重要なのかということです」

「今の憲法はアメリカ占領軍の「落とし子」ということを知っていますよね。実はアメリカは、しばらくはそれを重要な「重(おも)し」と考えていたのです」

女性

「「重し」ですか……? 憲法を改正すると、何かとんでもないものが飛び出てくるという発想ですよね」

「軍国主義が飛び出るかもしれないと、アメリカは冷戦が終わった頃も、日本に対してそう見ていたフシがあります」

女性

「冷戦が終わったのは1990年頃ですよね。まだ、軍国主義という目で日本を見ていたのですか? 根拠は何ですか……?」

「根拠レスです。神風特攻隊の恐怖が長く残ったということかもしれません。他国は、とにかく疑惑のまざなしで日本を見ていたのです。アメリカですらそういう目で見ていたのですから、隣国の中には猜疑心の固まりという国があってもおかしくないということです」

女性

「半島の国ならまだ分かりますが、アメリカが日本に対してそういう警戒をしていたとは驚きですね」

「これは前統合幕僚長の河野克俊氏の話(「国基研だより.令和4年6月号」)ですが、1980年代に自衛隊の輸送艦「おおすみ」を作った時、これを将来日本は空母に改造するのではないかと疑われたそうです。1990年代には、護衛艦「はるな」の改造にアメリカは難色を示したそうです」

女性

「当時は、中国よりも日本に対して警戒感をもっていたということですね」

「彼らは多分、中国人と日本人の違いが分からなかったと思います。はっきり違うと認識し出したのが、ここ5、6年でしょう」

女性

「そして、その日米の信頼醸成のために骨を折ったのが安部元首相ということですね」

「それはアメリカが認めています。2015年には、日本の首相として初めてアメリカ上下両院で演説をしていますし、プリンケン国務長官が訃報を聞いて帰路の途中、わざわざ日本に立ち寄ってくれましたからね」

女性

「日米の懸け橋の功労者ということが、そのエピソードからも分かると思います。ここからが本論です ↓」

 憲法改正論議と並行して行うこと

憲法改正の中身が一番重要です。そのためには、現在、何が問題になっているのかということを知る必要があります。

まず、国防が一番重要です。選挙の国民のアンケートを見ると、物価の安定とか福祉の充実という意見の方が多数派ですが、これは完全な「平和ボケ」です。

ウクライナの状況を見れば分かりますが、現代戦争はミサイルの連射から始まります。ミサイル攻撃を何発か受けてしまったら、経済生活そのものが無茶苦茶になります。文化財に命中した場合、取り返しがつかないこともあります。マンションが被弾すれば、そこの住民は財産的価値を一挙に無くします。その損害を誰も保証してはくれません。福祉とか物価の値上がりを言っている場合ではありません。とにかく、1発のミサイルも日本に落とさせないことが重要なのです。

そのためには、専守防衛の考え方を改める必要があります。専守防衛というのは、文字通り、相手国が攻めたことを確認した後、それに対して改めて防御態勢を取るというものです。ただ、その防御についても「自衛のための必要最小限」ということになるだろうというのが、従来の考えでした。何故なのか。自衛のためと言って反撃が大きい場合は、戦線が拡大する可能性が出てきます。それは、日本国憲法9条の理念に反するだろうというものです。

(「中国新聞デジタル」)

 専守防衛はアメリカにとっても不都合

専守防衛の考え方を日米同盟関係に当てはめると、日本は専ら守りに徹していれば良いということになります。ということは、仮に日本の周辺で好ましからぬ事態が進行したとしても、日本としては「遺憾」砲を撃つしかないということです。実際に、中国はそれを見越して、連日尖閣海域周辺に海警局の船が出没しています。

日米同盟についてよく例えられていたのは、日本は盾の役割、アメリカは矛というものです日本がガードしている間に、同盟国のアメリカが侵略国に対して反撃をする、という役割分担が暗黙のうちにありました。

ここ20年で状況が大きく変化をし、そういう考え方では事態を乗り切れなくなったのです。北朝鮮の核開発問題もありますが、中国の存在が一番の原因です。ここ20年で急速に経済力・軍事力を伸ばし、周辺諸国に対しても攻撃的な言動が目立つようになりました。

そういう中で台湾侵攻が現実的な日程に上りそうな状況です。台湾、尖閣、沖縄は地政学的に重要地域ですし、中国はそのラインの軍事的掌握を狙っています。あなた「守る人」、私「攻撃する人」とのんびりしている時代ではなく、二つの国が力を合わせなければ防御出来ないというところまで来ているのです。

(「イラストセンター」)

 9条と前文はセットの関係になっている

9条は完全に性善説の立場に立って書かれています。というか、この条文は、前文とセットで解釈する必要があります。前文が9条の言い訳的文章になっているからです。

どういうことか。9条の考え方は、簡単に言うと無防備で国を守れというものです。なぜ、それが可能なのかと言えば、日本の周りの国はすべて「平和を愛する諸国民」なので大丈夫という論法です。日本が戦争を始める張本人なので、日本さえ軍備をもたず、戦争を放棄すれば、世界の平和は保たれるという考えが根底にあったのです。

憲法前文には、本来はその国の歴史と文化について書き込むものです。長き時代の流れの中で、多くの先人たちが守ろうとしたこの国の価値があります。国の自然そのものという人がいるかもしれません。独特の文化や慣習、と答える人もいるでしょう。何らかの価値があるから、一つの王朝として約2000年の歴史を刻むことが出来たのです。そのことを、前文に書きこむ必要があるのです。9条だけが注目されていますが、9条と前文はセットというのが制定者の考えですので、9条を何らかの形で書き換える場合は、前文を書き換えないと論理的な辻褄が合わなくなります。

今まで、殆ど話題になっていない前文。日本人のアイデンティティの形成の上に於いて重要です。人は自分の「立ち位置」を認識して、自分のアイデンティティを確立するからです。

(「内向型人間の進化論」)

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