「5月1日は何の日か知っていますか?」
「えっ、さあ何でしょうか?」
「メーデー(May day)の日だったこと知っていましたか?」
「5月ですものね。そう言われればそうですね、という感じです。ただ、殆どニュースで話題にならなかったですよね」
「一応、NHKお昼のニュースで少し取り上げられていましたけど。中央集会には岸田首相も挨拶をしたそうです」
「団結ガンバルゾという雰囲気は無くなりつつありますよね」
「一応全国紙の昨日と今日の「社説」の表題を見たのですが、メーデーを取り上げた新聞社はありませんでした」
「労働組合運動の時代ではないということでしょうか?」
「一言で言えばそういうことになります。組織率も低下していますからね」
「ちなみに、どの位ですか?」
「厚労省の推計によると15%位だろうと言っています。アメリカは10%位です」
「アメリカはストライキをよく行う印象があるので、高いと思いましたが低いのですね」
「昨年はアップルとアマゾンで労組結成があり、それが結構大きな話題になったので、そういう印象を持つのではないでしょうか」
「そういうことがあっても、10%程度ということですね」
「ただ、アメリカは労組の活動自体を支持する人の割合は高くて、世論調査によると71%の人が支持しています。ただ、組織率が低いというのがアメリカの特徴でもあります」
「ここからが本論です ↓ 表紙は「トレンドニュース速報」提供です」
約140年の歴史があるメーデー
メーデーそのものの歴史は古く、最初のメーデーは1886(明治19)年5月1日です。アメリカのシカゴが発祥の地です。シカゴの労働者たちが8時間労働を訴えたのが始まりです。日本は議会すら開設されていない時代です。封建的な身分制度の名残のようなものも残っていた時代なので、賃金労働者の存在が殆んど無いような時代です。
8時間労働は今でこそ当たり前の数字ですが、当時は12~14時間が当たり前の時代ですから、夢のような数字だったと思います。
1889年にフランスのパリで第二インタ―ナショナルが発足します。これは要するに、社会主義を目指す労働者の国際組織ですが、そこがメーデーを主催するようになります。組合運動と社会主義運動、そしてそこに平和運動が合流するようになり、規模や内容も年々拡大していきます。戦後になると、約80か国でメーデーの祭典が催されるようになります。
(「123RF」)
弾圧から蘇ったメーデー
封建時代から産業革命を経て機械工業社会に変貌します。その過程において、賃金労働者たちが社会に多く輩出されます。戦前は、権利という概念はありません。それがある意味、当たり前と思われた時代です。そういう中で、過酷な労働を課されることがあったと思います。
そういった処遇に対して組合を結成して抵抗すること自体が違法視されていたのです。1917年にロシア革命が起き、社会主義の考え方が日本に流入してきます。そんなこともあり、1920年に日本で最初のメーデーが開催されます。しかし、昭和の時代に入って、軍国主義色が強くなるに従ってメーデーを開催すること自体が禁止されるようになります。
戦後になって労働三権が憲法に規定され、それに基づいて労働三法が制定されます。労働者が人間らしい生活を送るための賃金を要求することも、組合活動をすることも人権として認められるようになりました。労働組合運動も経済の発展とともに拡大していったのです。労働組合の中央組織として総評、同盟というものが作られ、それらの組織が後押しをする政党も結成されていきました。
現在、その流れを汲む政党は社民党と立憲民主党、さらには国民民主党です。
(「下野新聞社」)
ほとんど話題にもならなくなったメーデー
なぜ、メーデーが話題にならなくなったのかというと、今は「団結ガンバルぞ」という時代ではないからです。そこには、工業社会の大量生産様式から情報社会へ急速に変貌しているという社会事象の反映もあると思います。
同じものを皆で一緒に大量に生産する。そこで出た利益は皆のものなので、皆に還元する。還元の度合いが少なければ、その割合を多くするために、ベースアップを求めて団結頑張ろうとする。日本は戦後多くの企業が、年功序列型賃金体系を採用したため、ベースアップの恩恵はすべての労働者が享受することとなった。当然、組合運動に熱が入ることになります。
21世紀になって、潮目が変わり始めています。国際競争力が激しくなり、能力の高い人材を確保しなければ会社そのものが存続できなくなるという状況の中、年功序列型賃金体系から能力給に移行し始めています。しかも、それが加速度的なスピードで広まっているのです。
あと、4,5年すればAIの導入で一人ひとりの能力と成果に応じた報酬を支給することが当たり前という時代になると思っています。そういう時代を前にして、「団結ガンバルぞ」と言っている暇があれば自身の能力向上と資格の取得を目指して時間を使った方が良いという判断が生まれてもおかしくはありません。
労働組合運動自体も20世紀の時代に咲いたあだ花、と言われる時がすぐに来ると思います。
(「www.cydas.com」)
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