「たまには、病気治療を話題にしましょうか? 何気なく使っているけど「手当て」というのは、病気治療行為だと知っていましたか?」
「私はお手当てと聞けば、いくらもらえるのかなと考える方ですね」
「体のどこか痛い時に、思わず手でその場所を押さえますよね」
「手のひらには、何か力でもあるのですか?」
「手のひらからは、軽い静電気が出ていて、血行を促したり、細胞の活力を増進する作用があるそうです」
「イエス=キリストが手のひらをかざして病人を直したと言われますよね」
「彼は霊能者だったでしょうね。手のひらはセンサーにもなっていますので、手かざしで患部を見つけて治療したのでしよう」
「傍で見ている人には、不思議な光景に見えたでしょうね」
「不思議というか、不気味なので、捕らえられたのでしょ」
「当時の医療というのは、そのレベルなんですね」
「近代医学という言葉がありますからね。それ以前は、原始的なものだったと思います。日本で最初の医学書と言われているのが、平安時代に丹波頼康が書いた「医心方」です」
「それは東洋医学ですか?」
「そうですね。中国から医学の知識が入ってきて、それをまとめたものだと言われています。鍼や灸ですね」
「鍼は1回だけ打ったことがあります。意外と根強い人気があるみたいですね」
「鍼はツボに刺して電磁力の作用で患部を直そうとするものです。鍼や灸といった東洋医学は中国から伝えられたので、僧侶の中には、人々救済のために、そういった医術を身につけた人もいたとのことです」
「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「Pngtree」提供です 」
鍼(はり)や灸、漢方薬と共に伝わる
鍼(はり)や灸の効用が今になって説かれるようになりました。鍼や灸が何故、効果が出るのか。ある意味不思議ですが、灸によって血液中の白血球の数が大変増え、その白血球が病原菌を食い潰すので病気が治るということらしいのです。
そういった鍼、灸と合わせて日本に伝わったのが漢方薬です。植物の根、皮、葉などを材料にして作られたものです。漢方薬の考え方は全身に作用して、総合的に治療するというもので、副作用がないということから見直しがなされているそうです。
平安時代の貴族は、病気は物怪(もののけ)が憑りつくことによって起きると信じられていましたので、病気の時は加持祈祷(かじきとう)とそういった東洋医学の施術が合わせて行われたようです。
(加持祈祷/「いらすとや」)
外科的手術はかなり前から行われていた形跡あり
内科手術は近代医学が入って以降ですが、外科的手術はかなり前から行われていたようです。どうしてそれが分かるのか。頭蓋骨に丸い穴が開いた人骨が貝塚から出土したのです。1体だけでなく、愛知県と岡山県の貝塚から合わせて20例が出てきたのです。インカ帝国の遺跡からも、このような遺骨が出土しているとのことです。
現代の脳外科手術に近いことを行っていたのではと思われています。そして、手術を受けた人が、しばらく生きていた形跡があったそうです。穴の周りに増殖細胞があったので、それで分かるということらしいのです。
ただ、当時の道具は石器か骨格器しかなく、それでどのように穴をあけて手術をしたのか。大きな謎だそうです。
(「Wikipedia」)
食べ物の多くは、当初は薬として重用されていた
私達の身近にある食べ物の多くは、当初は薬として重用されていたものが多いのです。薬味という言葉が遺っていますが、ネギ、ワサビ、ショウガは他の食品とつけ合わせて食べるようになります。茶を飲む習慣は鎌倉時代からです。やはりこれも中国からですが薬用として考えられていたようです。禅宗のお坊さんが専ら広めたようです。臨済宗の開祖の栄西の「茶は養生の仙薬なり」という言葉が遺っています。酒を百薬の長と言うことがありますが、これも薬用として考えられていました。乳製品も薬用だったのです。
日本は火山列島とも言われているように活火山が多くあり、そのため温泉が全国各地にあります。これだけ温泉が多い国は珍しいそうです。湯治という言葉で分かるように、温泉も当初は病気治療のために利用していたようです。
四国の道後温泉は有名ですが、奈良時代にはすでに広く知られていたようです。地元の「風土記」に天皇と皇后が湯治に来たと書かれているそうです。
(「日経Gooday-日本経済新聞」)
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