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日本企業の凋落の原因を分析/労働生産性の改善には教育システムを根本的に改善しなければならない

「今年のメーデーは静かだったみたいですね」

女性

「コロナ騒ぎでそれどころじゃあないのでしょう」

「ただ、今年の日本のメーデーは100年目、一つの節目にあたる年だったのです」

女性

「あら、そうだったのですか。100年前と言うと、戦前のお話ですね」

「記録によると、上野公園に約1万人が参加してメーデーの集会が行われたそうです」

女性

「よく、そんなに集まりましたね」

「大正デモクラシーの時代でもありましたし、その前年にはILO(国際労働機関)が設立されています。当時は長時間労働が当たり前みたいな時代だったので、8時間労働は労働者の悲願みたいなものだったと思います」

女性

「ところで、「いまさらジロー」かもしれないけれどメーデーの意味は何ですか」

「……あなたも古い人ですね」

女性

「昭和のなつかしの歌謡曲でやっていたので、それで……」

「メイは英語の5月を表すMAYから来ています。それで察しがつくと思いますが、始まりはアメリカです。アメリカの労働者の全国組織が5月1日を8時間労働制実現のための世界的行動日にしましょうと呼びかけたのが始まりです」

女性

「それが、ずっと今まで続いてきた訳ですね」

「戦時中はさすがにできなくて、そんなこともあり、100周年なんですが、回数としては今回が91回目なんです」

女性

「今は、統一した要求としては、どんなことがあるのですか?」

「正規、非正規の格差問題、雇い止めの問題、ですか。ただ、もう時代は「団結頑張ろう」という時代ではなくなりつつあります」

女性

「それは、どういうことでしょうか」

「国際競争はますます厳しくなると思います。最先端企業であればあるほど、一人ひとりと個別に契約し、賃金体系や査定が個別に行われるようになるので、ベースアップは段々死語になっていくと考えています」

女性

「春闘という言葉もでしょうか?」

「この令和の時代で死語になると思っています」




 日本企業の凋落の原因分析が足りない

 日本型雇用慣行とされてきたのが、終身雇用制と年功序列型賃金体系です。そして、それを補うように機能していたのが企業内組合です。日本は和の国ですが、国を家族の延長と考え、さらには企業を家族の延長と考えたすえに作った制度だと思います。勤めれば勤めるほど賃金は上昇し、キャリアを自動的に評価されるシステムとなっているので、わが社という意識が当然強まります。結束力を強め、企業に見えざる力を与えたことでしょう

ただ、このシステムが上手くいくためには、2つの条件が必要です。1つは、工業製品でもサービスでも構わないのですが、規格品を大量に市場に流すような業種の企業であることです。2つ目は、昇進がある程度年功に比例することです。キャリアがないにも関わらず変な抜擢人事があると、それが組織崩壊の一穴になることもあるからです。

概ねそのような条件がクリアされていたのでしょう。戦後の日本企業は驀進(ばくしん)をし、それを金融機関が後押しをして、全体的に日本経済を支え、高度経済成長を達成したのです。

【 世界有力企業ランキング 】

(1989年)               (2019年)

1   NTT                                        アップル    (アメリカ)

2   日本興業銀行             マイクロソフト (アメリカ)

3  住友銀行               アルファベット (アメリカ)

4  富士銀行              アマゾン・ドット・コム(アメリカ)

5  第一勧業銀行             フェイスブック  (アメリカ)

6   IBM       (アメリカ)         ハザウェイ    (アメリカ)

7  三菱銀行                アリババ    (中国)

8  エクソン   (アメリカ)        JPモルガン   (アメリカ)

9  東京電力                テンセント   (中国)

10 ロイヤル・ダッチ・シエル(英・蘭)    ジョンソン・アンド・ジョンソン(アメリカ)

1989年の世界企業ランキングのベスト10に、日本企業が7社入っていましたが、今や見る影もありません。ところが、いまだにかつての栄光の時代の残像を引きずってモノを言う人がいることと、なぜ現在はこうなのかという分析が足りていないことが問題です。

原因があるところに結果があります。人口減、教育問題、そして経済の問題など、根本的な問題について、各界やマスコミ各社が思考停止状態になっているのが気になるところです。暗闇を手探りで進んでいる姿しか見えません。



 労働生産性を高めるためには、教育システムを根本から変える必要あり

日本は加工貿易国として世界第二位の経済大国になったのですが、世界ランキングの表を見る限り、その「戦法」はもうこれからは通用しないということが分かります。世界ランキングのベスト10に重厚長大と言われる自動車工業や製造業のメーカーは1社も入っていません。原料に多くの付加価値をつけていかに巨大市場で売りさばくか、そういった発想の時代は終わりつつあります。

政治の世界と違い、前の時代に覇権を握ったからといって、次の時代の覇権が保障されている訳ではありません。経済の世界は変化の激しい世界です。

(財)日本生産性本部が「労働生産性の国際比較 2019」を公表しました。それによりますと、日本はOECDに加盟している36カ国中21位でした。先進7か国の中で見ますと、最下位でした。アメリカと比較すると、約6割くらいの労働生産性しかありません。

労働生産性というのは、簡単に言えば仕事の能率です。単位時間の中で価値を創出する大きさです。その価値を、現代はどのようにして生み出しているのでしようか。マルクスの唱えた労働価値説などは、もう時代的には通用しません。製造業という限られた分野において、当てはまるかもしれませんが、それは多めに見てもせいぜい経済全体の20%くらいです。

GAFAに代表されるように、現在はデータ(情報)の時代です。そこにいかに付加価値をつけるか、豊かな発想力が問われます。労働価値説という、部分的にしか通用しない説を前提にして、生産活動や雇用体系、さらには人材育成がなされるならば、当然その目算は狂うことになります。

人材育成の多様化を進める必要があります。それが社会の活力とAI時代を生き抜く人材を育てることに繋がります。AIの上をいく人材をいかに多く育成するかという視点が大事です。そのためには、画一化、全国一斉、検定教科書、大規模、統合といったことを避けることです。少人数、個別、自由教材、飛び級、学年を飛び越えての受講などを導入して、多様な人材の育成に取り組む必要があります。

入社3年、年収3000万円も 幹部に登用 ファストリ脱・横並び」(『日経』2019.6.23日付)、

NEC、新卒年収1000万超 優秀な研究者 人材確保に危機感」(『日経』2019.7.10日付)、

トヨタ賃上げ『脱・横並び』」(『日経』2019.12.27日付)

すべて「日経」の見出しですが、これを見ただけでも新しい動きが起き始めていることが分かって頂けると思います。そして、実は優秀な人材の獲り合いが、すでに始まっているのです。

ただ、世界が求めている優秀というのは、偏差値的な優秀ではなく、従来の発想にとらわれず、文系理系の枠組みを超えて自由に物事を考え、創造できる人材なのです。優秀の意味を勘違いして、大学共通テストを行おうとしていますが、「金太郎飴」をつくるような発想で人材を作る時代ではないのです

 お花畑の世界で生きている訳ではない――「ワンチームの時代

 国内は人口減であり、地方文化が衰退し始めています。企業は日本国内に目を向ける時代です。国内回帰を合言葉に、母国日本を助けるために力を発揮して欲しいと思います。SDGsということが言われ始めています。17項目をつまみ食い的に行うのではなく、それらをすべて上手く取り入れながら、祖国を盛り立てるという発想が欲しいと思います。かじ取りを間違えれば、帰るべき国がない、無国籍企業になるような時代です

 今回のコロナ禍を一つの契機として、日本経済の構造的転換を考える必要があります。海外の安い労働力を求めて海外に工場を建て、そこで現地生産をして製品を売る。日本の企業は、中国に20世紀の後半以降競うように進出しました。しかし、政治的、経済的、防衛面など、トータルで考えて、日本にとってかなり大きなマイナスになっています

 今回のコロナウイルス禍の一連の騒動によって、日本は観光やサプライチェーンなど、中国にかなり依存をしている体質になっていることを改めて認識させられました。依存をすればするほど、かの国の共産党政府は強圧的、抑圧的な態度に出るでしょうし、現にそうなっています。彼らの思い描く友好とは、中華体制を前提にした友好であることを思い知るべきでしょう。

「隣人とは、遠く付き合え」という先人の遺したことばがあります。素直に聞くべき時がきたようです。

読んで頂きありがとうございました




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