「小学校は今日から夏休みでしょ?」
「ここから長い憂鬱な日々が続きます」
「子供は元気で留守がいい、というやつですか?」
「かと言って、外は酷暑でしょ。熱中症、交通事故、そして水難事故と気が気ではないですね」
「この暑さには驚きますが、ヨーロッパはもっと凄まじいみたいですよ。熱波地獄のようだと言っていた人もいます。森林が暑さのため、各地で燃えたそうです」
「まだ日本は雨が降るだけ、ましかもしれませんね」
「降りすぎている所もありますけどね。ところで、そちらの学校は夏休みの宿題はあるのですか?」
「一応、何かもらってきたみたいですね。それが何か?」
「昨日のテレビで夏休みの宿題を一切なくしたという小学校のことを取り上げていましたので……」
「まだそういうところは、少数だと思いますよ」
「自主性を尊重したいと言っていました」
「自主性というのは、便利な言葉ですからね。ウチの子は、自主性なんて言ったら、ずーっとテレビゲームしていますよ」
「ある程度、自分で自分の行動を決められるようになってから使う言葉でしょうね」
「そうでしょうね。小学生には、無理だと思いますよ。余程、何か目標を持って普段頑張っているお子さん以外は……。ここからが本論です ↓ 表紙は「株式会社ジット(三重)」提供です」
AIとの共存を模索する時代
夏休みの宿題やコンクールの作品に、生成AIを使わないようにということを子供たちに注意をする時代になりました。AIとの共存を模索する時代となったということです。
アメリカでは7/21日に生成AIの開発を手掛ける主要7社とAIの安全性を確保するルールの導入で合意したそうです。AIによってつくられたコンテンツに「AI製」と明示するシステムを導入するようです。
アメリカは今後日本やインド、オーストラリアなどと国際的な枠組みについて話し合いをすると言っています。
(「トライツコンサルティング株式会社」)
AIが苦手とする分野——創造的思考と美の表現
期せずして、経団連のフォーラムが軽井沢で7/21にあったのですが、そこで岸田首相は生成AIの開発支援をしたいと明言しています。首相は「AIを開発する力が競争力の源になる時代だ。鍵を握るのは計算資源と良質なデータ」と言っていますが、最も一番の鍵となるのは、人材の育成です。それが失敗したら、本当にそれこそ中進国になります。
今までのような偏差値教育ではAI時代に求められる人材を輩出することはできません。AIが得意な分野と不得意な分野があります。得意とすることは、単純計算、統計、確率計算、論理的文章と記憶です。苦手なことは、創造的思考と美の表現、並びに感情的な表現です。
得意分野を眺めると、今までの偏差値エリート、受験エリートが得意としてきた分野です。ほぼ、競合しています。ということは、事務的な役所仕事はAIに代替できるということです。そして、AIが苦手とする創造的思考と美の表現を担う人材をどのように育てるかを考えなくてはなりません。
AI時代をリードする人財を育成するプログラムを開発する時代
教育の分野における価値観の変動時代ということです。従来の、一斉学習一斉指導では、AI時代に対応した人財を輩出することは出来ません。すべて平等(形式的平等)という発想で現在の教育システムは作られていますが、必要な原理は実質的平等です。つまり、能力のある者を特別枠で伸ばす教育が求められます。
その点、戦前の教育システムは飛び級あり、原級留め置きありで、学校生活の中に一つの競争を持ち込みました。現在の教育システムは、競争に負けそうな人間を手厚く教育するところがあります。エリートは自分で自主的に勉強して伸びるはずという変な思い込みがあるようです。例えば、超一流のプロのスポーツ選手ほどコーチが必要です。何故なのか。自分を客観的に見てくれる人が常に必要だからです。
同じ理屈です。真のエリートを育てるためには、2重3重の育成プログラムが必要です。そのプログラムの開発はAIには無理です。そういうことを分かった人間を見つけるか育てる必要があるのです。
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