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温暖化が自然界に与える影響 ―—「千年海流」が止まる !? / 異常気象に備え、食料自給率を上げる努力を

「お米がどこへ行っても売り切れだと言って騒いでいたけど、手に入りましたか?」

女性

「先週末に、地元のスーパーに新米が入荷したので、それを買いました」

「今回の米不足もようやく解消に向かいそうですね」

女性

「そうなると良いですね」

「日本人は心配性なので、何かが無くなる、品薄となるとすぐに買いに走る人が多いのです。あなたのような人を「コメ難民」と言うそうですよ」

女性

「コロナの時は「マスク難民」でした」

「ただ、これからはいろんな「食べ物難民」が出るかもしれませんよ」

女性

「どういう意味ですか?」

「水産物の漁獲量が減っているそうです。例えば、「イカの町」と呼ばれている青森県八戸ではスルメイカの水揚げ量が最盛期の1/20程度になってしまったそうです」

女性

「その原因は何ですか?」

「海には約20年周期で海の資源が変動する「魚種交代」という現象があるそうです。その現象なのか、それとも地球温暖化が原因なのか、そのあたりはよく分かっていないみたいです」

女性

「乱獲が原因ということはないのですか?」

「そういったことが関係しているかもしれません。スルメイカは日本海で漁獲されますが、中国、韓国も漁獲をします。将来にわたって安定した漁獲量を得るためにも、3者で協議する必要があるのですが、それが出来ていません」

女性

「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「ja.namu.wiki」提供です」

 温暖化の影響で海流が止まる

人間の経済活動が時代とともに活発になれば、多くの食料の生産も可能となり、人口も増えます。人間は酸素を吸って二酸化炭素(CO2)を吐き出す動物なので、当然、CO2の排出量が多くなり、温暖化が進行します。その温暖化が「海の循環」(海流)に作用しているという情報が入ってきました。

欧州の研究機関によりますと、大西洋には南北に貫く海流(「AMOC」)が存在しているのですが、それが2020年代の後半には止まってしまう可能性があるとのことです。温暖化によって大雨が増えて淡水が海に大量に流れ込むと、淡水は海水よりも軽いため、深層まで沈み込んでいかなくなり、それが海流の流れを遅くする原因となるそうです。そしてそれが積み重なって、最終的にストップしてしまうとのこと。

ヨーロッパは高緯度に位置しています。世界地図を広げてみると、イギリス、ドイツが樺太とほぼ同緯度であることが分かります。高緯度の割に温暖なのはヨーロッパに沿って流れる暖流と偏西風のお陰なのですが、その暖流が流れてこなくなれば当然寒冷地となってしまいます。


(「日本経済新聞」)

 「千年海流」の循環が滞り始めている

「海洋大循環」と言って、地球には1000年という長い時間をかけて海の中を海流が循環している現象があります(「千年海流」)。海水の塩分濃度や、海水の温度の違いによって流れが生じるため「熱塩循環」とも呼ばれているとのこと。1980年代に米地球科学者のウォーレス・ブロッカーが提唱したのですが、この循環が滞り始めているというのです

「AMOC」は千年海流の一部です。2025~95年の間に止まり、欧州は暖流の恩恵を受けられなくなり、平均気温が5~15度下降して寒冷化すると言うのです。海は流れを作ることにより命を育んでくれますが、それが止まれば死の海となります。

日本に関連することで言えば、黒潮の「大蛇行」が7年間続いていますなぜ、蛇行するのかと言えば、温暖化→多雨の影響を受けて流れるスピードが遅くなっていると考えられます。異変は海の生態系に影響を与えます。同じ漁場の中でも獲れる魚の種類が変わったり、不漁となったりといったことがこれからは頻繁に起きる可能性が高いと思います。

(「日本経済新聞」)

 異常気象の嵐の「前日」―— 食料自給率を上げる努力を

海流の減速と温暖化は地球規模での異常気象を引き起こすことになりますスーパー台風がつい最近発生をして、フイリピン、中国、ベトナムで被害を多く発生させましたが、日本を頻繁に襲うようになるかもしれません。ヨーロッパの寒冷化をはじめ、海面上昇が起こり、穀倉地帯に雨がまったく降らなくなったり、乾燥地帯が多雨地域になったりということが起きるかもしれません。いずれにしても、食料生産に大きな影響を与えることになるでしょう。

日本は食料を大量に輸入している国です。生産額ベースで言うと自給率は63%です(カロリーベースでは38%)。カナダは121%、オーストラリア128%、アメリカ92%、フランス83%。この後に続くのは、イタリア80%、ドイツとスイスが70%(いずれも農水省試算、2009年)。ちなみにカロリーベースの自給率が低いのは、肉などの高カロリーのものを多く輸入しているためです。

工業製品と違って農産品は自然環境に大きく左右されます。減産となれば価格は上がりますし、減産が続けば自国の食を優先するので、輸出をストップするかもしれません。そして、収穫できなければ買うことはできません。今後起こるであろう異常気象の嵐の中で、何とか生き延びていくためにも食料自給率を上げる努力が必要です。消費者レベルで言えば、食べ残しを減らし、地産地消の考えに基づいてなるべく地元でとれたものを優先して食するという努力が求められます。 

参考記事:「温暖化で弱る『千年海流』」(『日本経済新聞』2024.9.8日付)

(「マン環.jp」)

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