
「オウム真理教による地下鉄サリン事件から30年経ちます。覚えていますか?」

「まだ、その頃は小学生ですので、当時のことは覚えていませんが、オウム裁判が開かれるようになって大変なことがあったんだなと思いました」

「オウム真理教そのものはなくなったのですが、アレフという名称で現在も活動をしているそうです」

「そういった人の心理というか、気持ちがよく理解出来ません」

「ほとんど洗脳されてしまっている状態で活動していると思います」

「そうでしょうね。ただ、宗教というのは、そうであってはいけないと思っています」

「私の考えは、あくまでも現実の世界を心穏やかに生きるための宗教であるべきだと考えます。人を導くための教えであり、そこに存在価値があると思います」

「ところで、何故カルト宗教があるのでしょうか?」

「カルト化するかどうかは、教祖の問題が大きいと思っています。教祖の世界観や価値観が狭隘(きょうあい)だと、カルト化すると思っています」

「麻原元死刑囚もそういう感じだと見ているのですか?」

「彼の言動が断片的にしか入ってきていませんが、90年代初めから、世紀末にハルマゲドン(最終戦争)が起きると予言し、危機感をあおって信者を集めていましたし、2003年に、アメリカが日本や世界に向けて最終の宗教戦争を引き起こす、と言い出したことがありました」

「起きなかったですね」

「そこがカルトたる所以ですが、そのハルマゲドンを教団の手で実行してしまったのです」

「カルトから狂気になってしまったのですね。ここから本論です ↓表紙写真は「警視庁ホームページ」からのものです」
地下鉄サリン事件から30年
地下鉄サリン事件から30年が経過しました。1995年3月20日、オウム真理教による無差別テロが東京の地下鉄で発生し、多くの尊い命が奪われ、数千人が負傷しました。この事件は、日本社会に大きな衝撃を与え、宗教団体の在り方や社会の安全性について深く考えさせられる契機となりました。
事件の首謀者である麻原彰晃元死刑囚は、終末論的な思想を掲げ、信者たちに「ハルマゲドン」の到来を予言していました。彼は自身の予言を現実のものとするため、教団幹部に命じてサリンを散布させ、多くの無実の市民を犠牲にしました。この冷酷な犯行は、宗教の名の下に行われた暴力の極致として、今なお記憶に刻まれています。
2025年3月18日付の『産経新聞』には、元教団幹部である土谷正実元死刑囚と獄中結婚した女性への取材記事が掲載されました。彼は一審の段階ではオウム真理教への強い信仰心を示していましたが、彼女との手紙のやり取りを通じて、自らの罪の重大性に気付き始めたとされています。このエピソードは、閉ざされた環境の中での外部との接触が、人の考えや信念にどのような影響を与えるかを示唆しています。宗教や思想の自由は尊重されるべきですが、それが他者の生命や安全を脅かすものであってはなりません。社会全体で警戒心を持ち、異常な兆候を見逃さず、適切に対処することが求められています。
(「日本経済新聞」)
夢を見るように入信をしてしまう
人は夢を見ている間、その夢が現実であると信じ込みます。夢の中では空を飛ぶことも可能であり、それを不自然とは感じません。しかし、目覚めて外の世界と接触した瞬間、それが夢であったことに初めて気付きます。ある意味、不思議です。土谷元死刑囚の心理状態もこれに似ていたのかもしれません。外部と遮断された閉鎖的な環境で特定の思想を刷り込まれれば、それを疑うことなく信じてしまいます。知識や知性の有無は関係ありませんが、真面目な性格の人ほど、引き込まれやすいと思っています。夢中という言葉があります。誰もが夢を見るように、誰もがカルト宗教に引き込まれる可能性があるのです。
オウム真理教は現在、「アレフ」という名称で活動を続けています。過去の大きな事件にも関わらず、なぜ未だに活動が続いているのかと疑問に思うかもしれません。日本人は俯瞰的に物事を捉える力が弱く、そのため宗教やイデオロギーに影響されやすい「体質」を持っているとも言われます。これは、個人の価値観や信念が外部からの情報や影響によって容易に揺らぐ可能性があることを示唆しています。
このような状況を防ぐためには、外部との健全な接触を保ち、多角的な視点を持つことが重要です。情報を鵜呑みにせず、自ら考え、判断する力を養うことで、カルト的な組織や思想から身を守ることができます。また、周囲の人々とのコミュニケーションを大切にし、異なる意見や価値観を尊重する姿勢も必要です。
(「こどもまなび☆ラボ」)
特殊詐欺とカルト宗教
特殊詐欺の被害は依然として多く、近年では30代や40代の方々も被害に遭うケースが増加しています。特殊詐欺とカルト宗教の勧誘手法には共通点があり、外部との接触を断つ「閉鎖的な空間」を作り出し、一方的に情報を伝えることで、相手を信じ込ませるという手法です。
最近のニュースでは、警察の電話番号が表示された着信があり、応答すると「お宅の預金口座が犯罪に利用されています」と告げられ、それを信じてしまったという事例が報告されています。このような状況では、瞬時に「夢の中」に引き込まれてしまうのです。このような詐欺に巻き込まれないためには、最初の対応が重要です。具体的には、相手の話をただ聞くだけでなく、メモを取るように心掛けることが有効です。「少々お待ちください。メモを取りますので」と伝えることで、相手を客観的に見ることができ、冷静な判断が可能となります。メモを取る行為は、自分自身を「夢の中」に引き込まれないようにする効果があります。
さらに、日頃から家族や友人とコミュニケーションを密にし、怪しい連絡や勧誘があった際には、すぐに相談できる環境を整えることも重要です。孤立すると、詐欺師やカルトの勧誘者の思うつぼになりやすくなります。周囲とのつながりを持ち、客観的な意見を聞くことで、冷静な判断がしやすくなります。結局のところ、特殊詐欺もカルト宗教も、人の心理を巧みに操ることで相手を騙し、支配しようとする点で共通しています。誰もが被害者になり得ることを理解し、日頃から何か大きな出金をする場合は、誰かと相談することを心に決めておくことが、最も有効な対策となるでしょう。
(「www.amazon.co.jp」)
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