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「保守」とは何か (その1) ―― 伝統・制度・皇統の本質を考える / 過去を懐かしむのではなく、価値あるものを未来に活かす視点を      

「日本保守党という新しい政党があります」

女性

「私の知人で昨年の衆議院選挙で票を入れた人がいます」

「私も実は票を入れた一人ですが、3人の国会議員が誕生してこれからという時に内紛が起こったみたいです」

女性

「作家の百田さんが呼びかけて立ち上げた政党です。個性が強い方だと思いますが、組織者としての力量がこれから試されると思います」

「保守党の共同代表の河村たかし氏が今月号の『正論』に文章を寄せていましたので読んでみました」

女性

「どういう題ですか?」

「「日本保守党 共同代表 続投宣言」です」

女性

「読んだご感想を」

「この方は感覚でモノを言う人だと思いました。そして、保守の意味をはき違えていますので、これでは日本の保守層を結集できないと思います」

女性

「保守という字は、保って守ると書きます。日本の何を守るのかを明らかにする必要があると思います」

「日本は世界一長い歴史を有した国です。そのことが現在は余り生かされていないと思っています」

女性

「歴史が長いために、どこをどう見るかで意見が分かれるのでしょ?」

「例えば、皇統を守るという点で容易に合意できるのですが、天皇の役割ということになると、そこから意見が分かれていきます」

女性

「ここからが本論です ↓表紙写真は「リベラルアーツガイド」提供です」

 日本文化の独自性を守るということ

保守には2つの意味があります。まず1つ目は、日本の伝統と文化を守り、それを後世に伝えていくことです。文化とは、その国や民族に固有のものであり、私たちの生活の中には、日本独自の文化が数多く息づいています。

たとえば、日本語そのものが文化です。日本語は母音が中心となった珍しい言語であり、濁音を多く用いる点でも他の言語と異なります。同じウラル・アルタイ語族とされるモンゴル語や朝鮮語と比較しても、日本語だけが濁音を多用します。そのため、韓国の人は、日本語の濁音が聞き取りにくいと多くの人が言います。また、日本語では子音のみの発音が少ないため、日本人は英語などの子音を中心とした言語の発音や聞き取りに苦労しがちです。このように、言語一つをとってもその独自性は明白です。

こうした文化を守るために、日本では「文化財保護法」が制定されました。この考え方は日本に限らず、世界的にも認められており、ユネスコなどの国際機関も多民族の文化を世界の共通財産と見なし、保護・継承のために活動を行っています。

(「ヒューマンアカデミー」)

 文化を生み出す制度を考える

保守のもう1つの意味は、文化が恒常的に生み出されるような制度や仕組みを構築していくことです。そのためには、日本の伝統文化がどのような制度の中で育まれてきたのかを深く理解し、それを現代に活かす努力が求められます。

河村氏は「もう一つ別の保守主義というのがあって、それは昔から続いてきた、日本でいうと徳川家康のころからの士農工商社会、封建的階級的秩序の社会を守ろうという考え方です」と書いていますが、こういうのを保守とは言いません古き良き伝統文化を守ることはあっても、時代の中で棄てられたものを復活させるという意味はありません。誰も読まなくなった価値がない古本を復刻させるようなものです。復刻して喜ぶ人は誰もいません。

「だから日本でも『保守』と聞くと『昔の、士農工商の時代に戻るのか。男女を差別して、女の人は家の中でじっとしていろということか』という観念を持つ人が相当数いると思われます」。これも河村氏の文章です。保守という言葉から、こういうことを連想する人は殆どいないと思います。これも時代の中で棄てられた慣習であり、時代風景です

共同代表の河村氏のこういう文章を見ると、大丈夫かなと正直思ってしまいます。保守とは、過去の価値あるものを現代にどう活かすかを考える、未来志向の姿勢なのです

(「毎日新聞」)

 日本の統治制度と皇統の役割

皇統は、少なくとも2000年近く続いている世界でも特異な制度です神武天皇の実在や皇紀にこだわるのではなく、天皇という存在のあり方にこそ注目すべきです

天皇は、当初は権力者として君臨していましたが、天武期を境にして「シラス者」になりますシラスというのは、広い意味の統治という意味です。現実の統治、つまり実際の政治は太政官が担い、天皇は神祇官として祭祀を行うという分権構造が確立されました。それをシステムに落とし込んだのが律令制であり、「太政官—神祇官」の二官八省体制です。権威と権力を分離して統治をするというアイディアは日本独自のものです。この律令制は、天武期から江戸時代まで約千百年続き、その間に日本的な文化が数多く生み出されました。

歴代の権力者である平清盛、足利義満、豊臣秀吉、徳川家康といった面々も、太政官の太政大臣として天皇の下で政務を司りました。天皇はあくまで権威としての立場を保ちつつ、時に国の大事に対して意見を述べる存在でした。このように、「天皇と太政官の二人三脚」が日本の伝統的な統治の形でした

しかし、明治維新はこの伝統を断ち切りました表面的には天皇親政を掲げながらも、実際には天皇の意見を聞かず、その権威を利用する政治体制が作られました。日清戦争、日露戦争、そして先の大戦においても、天皇は開戦に反対していたとされています。それにもかかわらず、政府はその意思を無視し続けたのです。その挙句の果ての敗戦でした。現在は象徴ですが、それはシンボルという意味です。シンボルとシラスは明確に違います。古き良き時代のシラス者としての天皇の復活を考えることが「保守」の本来のあり方です。

(「絆すてーしょん」)

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