「台湾海峡がにわかに緊張感が高まっているように思いますけど……」
「中国が完全に取りに来ていますからね」
「どうして、そういう行動を取るのでしょうか?」
「いや、その質問は、中国共産党に投げかけたいくらいです。かつて李登輝氏が「美人を見たら自分の妻という国」と中国を評したことがあります」
「なる程、言い得て妙ですね。台湾も日本も美人ということなんですね。私も気を付けなければいけないということですね(ウッフン)」
「どうしたのですか? どさくさに紛れて、勝手なことを言わないようにして下さい」
「それはともかくとして、日本の世論も動いていますよね。これは『日経』の最近の世論調査ですが、台湾海峡への関与、賛成が74%ですね」
「数字が約3/4ですからね。政治の世界では、3/4を超えたらほぼ100%と考えて良いというのが密かに言われてきたことです」
「沖縄の世論も動き始めたようですものね」
「あそこは、他県と違って比較的反米感情が高い県ですが、少し変わってきています」
「台湾、沖縄・尖閣、波高しという状況の中で、それをどう鎮めるかということですよね」
「それを踏まえて先日の菅、バイデンの日米会談が行われたのです」
「今日のバイデン大統領の施政方針演説では、中国の習近平を専制主義者と名指しでしたね」
「トランプ氏よりも過激な人かもしれないと、最近は思い始めています」
「中国は当然、目を吊り上げてあの方が、また恫喝的に何かを言うでしょうね」
「そんなのは、すべて計算済みだと思います。国際政治の表舞台は、お互い挑発する位で良いと思います。力(りき)ませて、相手のミスを誘発させるのです。日本は大人しすぎるのです」
「テニスの試合と同じですかね」
「カモンと言っているのは、自分への励ましもありますが、相手が冷静な判断が出来ないように挑発の狙いもあるのです。ここからが本論です ↓」
中国は、スキを見せればそこを狙って攻めてくる
中国とは、神経戦の局面に入ってきたと見る必要があります。ここからは一手一手が重要なのですが、日本政府はそのことがよく分かっていません。本来ならば、尖閣を狙い始めたと分かった段階で、実効支配をするか、何か構造物を設置すれば良かったのですが、中国が尖閣は中国のものと領有権を主張してしまったので、もうそれが出来なくなってしまいました。
何故、出来なくなったのか。少し考えれば分かると思いますが、領有権を主張した島に対して、実効支配もしくは構造物の設置は攻撃の口実を与えることになるからです。それを一種の攻撃と捉えることもできるのです。
2020年11月24日に中国の王毅外相が来日して茂木外務大臣と会談後の共同記者会見で、王毅外相は尖閣の領有権を主張します。正確に言うと、領有権の主張をする舞台をわざわざ作ってあげてしまったのです。中国は、腹の中で笑っていると思います。これからは、当然のように尖閣の領有権を世界に向けて発信し始めると思います。
二重三重のミスをしています。そもそも、何のために来日させたのか、どうして共同記者会見をしなければいけないのか、そこでのやりとりはすべて全世界に流れます。ということは、言ったが勝ちとなるので、中国は領有権を主張したのです。相手の方が、作戦勝ちということです。
中国は先日の26日に尖閣の諸島と周辺海域の調査報告書とともに地形図や画像を公表しました。彼らに言わせれば、これが次の一手です。この間、相手だけが手を進めて、こちらは何も対応していません。「遺憾」や「抗議」というのは一手になりません。対抗手段としては、日中友好条約の破棄しかないと思います。これであれば、一手になります。(下の資料は尖閣周辺領海への中国の侵入データです)
(「海上保安庁」)
オリンピックの妨害に動き始めている
国際世論と動向がありますので、それを頭に入れて中国は動いてきます。今年が中国共産党創立100周年にあたる年です。7月1日が記念日になります。国威発揚と自身の威厳を高めたいという気持ちもあるでしょう。その辺りで動きたいと思っているのですが、その時期に、東京オリンピック・パラリンピックが入っています。すでに聖火ランナーが各地を走っています。準備期間も含めて、オリンピック・パラリンピックの期間中に、もし何かを仕掛けた場合、全世界を敵に回すことになります。そこまで馬鹿なことはできないと考えるでしょう。
ただ、この期を逃すと、イギリス、フランス、あるいはドイツといったヨーロッパの国々が南シナ海に軍隊を派遣してくる可能性が高くなります。アメリカも兵力をさらに極東地域に結集してくるでしょう。もし、そうなると、台湾海峡を越えて行動しづらくなります。そのように考えて、イライラが募っていると思います。どうすればいいのか。3つのことが考えられます。
一つは、オリンピック中止の世論を日本国内で高め、中止もしくは延期させてしまうことです。二つ目は、北朝鮮に暴発してもらうことです。すでに不参加を表明していますし、日本とは国交もないので利害関係も殆どありません。北朝鮮を焚きつけて、「実弾」を「誤って」撃たせるという手があります。三つめは、コロナ禍とオリンピック前の隙だらけの状態なので、今がチャンスと捉えて正攻法で正面突破という選択肢もあります。
一番最初のケースを望んでいることでしょう。感染者数、死者数が増え、オリンピックどころではないという世論が高まってそれを受けての中止が一番良いと思っているでしょう。日本でのオリンピックも消える可能性が高くなります。日本の反日政党や反日団体に呼び掛けて、コロナを口実にした中止作戦を盛んに敢行してくると思います。
NHKや民放は、巧みに世論誘導するような内容のものを放送してくると思います。死者の数は1年間で1万人、多いと言えば多いのですが、人口比で言えば1万分の1です。東京都は感染者1000人を超えたということで非常事態宣言を出しましたが、やはり確率は1万分の1です。死者数、感染者数ともにこのレベルで非常事態宣言を出す国はありません。病床だけが切迫しているだけなのです。敢えて言えば、オリンピックを前にこれ以上増やしたくないということだと思います。
(「HARF TIME」)
日台友好条約の締結を
中国は「一帯一路」という名の世界征服計画を立てて現実に動き出しています。殆ど、ゲーム感覚だと思います。一番最初のターゲットは、台湾と尖閣を結ぶラインです。ここをまず突破することと考えています。
であれば、日本と台湾との間で防衛ラインを構築することです。『日経』が行った世論調査(23~25日)を「2人の会話」の中で紹介していますが、日本の国民はよく理解していると思います。中国の攻めの圧力に対して、守る側は日米と台米はあるのですが、日台がありません。
敢えて言えば、台湾有事になった時、「安全保障関連法」の「存立危機事態」、つまり密接な関係国に対する武力攻撃が発生した場合ということで、法的には日本が動くことができるのですが、具体的に自衛隊がどこまでの活動範囲のもとで行動できるのかということについて、今まで政府は何も言っていません。与党の中には、親中派と目される方もいます。実際にそうなった場合は、自衛隊は自国民の保護だけに走り、台湾防衛にはいかないでしょう。そうなると両国間のこれまでの「友情」は何だったのかということになります。
このように日台のラインが非常に弱いのです。台湾・尖閣は今や運命共同体、ひいては日台は運命共同体と捉え、日台の間で安全保障条約という名の軍事同盟を結ぶことを考えるべきでしょう。それは余りにも中国に対して刺激的で夢想的というならば、日台友好条約でも良いと思います。対中国へのかなり有効な一手になるでしょう。
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