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現代日本は人口減少が加速する危機的状況――脱却のヒントは過去に学べ!

「群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)というインド発祥の寓話(ぐうわ)を知っている?」

 

「目が見えない人たち6人が象を触って、その後で象はこうだったよと言い合う話ね。」

 

「6人が別々の所を触る。鼻を触った人は象は長いくねくねしたもの、足を触った人は象は太い柱のようなもの、耳の人はヒラヒラしていて扇のようなもの、腹の人は太った豚、しっぽの人はへびのようなものなどと言う話ね」

 

「誰も正解はないのね。ただ、この話を差別的と言う人がいるという話よ」
「作者は目の見えない人を、悟っていない人の意味の例えとして使っている。仏教では悟っている人を目覚めた人と言う。目覚めていない、つまり悟っていない人を盲人になぞらえているだけ、差別的な意図は勿論ありません。ところで、誰も正解者がいないのが、この話のミソなんだけど、悟っていな人は物事の本質が分からないということを言いたいために作られた話なのです」

ところで、人口減問題は重要ということなのでしょう。実際に、新聞でもよく取り上げられます。例えば、1月13日付「日経」の社説「子供産みたくない社会に未来なし」、1月14日付「産経」の「正論」は「子年におおらかな子育て一考を」として、それぞれ人口減問題について論じていますが、その捉え方がまさに「群盲象を評す」状態です。今回、直近のこの2つの記事を取り上げていますが、どの新聞も論調は似たり寄ったりです。

「子供産みたくない社会に未来なし」はこちら➡https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54103190X00C20A1SHF000/

「子年におおらかな子育て一考を」はこちら➡https://special.sankei.com/f/seiron/article/20200114/0001.html

「人口減の原因はどこにあると言っているの?」
「原因として挙げているのは、男性の意識の問題と保育環境の問題だね」

 

「男性の意識って? 結婚したくないという意識ではダメって言ってるの?」

 

「そうじゃなくて、子育ては大変だから、男性は家事を積極的に行い、育休をもっととって欲しいと言っている。そして、保育所を建てる時に反対運動をしたりして、子育てに不寛容な社会となっているので、それを嘆いている。保育環境は保育士の待遇改善、待機児童の問題、ベビーシッターを気軽に使えるようにと言ったことを書いている」

 

「ただ、それって、全部子供ができた後の問題でしょ。普通は結婚してから子供をつくることを考えるので、まず若い男女を結婚させることを考えないといけないんじゃあないの?」

 

「おっしゃる通りだと思います。だから、群盲象を評すと最初に言ったのです」

 

「『産経』の正論は何て書いてあるの?」

 

「一番の原因は、日本の世界に誇れるくらいの乳児死亡率の低さと言っている」

 

「?? 意味が全く分からないんだけど……」

 

「要するに言いたいことは、乳児死亡率が高いと女性は多くの子供を産もうとするけれど、それが低いので、子供を少ししか産まなくなるという理屈です。」

 

「何だか分かったような分からないような理屈ね、まあ、いいや。それが一番なのね。あとは?」
「非正規雇用の就業状態、夫婦共働きではないと生活できない経済状況、核家族化の進展、教育にお金がかかるなどですね。そして、最後に日本人が質より量の戦略に目覚めることと言っている」

 

「ごめん、一番最後で、思わず笑っちゃった。だけど、これも結婚した後のことを言ってませんか」
「だから、さっきから言っているでしょ。」
「群盲象を評す、ね」
「ところで、岡目八目って知ってる?」

 

「私のこと、おかちめんこって言いたいの?」

 

「(笑)違うよ。岡目八目って言うのは、囲碁や将棋の世界で使われている言葉なんだけど、当事者よりも脇にいる人の方が、物事がよく分かるという意味なのね。僕の手元に『危機と人類(下)』があるんだけど、その中で日本の少子化のことを言っているので、ちょっと紹介します」

「それって、誰が書いているの?」

 

「ジャレド・ダイアモンドといって、アメリカのカリフォルニア大学の地理学の先生です。ピュリツァー賞とかマッカーサー・フェロー賞をとったと書いてある」

 

「要するに、日本のことだから、日本人よりも遠くから見ているアメリカ人の方が物事の本質がよく分かるということを言いたいのね」

 

「ピンポンパンツ !」

 

「何、それ !」

 

「今度、使っていいからね」

 

Name
「そんなことより、本題 !」
「その中に『国家と世界――進行中の危機、日本を待ち受けるもの』という章がある。そこで、こういうふうに書かれている。ちょっと読むから、聞いててね。『関連する日本の人口問題として、低い出生率とそれがさらに低下している傾向がある。日本人はこの問題の深刻さに気づいているが、解決策がわからずにいる』」

 

女性
「すごい、ズバリじゃあない」

 

「どうして、海の向こうの人に分かってしまうのか不思議なんだけどね」
女性
「その方はどうすれば良いと言っているの」
「未婚男女の70%は結婚を望んでいると指摘して、なぜ彼らは伴侶を見つけられないのかと問題提起をした後、日本のお見合い(制度)のことを言っている。ちょっと長いけど、紹介します。『かつては、本人が努力しなくても結婚できる伝統があった。というのも、日本では結婚は、仲人と呼ばれる仲介者が若い未婚者のために伴侶の候補を紹介するお見合いを設定し、お膳立てされるものだったからだ。1950年代まで、これが日本の結婚において主流だった』と言っている」

 

女性
「ところが、その伝統がなくなってしまったので、男女のカップリングが進まなくなったと言っているのね」

 

「このブログで前に少子化の問題と対策について書いたんだけど、原因の捉え方はほぼ僕と同じです」

 

女性
「だから、この本をわざわざ持ってきたんでしょ」
「ピンポンパンツ !」

 

女性
「それ、やめてもらえませんか! つまらないし」

 

1960年代のはじめに「銀座の恋の物語」という映画と歌が出ました。それから、人々は日本も自由恋愛時代に突入したと思い込んでしまったのではないでしょうか。そのダメ押しをしたのが1990年代の「東京ラブストーリー」です。これにより、「恋愛結婚1億総錯覚社会」とも言うべき状態に突入をして、結婚できない人が増え、本格的に少子化社会になった、というのが私の分析です。

日本人は農耕民族であり、そのDNAを受け継いでいます。血は争えないという言葉があるように、民族の特性をつかんだ上で原因と対策を考えなければいけません。農耕民族はまず土地を基本に考える性質があります。土地さえあれば、そこで農耕生活を営み、一生暮らすことができるからです。伴侶はその土地を一緒に守ってくれる人を探すことになります。守るためには、その土地のことをよく知っている人が良い。そういう人を地域の人たちが、人的なつながりを使って見つけ出し、お見合いさせて結婚というのが、日本の伝統であり、文化でした。

封建の時代は階級社会なので、貴族は貴族、武士は武士、農民は農民どうしということがそれにプラスされていたことだと思います。とにかく結婚は公的なことなので、当人というより、周りがお膳立てをすべきことという捉え方だったと思います。

明治の開国があり、時代が近代の四民平等の時代になっても、地域社会が基盤となって準備するものという考え方だったと思います。そのためにも、日頃から地域の結びつきを強めておく必要がある。地域がひとつの互助会的な役割を果たしていたのです。それが現在でも町内会の活動として残っていると思います。

私の故郷は名古屋ですが、町内会のお祭り、遠足、運動会というのがありました(今でもお祭りと運動会はあるようです)。そんな活動を通して、地域にどういう人がいるかおよそ分かっていました。年頃の男性や女性の情報についても、ある程度共有されていたのです。

その伝統と文化が、高度経済成長を契機とした地域開発や大規模市町村合併、学校統廃合による地域社会の崩壊とともになくなってしまいました。それが少子化の大きな原因です。学校統廃合と人口減の因果関係については、実証的にデータ研究して拙著(『古事記とスピリチュアリズム』)に書きました。そこに焦点をあてた対策をしなければ、子育て環境をいくら整備しても、少子化は止まりません。

戦後に焼け野原に放り出された日本人たち。子育て環境は最悪です。保育園どころの騒ぎではありません。東京大空襲、名古屋大空襲、とにかく全部焼けてきれいに無くなりました。

ところが、ここから戦後復興が始まり第一次ベビーブームとなりますが、環境論者の立場に立つと、その理由を説明できないことになります。

人間は、犬、猫ではありません。因果関係で世の中は動いています。当然、その陰には様々な仕掛け人の活躍があったのです。

戦争で人口が減り、若い人たち、特に男性が激減しました。危機感をもった先人たちが、全国至るところで「合こん」という名の「集団お見合い会」を昭和22年頃から全国各地で企画、開催したのです。合こん、合同ハイキング、フォークダンスなど。切り替えが早いのが日本人の特徴です。自由を謳歌し、その中で恋愛の花を咲かせたのです。ただ、その花を自分だけの力で咲かせたと勘違いした人も多くいたのは確かだと思います。

社説で「子供産みたくない社会に未来なし」と、捨て台詞を吐いている暇があるならば、若い男女の社員のために、会社主催の出会いの会でも企画されたらいかがかと思う。

あるいは、読者に呼び掛けて、親子合同お見合い会でも良いし、何かイベントを企画しても良い。

隗より始めよと言います。説教を垂れる前に、まず行動をお願いします

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