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小学校運動会 午前中だけ――「教員の負担軽減」から発想すべきではない /「危機的状況」と言うなら予算と教員を増やすべし

「小学校の運動会で午前中だけの時短開催が定着してきたという報道(『日経』10/7日付)がありましたが、お宅のお子さんの学校はどうですか?」

女性

「午前中だけでしたね。何となく、寂しい感じはしましたけど、時の流れなのかなって思いました」

「意外とあきらめが早いタイプですね」

女性

「物分かりが良いと行って下さいますか。変なところで対立しても仕方がありませんからね」

「ただ、子供たちの目線で考えないといけないのではないかと思いますけど……」

女性

「ウチは運動会で発散したいタイプだと思います。午前中だけでは消化不良だと思います。ただ、最近の暑さを考えると、午前中で良いかなって思うこともあります」

「確かに、我々の時代と少し気温が違いますからね。だけど、それは日程をずらせば解決する問題だと思いますけど」

女性

「そうですね。そして、最近言われているのは、教員の負担軽減」です」

「最近、よく聞く言葉ですね。だからと言って、今までやってきた入場行進を廃止し、種目を減らし、保護者や地域の方の参加種目を無くすなどしていますよね」

女性

「何かあると、それがでてくるのですが、今までは出来ていたので、ここに来て少なくしているので、そこは疑問を感じています」

「一度縮小したら、元には戻れませんからね」

女性

「そうですね。場合によっては、親や地域の人たちが手伝ってくれると思いますけどね……」

「何か怪我があったり、事故があったりすると、面倒くさいことになるので学校としては頼みづらいでしょうね」

女性

「そういった問題があるのですね。ここからが本論です ↓」

 

 「教員の負担軽減」から発想すべきではない

何かあれば、「教員の負担軽減」から考え始めようとしているのが、最近の傾向ですが、権利主体者はあくまでも子供です。子供の立場から考えなければいけないと思います。

運動会は単なるレクリェーションではなく、教育活動として位置付けて各学校で取り組んできたはずです。子供たちの笑顔をみたい、みんなで団体競技に取り組むことによって友達の輪が広がるし、クラスの中に仲間意識も芽生えます。

机上の学問では得られないような経験や感動を得られることがあります。種目を縮小して、単に顔見せ競技に子供を出場させて、それで終わりでは、運動会の意味が子どもたちにとっても教員にとっても意味がないと思います。そういう行事を通して、子供たちと接することによって教員としての力量を伸ばすことも出来るからです。

(「日本経済新聞」)

 

 「危機的状況」と言うなら予算と教員を増やすべし

教員の長時間労働が問題になっているということで、提言をとりまとめた中教審が「危機的状況」と言っています。であれば、真っ先に行うことは、教員の増員でしょう

今、教員が足りないと言っていますが、1900年代の終わりの頃は少子化を見越して教員の数を抑制しました。その計算が狂って、足りなくなり、それが現場にしわ寄せが行っているのです。

教員予算や教育課程も含めて、文科省が全国の教育行政をすべて引き受けていることに無理があるのです。しかも、文科省の官僚は教育現場の経験がある人達ではないし、中教審の委員も現場を直接知っている人達ではありません。その人たちが寄って集まって政策を作ったとしても実効性があるものが出来るとは思えません。実際に、今までピントが外れたものを出し続けてきました。

(「note」)

 

 教員は何をする人なのか――その議論が足りない

経済協力開発機構(OECD)の国際教員指導環境調査によれば、日本の教員の1週間の勤務時間(中学校)はOECD平均の38.8時間に対して56時間と1位ですが、そのうち授業に費やした時間は18時間(OECD平均/20.6時間)と平均より少ない実態があります。小学校も似たような傾向があります。

これは日本と欧米では、教育に対する考え方が違うからです。欧米では教員は、授業だけを専ら教える人と捉えますが、日本では授業も含めて生活全般を面倒見て人間をつくるための指導者という考え方があるからです。薫陶という言葉が教育界に残っています。じっくり時間をかけて、その子の特性を見抜き、そこを伸ばしてあげるという意味です。単に勉強を教えていれば良いという考えは、そこにはありません。

今、その辺りの教育に対する考え方の議論抜きで、負担軽減だけを旗印に動いています。部活指導の地域への移行もその一つです。現場の教員の意見や、保護者や子どもの意見や気持ちをくみ上げて、丁寧に対応して欲しいと思っています。

(「Openブロクー SeeSaa」)

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