「夫婦別姓制度をめぐって議論が活発になっている感じがします」
「国会で法案審議が始まるかもしれない状況になっているからです。攻める側と守る側、旗幟(きし)鮮明になっています」
「私は姓が変わることに何の違和感も感じなかったのですが、気になる人は気になるので、何らかの措置をしても良いのかなとは思っています」
「その配慮をすることによって、影響を一番受けるのが子どもですよ」
「結婚の際に、予め子どもの姓を決めておくという考え方が、法制審議会で採用されています」
「予め決めておけば良いというものではないと思います」
「確かに。それをしたとしても、家族内で2つの姓が使われることになりますものね」
「子どもが複数いる場合は、どうするのですか?」
「法制審議会の意見は、子どもの姓はとにかく同じにするという意見でまとまっています」
「妻の姓に予め決めておいたのに、生まれた子供の顔を見て、急に夫の姓にするのは有りですか?」
「それが可能になるような規定を作れば良いと思いますけど……」
「あれもある、これもあるというという可能性に基づいて規定を作るという発想ではなく、「旧姓使用法」(仮称)を制定したらどうでしょうか?」
「旧姓使用ができる場面を予め決めてしまうということですね」
「旧姓使用希望者に対して、原則的に自由に旧姓を使えるようにするのです」
「民法を改正するということですか?」
「「夫婦は、婚姻の際に……夫又は妻の氏を称する」(750条)という規定は、戸籍法と連動しています。大元の規定を変えずに、例外規定として「旧姓使用法」(仮称)を制定して対応するということです」
「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「photoAC」提供です」
「旧姓使用法」(仮称)の制定という選択肢
旧姓使用を法制化することで、選択的夫婦別姓を導入しなくても問題を解決できるのではないか、と思います。現在、日本では旧姓使用の範囲が拡大しつつありますが、その法的根拠がないため、それぞれの組織の裁量と判断に任されています。社会的に統一していないため、法を制定して社会的に旧姓使用を認知する措置を取るのです。そうすれば、親子別姓に伴う混乱が解消されると思います。
旧姓を住民票、戸籍謄本、パスポート、免許証といった公的書類に正式に併記できるようにするのです。 これらの書類の中には、併記が可能なものも既にありますが、統一的に運用できるようにします。
不動産契約、金融機関の手続き、遺言・相続など、旧姓でも本人確認ができるような仕組みを整えた上で旧姓を使用できるようにします。国際的な契約関係や国際学会では旧姓をミドルネームとして使用できるようにします。例えば、花子さんの旧姓が田中であれば 「HANAKO TANAKA SUZUKI」とします。パスポートは併記でも、ミドルネームでも良いと思います。本人の希望により表記できるようにすれば良いのではと思います。
(「ameblo.jp」)
戸籍制度の根本的な見直しはしない
現在の戸籍には、旧姓を記載することはできません。但し、選択的夫婦別姓制度が国会で承認された場合には、戸籍法を改正することになると思います。その場合は、親子すべての姓名を書くことになり、事務処理が非常に煩雑となります。「旧姓使用法」(仮称)を制定する場合も戸籍法を改正する必要がありますが、旧姓を併記するだけの措置で済みます。そして戸籍上の正式な氏名は「姓+名」のままとなり、従来からの変更はありません。
国際契約の際にミドルネームを使用すると、戸籍の表記と異なることを心配する人が出てくるかもしれません。戸籍制度がない国もありますので、そこの不一致は問題になりません。ミドルネームを使用することを法的に承認しているのですから、その規定と他の公的書類によって旧姓が証明されれば、国際契約でも有効となります。
要するに、戸籍制度がない国もあるため、日本の戸籍の表記と国際的な契約や国際学会で使用する姓名とを完全に一体化させる必要はないということです。
(「You Tube/さかえ司法書士事務所」)
国際的な比較は意味がない
夫婦別姓を導入することの根拠として、外国の例を持ち出すことがあります。家族制度をどうするかという問題は、その国の歴史や文化に関わる問題なので、他の国と比較するような問題ではありません。比較すること自体、意味がありません。
日本は農耕民族の国なので、定住して夫婦で協力して家や地域を守っていくという考え方が起き、そのためには姓を合わせた方が良いだろうということで夫婦同姓が自然に定着していったのだと思われます。少なくとも、権力的かつ強制的に夫婦同姓となった訳ではありません。それが証拠に、家族の成員が同姓であることに違和感を覚える人はいないと思います。
同姓か別姓か、それはその国独自の問題なので、その国の国民が自分たちの歴史を見つめ、そして子供たちの未来を見つめて考えることなのです。
(「WeXpats」)
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