「昨日のブログで、独裁政権が何故外に活路を見出そうとするのかという話、納得しました。その上で、周辺諸国を見た時に、中国より北朝鮮を警戒すべきだという話,なる程と思いました」
「昨日の『公式』にあてはめると、北朝鮮は暴発の条件をすでに満たしています。今までの人類の歴史を一つの規準とすると、完全に赤ランプ点灯の状況です」
「ただ、そういう警戒感は日本にはないですよね」
「潜水艦から弾頭弾ミサイルが発射されたというニュースが流れましたが、コロナ程度の扱いでしたね」
「またか論ですか?」
「「またか論」と「まさか論」ですね。それらを結合すると、「大丈夫論」になります」
「ただ、1%でも可能性があれば、それに対処していくのが政治だと思いますけど……」
「全くおっしゃる通りです。日本は、政治家が率先して「大丈夫論」を振りまくという変な「くせ」があります。あれは何なのかなと思っています」
「自分たちの仕事が減るから、一種の自己防衛ではないでしょうか?」
「もしかしたら、そういう感覚が表面に出てしまうのかもしれませんね。ただ、根拠なき「大丈夫論」は困るのです」
「根拠と言うより、余り関わりたくない事案だと思っているような気がします」
「それはあるでしょうね。北朝鮮関係について、野党は完全に与党任せだと思います」
「挙句の果ての立憲議員の「拉致された人は全員死んでいるだろう」という無責任発言が先日、飛び出しましたよね」
「さすがに、あの発言に対して枝野党首が本人に対して叱責をしたようですが、国会議員でもその程度のレベルだということが分かった事案です」
「あれを聞いて、めぐみちゃんが可哀想と思いました。ここからが本論です ↓」
北朝鮮は市場経済を徹底的に排除した国
北朝鮮は市場経済を資本主義ということで、徹底的に忌み嫌っていますが、そもそもその認識というか出発点が間違っています。かつてのソ連、そして現在のキューバもそうですが、硬直した共産主義と市場経済に対する無知が結局自国の経済を疲弊させてしまいましたし、現在もなおその貧窮の途上にあるのが北朝鮮であり、キューバです。
経済が発展するための基礎条件は、その国の民が自由であるということです。経済は生き物と考えると分かりやすいのですが、生き物である経済にとって大事なことは原則的に自由にするということ、規制は出来るだけ最小限に抑えることが肝心です。自由にモノが売買でき、自由にお金を貯めたり使ったりでき、自由に起業をすることができる。海外にも送金できるし、海外の通貨で預金もできる。そういった自由が保障されることによって、自然に秩序が保たれると考えます。アダム・スミスはそれを「神の見えざる手」と表現したことは余りに有名な話です。
「見えざる手」の主体を「神」と表現したところにアダム・スミスの真骨頂があります。つまり、人為的なものを入れた途端にダメになるというニュアンスを持たせているからです。もしかしたら、経済は神の聖域であり、領域と考えたのかもしれません。アダム・スミスは、クリスチャンでした。自然調和の世界なので、すべて「神」に委ねることによって上手くいくと考えたのです。社会主義の発想は、経済分野において人の手を積極的に入れるというものです。「神」の怒りを喰らうのか、上手くいった事例は歴史上一つもありません。
(「ソルバ!」)
「金正恩主義」を打ち出してきた
「デイリーNKジャパン」編集長である高英起氏のインターネット提供記事からの情報ですが、それによると韓国情報院は28日、金正恩総書記が党の会議場に飾られていた金日成主席と金正日総書記の写真を撤去し、「金正恩主義」という用語を内部で使用するように指示したということです。
これについては、いろいろな解釈が成り立つと思いますが、金正恩氏は自身の母・高容姫(コ・ヨンヒ)氏を正妻としなかった金正日氏を良くは思っていなかったのでしょう。ここに来て自身の権威付けと個人的な恨みを一挙に解消しようとしたのかもしれません。
もともと金正恩氏は、金日成氏と直接会っていないと言われています。父親の金正日氏に対してはその異常な女性遍歴に対して、軽蔑の念を抱いていたと言われています。古来の幹部や今までの北朝鮮の統治の流れを考えて、表立って彼らを脇に追いやるようなことをしてこなかったのですが、新たな動きということで注目されているのです。
高英起氏は「金正恩氏の最高指導者としての正統性は、祖父から父、そして自分へと流れる「白頭(ペクトゥ)の血統」に全面的に依拠しています。それにもかかわらず先代の指導者を批判するとは、まさに前代未聞のこと」と言っています。自分の足元の地盤を崩すようなものだからです。「3代目の金正恩」だから支持するのであって、金正恩個人を支持している訳ではないというのが、労働党の古参幹部の思いでしよう。だからこそ、金日成主席と金正日総書記の銅像を建て、二人の写真を掲げることによって人々を統治してきたのです。
(「東京新聞」)
権力基盤が盤石になった時から危機が始まる
それだけ金正恩氏の権力体制が盤石のものになりつつあるという証だということですが、妹の金与正(キム・ヨジョン)の存在が大きくなっているのではないかと見ています。
彼女は多分潔癖症の傾向が強いと思います。女性として金正日氏のふしだらな振舞いは我慢できない、という思いが金正恩を動かしたのではないかと思っています。現在は、金与正氏が「外交や安全保障を統括している」とのことですが、権力基盤に変化が起こっているのは確かだと思います。
ただその内実が、2頭体制なのか、1頭プラス1なのか、1頭から1頭に移る過程なのか、いろいろな情報をとり寄せても、その辺りは判断ができません。情報の中には、今の金正恩氏は影武者というものもあります。本物はどこで何をしているのか、という問いに対して静養説もあれば、金与正氏によるクーデターが起きて暗殺されたという「とんでも情報」もあります。
権力周辺から、そのような情報が出て來る間は暴発はありませんが、それが「安定」した時が日本にとって危険な状態となります。独裁国家の侵略的危機というものは、ゆっくり来るものではありません。一気に来ます。「あっ」と思った時は、もう遅いかもしれません。衆議院選挙で防衛、外交問題が余り話題になっていません。コロナよりもはるかに重要なことです。屋台骨がしっかりしていれば、何とか生きていくことが出来ます。土台ごと吹き飛ばされてしまえば、生活できません。備えあれば憂いなしなので、もしもに備えて、防衛の準備を始める必要があるのです。
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