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日本は世界一古い王朝を有する国 / 日本のアイデンティティでもある皇統と「和」の文化を守り抜く必要あり

  • 2020年9月1日
  • 2020年9月2日
  • 政治
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「人は多くの組織をつくります。主だったものを挙げると、会社、学校、国家といったところです。組織づくりで一番大事なことは何だと思いますか?」

女性

「えっ、何でしょう? 名前でしょうか。違うか。トップの能力ですかね」

「それも確かに大事な要因ですが、問題なのは能力がある人間が常に組織のトップになるとは限らないということです」

女性

「多少の当たりはずれがあったとしても、組織として生き残るためにはどうすれば良いのかということですね」

「とにかく、組織を存続させることを考えなければいけないのです。組織を離れての個人は無力だからです」

女性

「確かに、会社があっての社長ですからね。会社が無くなればタダの人です。……分かりました。組織が第一と思うことです」

「みんなで組織を支えようという気持ちも確かに大事ですが、そういう気持ちにさせるためには、何が必要ですか?」

女性

「えっ、何でしょうか? 今日は質問が続きますね。社員教育ですかね。「会社あっての社員、会社のために働け」と社長が言い続ける」

「それじゃあ、ブラック企業そのものじゃあないですか。社員が逃げて、逆に早く潰れてしまいますよ。他のアプローチがあるでしょ」

女性

「他のアプローチ、ですか……?」

「強くまとめる方法と、自然にまとめる方法。2つの方法があるでしょ」

女性

「自然ですか……。どうすれば、自然にまとまりますかね?」

「自然にまとまるためには、みんなが納得することが必要です」

女性

「何のために組織・会社を作ったのかという、その理由というか原点を理解してもらうということですね」

「それに向かって、組織内の人間が気持ちを集中させるようなものを作ることです。さらに、そのことを組織外の人間にも理解してもらうことが大事です」

女性

「外部の人にも理解してもらわなければいけないのですか?」

「そうすれば、周りの人たちがその組織を支えてくれて、盤石の態勢になります」

女性

「ここからが本論です ↓」

 組織を永く存続させるためには、アイデンティティを確立すること


2人で組織論を戦わせたのですが、組織を永続させるために必要なのはアイデンティティを確立することです。企業の場合は、コーポレート・アイデンティティ、学校の場合はスクール・アイデンティティという言葉があります。アイデンティティというのは、簡単に言えば自他共に認めるその人(組織)の特徴ですが、出来るだけ理念を込めるようにします

企業で言えば、何をして社会のために貢献しようとしているのかを考えます。例えば、単に「車を作っています」だけで終わらせないで、車を作ってどのような未来を考えているのか、そこまでも見据えたものを考えます。例えば「スマートな車社会の創造」といったコピーの中に、その企業のアイデンティティを込めます。

 

 国が永く存続するためには、アイデンティティを確立することが大事

アイデンティティの考え方は、国家にも適用できます。国が国としてまとまるためには、アイデンティティが必要です。建国の事情が分かっている国は、理念として掲げられたものをアイデンティティとします。例えば、アメリカは宗教上の自由を求めるイギリス移民たちが建国した国です。建国の理念が独立宣言に盛り込まれています。その中の自由、平等、民主主義といった言葉が国家のアイデンティティとなります。そして、それを象徴するものがニューヨークの自由の女神像であったり、国旗、国歌であったりします。

国家も一つの組織です。運営の仕方が悪ければ、当然崩壊することもあります。実際に、戦後の75年間で世界で170くらいの国がなくなっています。有名なところではソ連です。分裂した国もあります。例えば、チェコスロバキアはチェコとスロバキアに分かれました。

会社も存続する会社と倒産する会社があります。国も同じです。その違いは、アイデンティティをしっかり定めるかどうかにかかっています。定めても、それとは違う路線を取り始めると、組織は衰退し始めます。例えば、高級品を扱うと創業時に決めたのに、安売りを扱い始めると、マイナスに作用し始めます。常に、創業時の理念を見つめることが重要なのです。

 

 皇統と和が日本のアイデンティティ

日本の場合は、建国の起源を辿っていくと神話の時代に遡るくらい歴史がある国です。とにかく、世界最古の王朝を有する国なので、126代続いている皇統そのものがアイデンティティとなります。

その日本で最初に制定された憲法が十七条憲法ですが、それは「和を以て貴しとなす」(第1条)という有名な一文で始まります。さらに、「上和(やわら)ぎ下睦(むつ)びて…」とあり、この上下は身分を表しているのですが、最後に「独断すべからず…衆とともに宜しく論ずべし」(第17条)と念押しをしています。つまり、上の身分の者も下の身分も気持ちと意見を合わせて国づくりに励めと言っているのです。

皇統と和が日本のアイデンティティと言うことができます。そして、それを象徴して国歌と国旗が定められています。「君が代」の「が」を所有格の「が」と勘違いをして、天皇独裁国家の歌と早とちりをして時々反対運動をする人たちがいますが、同格の「が」ですので、くれぐれも間違えないようにして下さい。つまり、「楽しい我が家」と言う時の「が」と同じだということです。家族は「我」の支配下にある訳ではなく「我」の仲間であり、同等に楽しい家庭を築こうという意味が同格の「が」にはあるということです。

 

 皇統を存続させるために権力から切り離した

日本の場合は皇統をいつまでも存続させるために、権力から切り離すことをしました7世紀のことです。これは、明治憲法下においても同じです。誤解をしている人がいるかもしれませんが、天皇が権力者として振舞った歴史はありません。なお、戦前を天皇主権と説明している本がありますが、明治憲法に天皇主権という言葉はありません。明治憲法の「天皇之ヲ統治ス」(第1条)の「統治」は伊藤博文が「治(シ)ラス」、つまり文字通り、治めているの意味であると言っています古代から続いている権威者としての天皇を憲法の言葉として表現しただけであって、独裁者を誕生させた訳ではありません

この「シラス」は日本独自の言葉です。これを西洋の法概念で当時の憲法学者が説明しようとしたのですが、憲法の案文作りに関わった金子堅太郎はこれを激しく批判しています――「日本の憲法学者が皇基即ち皇室の基礎を知らずして、徒(もっぱら)に欧米の学理をその儘日本の憲法に応用しようとしたときには、恰(あたか)も基礎工事の施していない地面に鉄筋コンクリートのビルディングを建てるようなものである」(「帝国憲法制定の精神」)。天皇主権説や天皇機関説は、日本の皇統の歴史に対する無知が生み出した学説なのです。ただ、その学説を現在の憲法学会は継承しています。

一人の人間、あるいは一つの組織に権力を集中させると、必ず反発が出ます。何故なら、人は神様ではないからです。反発は反乱を生み、混乱を生じ、時には国家の存立を脅かす事態になることもあります。そこで考えたのが、権力と皇統を切り離すことを考えたのです。皇統を権威の象徴とし、権力によって庇護させるようにしたのです。いわゆる「君臨すれど統治せず」という天皇制が古代の時代にシステムとして成立をしますこのシステムが現代の象徴天皇制に受け継がれています。大事なことは、この形態を後世に引き継ぐことです。

男女平等という変な理屈で女性天皇、女系天皇を主張する人がいますが、平等という原理は18世紀以降に出てきた考えです。そのはるか以前に日本の皇統は成立しています。女性天皇は過去にいますが、女系天皇となると、天皇家とは縁も所縁もない人が皇室に入ってくることになります。天皇としてのお勤めは宮中行事や国賓の接待など、様々なものがあり、自由な空気を吸った人間が務まるようなものではないと思っています。

それでは天皇家の人たちは、何故天皇のお役目が務まるのかと言えば、幼少期からそのための教育を受け、その間に覚悟を決めておられるから出来るのです。女系天皇を認めてしまうと、お相手は結婚を機に天皇家に入り、それまでの価値観をすべて捨ててお役目を果たすような生活が待っていることになるでしょう。対応できない危険性も当然出てきます

そうなると皇統が揺らぎ始めることになります。系が次々に代わる事態も考えられます。そうなると、それを支えようとしなくなる人も出てきますので、日本の国が衰退に向かっていくことになります。左翼はそれを狙って、女系天皇ということを言っているのだと思います。

 

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