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人口減の問題は、複雑な方程式を解くつもりで臨むべし / 内閣府の「少子化社会対策大綱」を読む

「今の御主人とどうやって知り合ったの?」

女性

「いきなりステーキですか?」

「そのギャグは止めなされと、前に言ったでしょ」

女性

「すいません。急に聞かれたので、つい……。主人とは、職場のサークルで知り合いました」

「どういうサークルなの?」

女性

「入社して10年以内の人たちが入る『ひよこ会』というサークルです」

「何をするサークルなんですか?」

女性

「親睦サークルです。飲み会、カラオケ、ハイキングや旅行に行ったりするのです」

「何か楽しそうですね。だけど、そういうのがないとなかなか知り合えないよね」

女性

「そうですね、主人とは部署が違っていましたので、なければお互いすれ違っていたと思います」

「じゃあ、極めて自然にということですね」

女性

「はい、お陰様で」

「縁というのは人と人の繋がりの中で生まれるものですが、今はかつての時代と比べて人間関係が希薄になっていますから、そういう意味で良かったですね」

女性

「そうですね。本来はそういったネットワークのようなものが地域にあると良いとは思います」

「町内会はあるでしょ」

女性

「あることはありますが、防災とお祭りの時くらいでしょうか。声がかかるのは」

「私の子供時分は、学区の中の情報をお互い共有していた感じがありましたね」

女性

「例えば、どんなことですか?」

「家族の年齢構成はもちろんのこと、仕事なども。嫁入りがある時は、あっという間に情報が広がって、子供たちは菓子をもらいに行くのです。名古屋には嫁入りの時に菓子をばら撒くという風習があったのです」

女性

「今もあるのですか?」

「もう聞かないですから、無くなっていると思います」

女性

「ここからが本論です ↓」





① 人口減の問題は、複雑な方程式を解くつもりで

複雑な方程式を解くつもりで、少子化問題に取り組まなければ解決しません。どうしてそんなに問題が複雑化したのかということですが、一言で言えば「こじれてしまった」からです。病気も初期の段階で対処すれば治りやすいのですが、対策を打つべき時に何もせず、それをそのまま放置していたからです。例えて言えば、すでに病状はかなり進行しているのにも関わらず、そのことすらも分かっていません。2.3日通院すれば治る程度と思っています。実際には、入院させて精密検査をして、病状を診断して、プロジェクトを組んで治療方針を定める必要があるのです。

要は、現状認識が甘いのですが、何を根拠にそういうことを言うのかと思われるかもしれません。政府から「少子化社会対策大綱」が出されていますので、それを読めば国が少子化問題をどう考えて、どう対処しようとしているかが分かります閣議決定され、2025年までの「子育て支援政策」の方針が示されています

「希望出生率1.8」と目標も立てられています。ただ、政府といっても所詮は官僚たちが考えたプランです。一読しました。それについては後で論評したいと思いますが、頭の固い官僚や政治家には、この問題を解くことができないのではないかと思いました(公務員上級試験そのものを考えた方が良いと思います)。

少子化対策として必要な視点は3つです。1つは、男女が出会い、結婚するまでの環境づくり。2つ目が、地域の再生。3つ目は、子育て環境政府、マスコミや学者は、最後の3つ目だけを言っています。子供というのは天から降ってくるわけではありません。それまでの前提が必要です。出会う空間があり、出会うべき2人がいて、それから結婚となり子供が生まれるのです。まず適齢期の男女がなぜ結婚しなくなったのか、なぜ結婚できなくなったのかを、最初の2つの視点から分析する必要があります。

この間、少子化について、いろいろな方面からの意見や対策を見ているのですが、1番目と2番目の視点が全くといって良いほどありません日本人は農耕民族のDNAを受け継いでいますので、自分のテリトリーに留まる傾向があります。ちなみに狩猟民族は、テリトリーを乗り越えようとします。中国やロシアが拡張政策をとっていますが、あれは民族のDNAがなせる業です。彼らは土地、獲物、異性を求めて行動することができますが、農耕民族はそのように行動できません。そのため、二人が出会う「場面」と「空間」を考える必要があるのです。それは、地域であったり職場であったりするのですが、普遍的に身近に存在するのが地域なので、その活性化を視野に入れる必要があります

「少子化社会対策大綱」に対して「朝日」と「産経」が「社説」を載せていますので、それを紹介します。両新聞社は政治的立場が対照的ですが、政府の「大綱」について同じような意見を述べています

「政権の本気度を示せ」と題して「子育てと仕事の両立を阻む長時間労働、女性に偏りがちな育児や家事の負担なども、長年の課題だ。企業風土や働き方の見直し、社会の意識改革は、巨額の税金を使わなくても取り組めるはずだ」(「朝日社説」2020.6.3日付)とあります。

「産経」は「国難直視し抜本的対策を」(2020.6.8日付)と題して「子育てに寄り添う伴走型の支援」「妊娠・出産、子育ての財政支援を手厚くするのは当然である」(「産経社説」2020.6.8日付)とあります。「抜本的」と言うからには、その視点なり概略くらい提示すべきですが、何もありません。どうして良いか分からないのでしょう。両社の社説は、3番目の「子育て環境」の視点からしか論評していません。

学者も同じです。「少子化問題に詳しいシカゴ大の山口一男教授は『依然として女性の家事育児の負担は重く、非正規が多い女性を中心に失業者が増えている。このままでは結婚や出産を避けようという社会的状況は今後も続く』(「毎日」2020.6.6日付)。

「人口問題に詳しい鬼頭宏・静岡県立大学長は『子育て世帯への経済的支援は大事だが、時間がかかっても男女格差のない社会に作り直す覚悟で臨まなければ、出生数増加につながらない』」(「朝日」2020.6.6日付)。

家事負担、女性の失業、男女格差などと出生率は関係ありません出生数の減少は1970年あたりを境に始まっています。別にその年を境にそれらのマイナス要因が社会に顕在化した訳ではありません。そもそも、「家内」という言葉があるように、戦前においては家事労働は専ら女性の仕事とされ、男女格差が当たり前の時代でしたが、人口は増えていました。理屈が合いません

② 「少子化社会対策大綱」は焦点が定まっておらず、高校生が書くような作文

 例えば、腰痛という症状が出ているのですが、その痛みが内臓から来ているということがあります。その時に、腰だけを治療しても治りません。そのことに気が付けば良いのですが、思い込みが激しいと、果てしなく腰の辺りの治療だけを行おうとします。挙句の果てに、段々あきらめムードになってきます。まさに、状況的にはそういう感じとなっており、無償化や育休といった子育て環境にばかり目がいってしまっています。

内閣府が「少子化社会対策大綱」を出していますが、打つ手なしという感じで嘆きの文章となっています。以下、その「目的」の中に書かれている珍文章に突っ込みを添えて紹介します。

・「未婚化・晩婚化という結婚をめぐる変化に加え、近年では結婚した夫婦の出生力そのものも低下しており、このままでは出生率の低下は更に進むことが予想される」―—「夫婦の出生力」という珍妙な言葉を使いながら、書いていることが評論家的であり、傍観者的です。そうならないために、この文章を書いているんだろ、と思わず言いたくなります。あきらめ観が漂っています。

・「第三次ベビーブームが起こる気配はない」―—もしかしたら、奇跡を期待していたのですか? 原因がないところに結果は出ません。

・「子どもたちの健やかな育ちや自立を促し、さらには親自身の育ちを支援し、子育て・親育て支援社会をつくることを国の最重要課題とすることが求められている」―—「親自身の育ちを支援」とか「子育て・親育て支援社会」と、分かったような分からないような言葉を使っていますが、しきりに子供が生まれた後のことを心配しています。子供が生まれない現実を直視して、その具体策を立てましょう。

・「子どもは社会の希望であり、未来の力である。次代を担う生命がたくましく育ち、自立した責任感のある大人となっていく社会への変貌は、すべてに優先されるべき時代の要請となっている」―—「浪花節」から始まっています。そしてついに、その子が大人になってからのことまで心配をし始めています。生を受けて地上に登場させることを、まず心配してほしいものです。後半の文章、特に「大人となっていく社会への変貌」以下は日本語の文章としてもおかしいです。




③ 最後の最後まで、子育て環境にこだわる――「少子化の流れを変えるための3つの視点」

「大綱」が言う3つの視点というのは、「自立への希望と力」「不安と障壁の除去」「子育ての新たな支え合いと連帯」だそうです。ここまで読むまでに、何回首をひねったか分かりません。ほとんど馬鹿くさくなります。内閣府の文章として、よくこういう文章を恥ずかしげもなく出すものだと思っています。要するに、素通りしているのでしょう。教え子がこの文章をもってきたら、再提出を言います。

3つの視点を見た時、その具体的な政策のイメージが湧くものが望ましいのです最初の「自立」は、「若者の自立」だそうです。はて?と思って読んでみると、要するに自立していない若者が増えてしまったため、結婚する若者が減った、という認識なのです。

その文脈で、不登校、ひきこもりと書かれているので、後ろの方にそれを解消するための具体策が書かれているのかなと思いきや、奨学金、「確かな学力」、「生きる力」と書かれているだけです40人学級から20人学級、不登校の子供にオンライン授業による手当、ひきこもりの子に対する訪問指導など、何らかの具体的な政策を上げるべきでしょう

「子育ての新たな支え合いと連帯」これについては、「子育て・親育て支援社会をつくり、地域や社会全体で変えていく」とこれも分かったような分からないような言葉で説明しています。地域という視点は大事なのですが、ここでも子供ができた後のことを一生懸命に心配しています。少子化の意味が分かっていないのかもしれません。子供が生まれないと心配しているのに、しつこく子供とさらにその親のことを心配しています。

「大綱」はこの後、「28の行動」を提起しています。ただ、ここまで見れば、後は推して知るべし。トンチンカンなものが、ずらっと並んでいるだけです。例えば、「奨学金の充実」、「行政の一元化」、「良質な住宅・居住環境の確保を図る」など、少子化の解決とどう直接関係があるのか分からないようなものが、いろいろ並べられています

「大綱」はインターネットで検索して簡単に手に入ります。是非、ご自身の目で確かめて下さい。

批判ばかりになってしまいました。お前の意見はと言われそうなので、次回、少子化を克服するための方策(プラン)について書きたいと思います

読んで頂きありがとうございました。

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