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アメリカの不登校児への対応 ―— 生徒を様々な場面でフォローする体制 / SARB(出席管理委員会)が州ごとに設置

女性

「アメリカでも不登校の生徒がいるのですね」

「アメリカに限らず、どの国も少なからずそういった問題を抱えているのではないかなと思います。ただ、私は先進国ほど多いだろうと思っています」

女性

「それはどういうことですか?」

「生徒にとっての誘惑物、例えばスマホゲームや24時間いつでもテレビなど、生活のリズムを乱しそうなものが多いですよね」

女性

「ウチの子は、どうもスマホゲームを覚えたみたいで、友達のところでやらせてもらっているようなんです」

「目や姿勢が悪くなるので、本当はやらせない方が良いのですけどね」

女性

「ウチでは禁止なので、そうすると外でやるようになっちゃったのです。困ったなと思って」

「そういう心配にプラスして、勉強内容は時代が進むに従ってレベルが上がっていきます」

女性

「心身のケアが言われるようになるのは、分かりますね。アメリカはスクールカウンセラー(以下「SC」)の設置状況はどうなんですか?」

「中等教育課程では、州に設置が義務付けられています。私立や一部の小規模校では非常勤もありますが、原則的にSCは常勤です。そして、補助的な役割ということではなく、教員と同じく生徒に対しての教育者という位置付けです」

女性

「日本の場合は、まだそこまでいっていないということですか?」

「SCを設置することが望ましいという段階だと思います。そして、そのSCをどのように考えているのか、補助と考えているのか、大事なメンバーとして考えているのか。学校や教職員間において、意識の差があると思います」

女性

「ここからが本論です ↓ 表紙は「英単語オンライン補習塾」の提供です」

 アメリカでは学校に行くことが、生徒も親も「義務」となっている

アメリカにも不登校の生徒はいます。日本と違うのは、子どもにとっても学校に行くことを義務と捉えていることです。親も当然義務なので、家族で義務違反をしていると捉えられ、不登校は「子どもの教育への機会を妨げる問題」とされます。

そして、子どもを学校に行かせない行為は教育ネグレクトとして州法によって摘発される可能性があります。そして、不登校になった場合は、「不登校・怠学介入プログラム」というのがあり、そのマニュアルに従って対応がなされます。

(「光文社」)

 アメリカではSARB(出席管理委員会)が州ごとに設置されている

アメリカにはSARB(出席管理委員会)という組織が州ごとにあり、そこと連絡を取って対応するようになります。1から5回目までは各学校で対応しますが、理由のない欠席が6回目になった時からSARBが動きます。そして、最終的に解決しない場合は、弁護士が入って法的措置が検討されるということです。

日本の場合とどこが違うのかということですが、日本は子どもにとって教育は権利なので、子どもの権利を親が行使して学校を休ませる、行かせないという選択もできます。あるいは、本人がその気になるまで、親も学校も見守るということが認められますが、アメリカではそれは許されない行為とされます。

日本の場合は、支援センターに通っていれば通学扱いとなりますが、アメリカにはそういった曖昧な代替機関は設置されていません。とにかく、様々な分野の関係者が当事者の生徒に関与する態勢をとります。そのような対応の違いは、アメリカは様々な国からの移民によって形成された国なので、どの国の出身者でも平等に接したいということから、機械的に処理しようという考えに至ったのだと思われます。

(「ケア資格ナビ」)

 生徒を様々な場面でフォローする体制が作られている

生徒の中には、行動や出席状況が芳しくなく集団生活に適応できないという場合も出て来ます。そういう場合は、オルタナティブ・スクール(alternative/代案、二者択一)に強制的に行くことになります。

また、中学校の単位を取得できない生徒のためにオポチュニティ・クラス(opportunity/機会)があります。取得できなかった単位数に応じて、オポチュニティ・クラスの対応は違います。少しであれば、放課後になったらそのクラスに行き、支援スタッフから個別に勉強を教えてもらいます。多い場合は、オポチュニティ・クラスに在籍して、中学校の単位を取得しつつ、高校の単位もその子の状況に応じて取らせるようにします。

さらに一般の高校の授業についていけなくなった場合や、反社会的行動がみられるような場合はコンティニュエション・スクール(continuation/継続、連続、持続)に行きます。こちらは主に高2~高3対象です。このスクールは、少人数、短時間の授業設定になっています。ここで、改善がみられるようなら、元の高校に戻ることも可能です

さらに、学校生活にどうしても馴染めない生徒のためにインディペンデント・スタディ(independent/独立した、自主の)というプログラムがあります。個人で学校から出された課題を家庭で学習するというものです。これを受けるためには、学校に登録されてその学習を受けることが望ましいとされた時だけに限られます

アメリカの教育に対する考え方と、不登校の生徒への対応の仕組みを簡単に紹介しました。日本の場合よりも制度的にきちんとしています。日本の場合は、不登校の子はフリースクールという受け入れ組織を作ってそこで勉強させるという発想です(下図参照)。カリキュラム上、十分な学力はつきにくいと思います。形だけ卒業資格を与えて済ますという感じがします。日本の不登校は24万人を突破しました。アメリカの制度を見習って、生徒を様々な面からフォロー出来る制度を作っていく必要があるでしょう。

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