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理念と政策があれば自治体は繁栄し、人口も増える / 平成の大合併により「コバンザメ」自治体の9割が人口減となる

「今日も地域再生について深めていきたいと思います」

女性

「地方創生と、政府は言っていますよ」

「地方というのは田舎という意味が含まれてしまうので、東京などの大都市を含めた問題なので地域の方が良いと思います」

女性

「そうなると、『再生』が合いますよね」

「日本には邦人という言葉があるように、もともと自分の邦(くに)があり、そこには家族、親戚がいて、方言を使ってコミュニケーションを交わし、田畑を耕して生活する、これが日本人の基本的な生き方だったと思います」

女性

「その原点に帰ろう、土の香りのする生活を取り戻そうということですね」

「『朝日』の「投書欄」(2020.2.21日付)に載った手紙を紹介します。ちょっと長いけど、聞いて下さい。『地方に限界が来ているのは事実だけれど、私は首都圏にはない熱気やエネルギーを感じていた。吹雪なんてニュースにもならない。気候をものともせず、アウトドアスポーツを楽しむ人々。雪解け水の恵みを受け、農作業に勤しむ人々。男女平等なんて言葉は不要なほど女性も外で働き、男性も子育てに参加する。おじいちゃんおばあちゃんは若い人たちを全力でサポート。みんな人生を楽しむ術(すべ)を知っている。新鮮だった』というものです」

女性

「何か、パチパチパチという感じですね。ところで、おいくつ位の人の投書ですか?」

「47歳とあります。女性です」

女性

「女性というのは、書き方の感じですぐに分かりました。それで現在は、都市部に住んでいるということなのですね」

「神奈川県とありますが、勤め先は都心みたいですね。この手紙の最後はこう書かれています――『高層ビルを眺め、満員電車に揺られるたびにこう思う。「東京も頑張れよ」』と、あります」

女性

「何か、幸せって何なのかなって思わず考えちゃいますよね」

「資本の論理なのか、人間の論理なのか。どこの地域も資本の論理優先で開発してみたら、肝心なものがなくなってしまったということですね」

女性

「だけど、この方は何が大事なのか、気が付かれていますよね」

「そうですね。ここからが本論です ↓」

 新潟県津南町の「農業、教育」を2大柱にした町づくり

『地域人』という地方創生のための総合情報雑誌(大正大学出版会)があります。この第62号(2020.10.10発行)は「ポスト成長社会の地域と経済」ということで、日本各地で新たな地域づくりに取り組んでいる様子と内容をレポートしています。そのうちのいくつかを、かいつまんで紹介したいと思います。

新潟県津南町ですが、ここの桑原悠(はるか)町長は全国最年少の町長で34歳の女性です。東京大学大学院在学時に町議会議員となり、それを2期務めた後、2018年に町長選に立候補して当選しています。

彼女はスマート農業と教育・保育を2大柱にして、観光地としての魅力を追究しながら地域活性化に取り組んでいるのです。

スマート農業というのは、地域全体の農地をどのように活用するか、休耕地も含めて、今までは農家同士の話し合いで進めてきたものをICT(情報通信技術)やロボットトラクターやラジコン除草機、ドローンやAIで管理させようという試みです。農林水産省の「スマート農業実証プロジェクト」に採択されているとのことです。

野菜、米、花卉(かき)、豚などを生産していますが、金額にして60億円くらいです。そのように「稼げる農業、魅力的な農業をアピールすることで、後継者問題の解消や新規就農者にも積極的に参入していただけるようになります」というのが、桑原町長の弁です

そして、桑原町長が掲げるのが教育・保育です。「自然環境を生かして五感を使って子どもたちが伸び伸びと遊び、また子ども同士で学び合えるような環境づくりを進めています」というのは桑原町長の弁ですが、保育園から中学校までのスパンで国際化教育を強化したいとのことです

このような施策を実行しながら人口減に対抗したいというのが、桑原町長の考えです。現在、津南町の人口は約1万人ですが、当面はこの数字を維持するためにUターン、Iターン促進政策とともに企業誘致政策、移住・定住促進政策、起業支援政策などを駆使しながら街づくりに奮闘されることと思います。

津南町の桑原町長のお考えは、非常に理にかなっていると思います。このように、教育、農業という政策の柱を決めたことにより、周りの支持を得ることができたと思います。農業は津南町の経済を支えるものであり、文化でもあるという判断がそこにはあったのでしょう。そして、次世代を育てるための教育は絶対に必要です。

津南町の人口動態が今後どうなるかは実際には分かりません。ただ、ここまで理念がしっかりしていれば、人口も大きく落ち込むことがないのではないか、そして、町内の合意を得ての移民政策、移住政策を実施できれば、人口増ということもあると思います。

 平成の大合併、失敗の理由

現実の社会は、因果関係という流れの中で動いています。簡単に言えば、バカなことをすればバカな結果が出るし、熟慮を重ねて理にかなった政策を出せば、それなりの結果が出てきます。この世は諸行無常、因果関係の世界なのです。

昨日のブログで書きましたが、学校統廃合と平成の大合併という何も考えていない官僚、そして政治家たちのプランが人口減を招いています。問題なのは、そのことを未だに気が付かないまま、その愚をさらに積み重ねようとしていることです。下の棒グラフは学校統廃合を現したものです。今世紀に入って、増えています。統廃合をした数だけ、地域が弱体化しているというふうに見て下さい。

外国籍の子供たちがこれから日本に多く来ます。不登校や発達障害の子供たちのためにも、きめ細かな対応が必要となってきます。そのためには、小規模校を残しておくことが大事なのです。何でもかんでもまとめれば良いという乱暴な発想では、子供は上手く育ちません。地域に学校が無くなれば、親も引っ越しを考えるでしょう。子供の声が地域からなくなり、地域の疲弊が始まります。オンライン授業など、いろいろ工夫ができる時代です。ところが、校舎を取り壊してしまったならば、何もできなくなってしまいます。

平成の大合併については、日弁連が実際に調査しています。合併と言っても、合併を選ばなかったところもあります。そこで、「小規模で距離が近く、産業構造が似ている合併旧町村と合併を選ばなかった町村のペアを47組選び、2005年と2015年の人口を比較した」(社説「平成の大合併」『東京』2019.12.12日付)そうです。

比較した結果、「公表結果によると、約9割、43組で合併旧町村の方が減少率が高かった」とのことです。簡単に言えば、合併を選んだ方が、選ばなかった方より、人口減が進んだということです。ただこれはある意味当たり前です。コバンザメのように大きいものに引っ付いていけば、主体性もアイデンティティもないのでしょうから、その地域を見捨てる住民が増えるのは当たり前のことです。

 平成の大合併により地域経済が疲弊し、人口減が進行した

津南町の桑原町長は、何とか自立した町にするべく努力をし、その姿を見れば、周りは応援するでしょう。それがなく、ただ単に隣の大きな自治体に吸収されればいいや的な発想の自治体に住みたいとは思わないでしょう。

平成の大合併によって、数的には約半分の市町村数になりました。それで日本経済にとって、あるいは国民の暮らしや生活にとって何がプラスになったのでしょうか

 

 

職員を減らして行政の効率化をはかれたと言いますが、本来は公務員給与として支払われるべきものが支払われず、それは経済的には購買力の減少に繋がり、経済的にはマイナスです。実際に、市町村役場周辺の飲食店や商店、宿泊所は減少し、それがひいては人口減に繋がったのです。ただ、その位のことは中学生くらいの頭があれば理解できることです。平成の大愚策と言われる所以です。

自治体関係の会計処理を従来と同じ考え方で行うために、効率化という話が出てくるのです。現在は財政はMMTの考え方が「主流」となりつつあります。地方財政についてもそういったことを踏まえて対応する時だと思います。

字数が尽きました。MMTについては、近いうちに話題にしたいと思っています

とにかく、「2050年までに最も人口が減る国ワースト20」というランキングがあり、日本はワースト9位(16.3%減)なのです。子供の教育を考えず、地域の文化を破壊するような行政が今後も継続するようならば、その数字の通りになるということです。

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