「「カスハラ」という言葉を知っていますか?」
「何ですか、それ? カステラと関係があるのですか?」
「カスタマーハラスメントの略です。顧客や取引先からのいやがらせや迷惑行為のことです」
「そういう言葉があるということは増えているということですね」
「あなたの会社では、そういうことは話題になったことはないのですか?」
「私は幹部社員ではないので全体状況は知りませんが、当然いくつかはあると思います。自分の経験でも電話口で怒鳴られたこともありますしね」
「だから最近は、殆どの会社が必ず機械音声による案内を導入していますよね」
「ウチの会社は2年前から「通話を録音させていただきます」という案内を入れるようになりました」
「やはり違いますか?」
「その言葉を入れることによって、相手も考えるのでしょうね。随分減ったということを聞いたことがあります」
「日本はおもてなしの文化であり、国ですが、やはり根底のところで崩れ始めているのでしょう」
「この「ぎすぎすさ」を生んだ原因をどのように考えていますか?」
「原因は、宗教心の欠如だと思っています」
「宗教とカスハラがどう繋がるか分かりませんが、その辺りは本論でお願いします ↓ 表紙は「カスハラ防止ポスター」です」
ホモ・サピエンス――自然と人間を守るために神を作る
自然界は弱肉強食の世界です。ただ、弱い動物が強かったり、強い動物が弱かったりということで、お互い持ちつ持たれつ支え合いながらお互いの生命を維持してきました。仮に動物オリンピックなる競技があった場合、人間はどの競技でも入賞さえできないでしょう。空も飛べませんし、早く走ることも早く泳ぐことも出来ません。
そのように動物界において運動能力的に劣る人間が地上の王者として君臨できているのは、その知能ゆえです。アフリカに起源をもつホモ・サピエンスが世界に広がり始めるのは5万年位前だと言われています。当時の生活は原始的ですが、彼らの知能は現代人と変わりません。
ホモ・サピエンスとして歩み始めた頃、彼らは思い思いの神を作ります。神を作ることによって、自然と人間に対して攻撃しない人間を作るためです。そのために、自分たちより偉大な存在を認めることを一つの文化として後世に引き継ぐことを考えます。世界のどの部族も神話をもっているのは、このためです。
(「BEST TiMES」)
「神」が受け継がれなくなっている
何故、自然と人間に対して攻撃しないようにする必要があったのか。自然を破壊し、人間を攻撃し始めたら、人類が滅びてしまうからです。宗教の原型がつくられた瞬間だったのです。だから、神話から宗教という流れは、人類にとって必然的なものなのです。
信仰を人間の本能と言う人もいます――「神への信仰は本能である。それは二本の足で歩くのと同じく、人間に生来備わっているのものだ」。18世紀の物理学者リヒテンベルクの言葉です。
本能ではなく、祖先から長く受け継がれた神への畏敬の念がDNAのレベルに落とし込まれたものだと考えています。そういうものなので、意識的に繋げていかないと途切れていくものだと思います。欧米を見ても分かりますが、ここ日本でもそれが途切れ始めています。どうしてそれが分かるのか。自然や人間への攻撃が増え始めたことで分かります。除草剤を撒いて店の前の街路樹を枯らした会社があります。日本でも、そういうことが起き始めたということです。同時並行的に人間への攻撃が起き始めているということです。
(「Yahoo!ニュース- Yahoo! JAPAN」)
カスハラ15%、セクハラよりも多い実態が判明
厚労省がカスハラの実態調査を2020年に行っています。企業・団体に勤務する20~64歳の労働者に実施した調査によると、過去3年間でカスハラを1度でも経験した人の割合が15%だったそうです。ちなみに、セクハラが10.2%、パワハラが31.3%です(『日経』2023.8.26日付)
受けた行為としては、同じ内容を繰り返すクレーム、暴言、名誉棄損といったものです。名札を付けていたため従業員が特定され、そのことで、SNSを使って攻撃されるということもあったため、名札にはイニシアルしか書かないようにした店もあるようです。
厚労省は「カスハラ対策企業マニュアル」を作って、それを企業や営業所に配布して防止をしていきたいという考えのようです。ただ、大元の宗教心の問題について何も考えなければ、根本的解決にはなりません。次回は、その辺りのことについて触れたいと思います。
(「note」)
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