「人生100年時代、そして定年70歳時代ですね」
「ウチの会社も65歳定年になりました」
「65まで働くつもりですか?」
「健康次第ですね」
「平均寿命より、健康寿命が大事ですからね」
「働いて、定年になって辞めた途端にあちらの世界に行っちゃったというのは寂しいですからね」
「女性の健康寿命は75.38歳ですが、2019年時点でのデータなので、もう少し伸びていると思います」
「そのデータによれば定年後10年間ある計算ですね」
「あくまでも平均ですからね。あなたが65歳の頃は、定年が無くなっている、もしくは80歳定年ということがあるかもしれませんよ」
「80歳は凄いですね」
「それは今の感覚で考えるからです。分かりませんよ。それで思い出しました。横浜には80歳以上のシニアサッカー・リーグがあるそうです。先日、朝のNHKで紹介していました」
「お元気な方が多いのですね」
「テニスもベテランの部で80歳以上という種目があります。何か撃ち込めるスポーツがあれば健康でいたいと思うようになりますよ」
「成る程、40代になったら考えたいと思います。今はまだ、子育てで大変なので……。ここからが本論です ↓」
定年70歳時代の到来
少子高齢化が進行する中で、人手不足を解消するために厚生省は「高年齢者雇用安定法」を改正して、2021年4月1日から施行していますが、そこで70歳までの定年の引き上げと定年制の廃止を求めています。ただ、あくまでも努力義務としています。雇用の形態は、再雇用制度や業務委託契約でも良いとのことです。
現在は、努力義務ということで強制するものではありませんが、やがては70歳定年が義務化されると思います。というのは、今までがそうだったからです。1980年代に55歳から60歳への引き上げが努力義務となり、1990年には定年後の再雇用が義務化されています。2000年に65歳の雇用確保が努力義務となり、2013年に65歳までの継続雇用が義務化されています。というように、70歳定年の義務化もやがては来るということです。
健康で真面目に勤めていれば、70歳まで働くことが出来る時代にもうすぐなるということです。
(「BUDDY+-東京海上日動火災保険」)
働く側も2極化の動きとなるのでは
定年制の導入は、戦後になってからです。その際に、何歳にするかという論議になり、当時の平均寿命に合わせて55歳と設定したのです。働いて、リタイアして、すぐにあちらの世界に行けるという計算だったのでしょう。そして、奥さんに退職金が残るということだったと思います。
その後、平均寿命が伸び続け、定年退職した後の時間が出来るようになりました。「第2の人生」という言葉が生まれました。
平均寿命を定年が追いかけるというのが構図ですので、平均寿命が伸び続ける限り、定年の年齢が上がることになります。ただ、仕事の内容が時代の流れと共に早くなっていますので、定年を延長したからといって戦力になる人とならない人が出てくると思います。
平均寿命は100歳まで可能と言う人がいますが、仮にそうなったとしても、それに合わせて定年延長はないと見ています。その頃は、定年そのものが無くなっている可能性が高いと思います。働く側の人も2極化、つまり早々にリタイアする人たちと、最後まで仕事をする人に分かれると思います。
(「朝日新聞デジタル」)
「60代社員 現役並み処遇」(『日経』7/17日付)の動き広がる
「60代社員 現役並み処遇」の見出しで1面トップで報道していましたが、各企業でシニア人材の処遇を現役並みに見直す動きが広がっているそうです。民間の多くが、昇給は60歳でストップして、そこから下げるところが多いと思います。それでは、働く意欲を無くし、戦列から離れる人もいるので、それを防ぐために処遇改善に乗り出したということです。
この動きは将来の働き手不足を見据えての措置ということですが、2040年には1100万人の人手不足が見込まれると言われています。
ただ、それはあくまでも終身雇用制の慣行を前提にした措置です。アメリカには定年制度はありません。要するに、自分で決めるということです。日本企業もそろそろそんなことを考える時代です。
(「日本経済新聞」)
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