
「東京芸術大、多摩美術大といった美術系の大学では、中国からの留学生が増えているそうです」

「どうしてですか?」

「日本のアニメ文化に対する人気というのがあると思いますが、政府が「高度外国人材」の要件を2017年に緩和して、アニメやデザインといった分野の高度人材も認めたのが一つのきっかけになっています」

「成る程、留学すれば技術の習得と日本語の習得の両方できますものね」

「最終的に「高度外国人材」の審査があるのですが、日本の大学を卒業していれば、ハードルは高くないそうです」

「どういう審査なんですか?」

「審査する項目があって、主なものは、学歴、職歴、年収、年齢、日本語能力といったものです」

「何点で合格という感じなんですか?」

「70点以上で合格だそうです。80点以上あると、日本滞在1年で永住権が取得できます」

「ということは、国籍も取得できるということですか?」

「永住権と国籍の取得は別次元の話です。永住権を取得しても国籍は変わりません。国籍を取るためには、帰化申請をする必要があります。ただ、帰化条件は永住権より厳しくなっています」

「健康保険は、どうなんですか?」

「永住とかそうでないとか関係なく、日本に在留資格がある限り、健康保険には加入する義務があります」

「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「X」からのものです」
中国人の日本移住増加の時代
2026年、日本に在留する中国人が100万人を超えると予測されています。これは単なる「日本人気」ではなく、中国からの「脱出組」が増えていることを示しています。近年、中国国内では共産党一党支配の強化に対する不満が高まり、政府の統制が一層厳しくなっています。加えて、中国人がこれまで移住先として好まれてきたアメリカからのビザの発給が厳しくなり、簡単には移住できなくなってきたという事情が出てきたからです。
こうした状況の中、日本は比較的移住しやすい選択肢として注目されています。中国では土地の私有権がなく、政府の方針次第で生活環境が急変する可能性があります。一方、日本は法治国家であり、政治的安定も比較的高い。また、台湾有事が現実味を帯びる中、中国政府が徴兵制度を強化し、若者が兵隊として派遣されるリスクがあることも、中国人の国外移住を後押しする要因となっていると思われます。
日本に移住する中国人は、ビジネスパーソンや投資家だけでなく、若者や家族連れも増えています。日本の社会保障制度や教育環境の良さも、多くの人々にとって魅力的に映るようです。こうした背景から、今後も中国人の日本移住は増加し、日本社会に与える影響も無視できないものになっていくでしょう。
(「日本経済新聞」)
若者が留学から永住権を狙う
中国人留学生にとって、日本は単なる学びの場ではなく、永住権を獲得するための重要なステップとなっています。日本では2017年に高度外国人材の受け入れ要件が緩和され、学歴、職歴、日本語能力などの基準を満たし、80点以上の評価を得れば、日本滞在1年で永住権を申請できるようになりました。これは、長期間の就労ビザを必要とする欧米諸国と比べ、はるかに短期間で安定した在留資格を得られる仕組みとなっています。
中国の大学入試は極めて競争が激しく、成績だけでなく出身地によっても合否が左右されます。例えば、都市部の学生と農村部の学生では、同じ点数でも進学のハードルが異なります。そのため、能力があっても希望する大学に進めない若者が、日本留学を選ぶケースが増えているのです。さらに、日本の大学を卒業すれば、日本企業への就職の道も開かれ、将来的な永住権取得の可能性も高まります。
現在、日本政府は留学生の受け入れを積極的に推進しており、優秀な人材を確保しようとしています。一方で、日本に留まる外国人の増加に伴い、就職競争や社会統合の問題も浮上してきます。今後、日本社会はこうした外国人の受け入れと共生について、より真剣に考える必要があると思われます。
(「ビザ部」)
共生社会をどうつくるか
中国人の日本移住が進む中、日本社会はこれまで経験したことのない「共生社会」が待っていると思われます。すでに、私立高校の中には学年の生徒の半数が中国人留学生という学校も現れ、日本の教育現場にも変化が生じています。また、日本の小学校に子どもを通わせる中国人富裕層も増えており、今後もこうした流れが拡大する可能性が高いのです。
中国では、北京大学や清華大学は東大以上の難関とされ、こうした名門大学を卒業しても安定した職に就ける保証はありません。そのため、日本での進学や就職を選ぶ若者が増えています。高度な学歴を持つ彼らが日本に定住することで、社会に貢献する可能性が高まる一方、日本人との文化的な違いや価値観の違いをどう調整していくかが課題となるでしょう。
共生社会を実現するためには、日本社会の受け入れ態勢を整えると同時に、新たな移住者にも日本のルールや文化を尊重してもらうことが求められます。言語の壁や就職のハードルをどう克服するか、多文化共生の教育をどう進めるかといった課題に取り組む必要があります。移民が増加する時代において、日本社会は新しい形の共生社会を模索していかなければならないでしょう。
(「シアエール」)
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