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現在のウクライナ情勢 ―— 悲観論が漂っている / 文化財と子どもが狙われている

女性

「イスラエルのガザ侵攻があって以来、ウクライナ関係のニュースがめっきり減ってしまった気がします」

「開戦から1年9カ月経ちました。支援疲れという言葉が出るようになりました」

女性

「戦況の方は、どうなんですか?」

「一言で言えば、膠着状態です。侵略したロシア側が防衛線を築いて、そこにウクライナが攻撃を仕掛けるという図式は変わっていません」

女性

「ウクライナに向かい風が吹いているような気がします」

「ウクライナの政権内の不協和音が時々聞こえますし、ハンガリーがウクライナのEU加盟に反対の意向を示しています」

女性

「ただ、ロシアの方も状況的には苦しいんでしょ?」

「プーチン大統領からすると、思ったような戦果を上げられていないと思っているでしょうね。来年に大統領選挙がありますので、はっきり分かるような戦果が欲しいのだと思います」

女性

「ウクライナの大統領選挙は、何時ですか?」

「ゼレンスキー氏が大統領に選出されたのが2019年ですから、2024年、つまり来年に選挙があると思います」

女性

「戦時下でもやるのですか?」

「現在は戒厳令が敷かれています。それが継続するようであれば、選挙は実施されないと思います」

女性

「ゼレンスキー大統領でなくなると、ウクライナはロシアに勝てないのではないかと思っています」

「お笑い芸人として有名になった人ですが、発信力がある方だと思います。大統領は適任でしょうね」

女性

「ここからが本論です ↓」

 ゼレンスキーは発信の天才

父は大学で教鞭をとる科学者、母はエンジニアの家庭で育っています。父はコンピューター・プログラマーになって欲しかったようでしたが、彼は演劇に興味を持ちつつ、大学は法学部を選びます。

在学中に友人とコントチームを組んでデビュー。一躍スターダムにのし上がります。お笑いの舞台で磨いた発信力を存分に生かして、国際社会にウクライナ支援を求め続けています。彼が大統領でなければ、今頃はロシアに負けていたと言われています。。

狩猟民族は常に優れた指導者を求め、それを探し当てるのが農耕民族よりも上手です。一人の天才がいれば、集団は生きていくことが出来る。それを身体のDNAの中に刻み込んでいるのだと思います。農耕民族の場合は「和」が求められますので、「出る杭」は打たれます。天才が出にくい社会だと思います。(下の写真は、大統領に当選した時のものです。まさか自分の任期中にロシアが攻めてくるとは、思ってもみなかったでしょう)

(「CNN.co.jp」)

 文化財と子どもが狙われている

ある民族を弱体化させるには、アイデンティティを弱体化するのが一番有効ですアイデンティティというのは、自他ともに認める特徴ということです。個人にアイデンティティがあるように、国には国のアイデンティティがあります。その国のアイデンティティが何なのかは、その国が生み出した文化・芸術を見ることです。

ロシアは意識的にウクライナの文化財や文化人を狙い撃ちしている形跡があります。ロシアの侵攻が始まって、ウクライナが旧ソ連時代の彫刻や建造物などを撤去、ロシア語の使用を禁止するなどの措置をとりました。首都のキーウの呼び方もロシア語読みのキエフから変えたものです。

そういったことの報復なのか、ロシアはこれまでに110の宗教施設、22の美術館や博物館、91の歴史・芸術的価値がある建造物を破壊しました。ヘルソン州の美術館からウクライナ人画家の作品や古代の宝飾品約1万点が強奪されたとのことです。そして、占領地から連れ去られた子供が約2万人とのこと。ロシア内でロシア人としての教育を植えつけられていると思われます。国家ぐるみの拉致です。

(「NHKニュース」)

 悲観論が漂っている

ロシアによるウクライナ侵攻の終わりが見えなくなっています。プーチン大統領は来年に選挙がありますが、再選は確実視されており、彼が大統領でいる限り、撤退と和平合意はないと思います。そして、米欧の研究者から、仮にプーチンが大統領として再選されなくても、ロシアの拡張主義は次の指導者に受け継がれるのではないかと言っています。

現在、プーチン大統領は兵員を増やすべく動いています。予備役を動員、訓練しており、人員的には2年以内に侵攻前の水準に戻すことができるとしています。

仮にウクライナが各国の支援を得てロシア軍を全面退却に追い込んだとしても、軍事力を回復すれば、再び襲ってくるかもしません短期間の戦術と合わせて、長期にわたる戦略の構築が必要な所以です。集団安全保障によって守るしか方法はないと思われます。

(「NHKニュース」)

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