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「財務省解体デモ」に思うこと ―― 『ザイム真理教』が暴いた財務省のタブー / 日本経済再生のための財政運営を考える  

「財務省解体デモが全国各地で行われています」

女性

「先日、都心に出張だったのですが、霞が関辺りでデモ隊に遭遇しました。1000人位の規模のデモでしたね」

「それが広がる兆しがあるのです。今月は、東京以外に長野、広島、京都などでも行う予定だそうです」

女性

「どうして、反財務省がトレンドのように広がっているのですか?」

「根底には生活の圧迫感を多くの人が感じているということがあると思います」

女性

「効果はあるのですか?」

「デモは世間に対するアピールですからね。そういったことに関心を持ってもらおうということで行うものだと思っています」

女性

「そうなんですね。私は生まれてこのかた、デモに参加したことがないのです。参加される方は、どういう考えなのかなあと時々思うことがあります」

「日頃のうっぷん解消で出る人もいると思いますよ」

女性

「私はあまり経済のことは分かりませんが、彼らは何を要求しているのですか?」

「消費税の撤廃や財務省そのものの解体まで、いろいろですね」

女性

「解体してどうするのですか?」

「歳入庁、歳出庁、国税庁に分離して欲しいということらしいですね」

女性

「その辺りについては本論で…… ↓表紙写真は「朝日新聞」提供です」

 『ザイム真理教』が暴いた財務省のタブ

2023年に故森永卓郎氏が出版した『ザイム真理教』(フォレスト出版、2023)は、日本の財務省が長年堅持してきた「財政均衡主義」を鋭く批判しました。本書によると、財務省は税収と支出の均衡を何よりも優先する姿勢を貫いており、その硬直的な姿勢がまるで宗教のようだと指摘されています。このため、「ザイム真理教」という言葉が生まれたのです。

実際に、若手の財務官僚の約半数は、この財政均衡主義に疑問を抱いていると言われています。しかし、彼らが省内でそれを口にすることはありません。もし反論すれば、出世コースから外されるという厳しい現実があるからです。財務省の中で「財政均衡」に異議を唱えることは、もはやタブーとなっています

しかし、財政均衡主義の根本的な問題は、国家の経済政策を単純な家計のように捉えている点にあります。家計では収入に見合った支出をするのが基本ですが、国家財政はそれとは異なり、企業経営のように投資を行うことが求められます。経済成長のために積極的な支出を行い、それが将来的な税収増につながるという考え方が必要です。しかし、財務省はこの視点を欠いたまま、ひたすら財政赤字の削減に注力してきました。その結果、日本経済は30年以上にわたる停滞を続けることとなったのです。

このような状況を打破するためには、財務省の考え方を根本から改める必要があります。財政均衡に固執するのではなく、経済成長のために何が最適な政策なのかを柔軟に考えることが求められているのです。

(「団野誠ブログ」)

 財務省解体論――「失われた30年」の本当の原因

日本では、政府の経済政策が長らくうまく機能していないとされ、「失われた30年」とも呼ばれる停滞期が続きました。その原因の一つに、財務省の存在があると考える人は少なくありません。実際、一部のデモ参加者は「財務省解体」を訴えており、この主張には一定の合理性があります。

財務省の役割は、主に以下の三つに分けられます。

  1. 税収を適切に徴収する(国税庁の管轄)
  2. 国の支出を厳正に管理する
  3. 経済活性化のための投資を行う

この三つの役割のうち、現在の財務省は「税収の徴収」と「支出の管理」には力を入れていますが、ある意味で最も重要な「投資」という役割を十分に果たしていません。本来、政府は経済を成長させるために積極的な財政出動を行い、国内の産業や雇用を活性化させる必要があります。しかし、財務省は「財政均衡」の観点からこれを避け、結果として日本経済は低成長が続くこととなったのです。

特に問題視されるのが、安倍政権下での消費税増税です。安倍政権は二度にわたって消費税を引き上げましたが、これは景気を冷え込ませる結果を招きました。本来であれば、国債を増発して公共投資を増やし、消費税を引き下げることで経済を刺激するべきだったのです。しかし、財務省の強い影響力のもとで、政府は逆の政策を選択し、結果として日本経済の回復を遅らせることになりました。

もし財務省が本当に日本経済の発展を考えるなら、単に支出を管理するのではなく、「どこにどれだけ投資すべきか」をしっかりと判断するべきです。これができないのであれば、財務省の解体や機能分割を検討するのも一つの選択肢でしょう。

(「産経新聞:産経ニュース」)

 今求められる「適切な財政運営」

過去30年間、日本政府は財政均衡を重視するあまり、経済活性化の機会を逃し続けてきました。しかし、今の日本は単純に「積極財政に転換すれば良い」という状況ではありません。むしろ、今こそ慎重な財政運営が求められる時期に差し掛かっています。

企業経営に例えると、経済環境が良い時には積極的に投資を行い、成長を促すことが重要です。しかし、環境が悪化し、不透明感が強い時期には、むやみに借金を増やすのではなく、内部留保を増やして慎重な経営を行う必要があります。現在の日本は、まさにこの後者の状況にあります。

日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少しています。これは経済成長の基盤が弱まっていることを意味します。加えて、世界経済も不安定であり、米国では「トランプ関税」による貿易摩擦が再燃する可能性が高まっています。このような状況で、無計画に財政支出を拡大することは、むしろ経済の不安定要因になりかねません。

こうした背景を踏まえると、現在の日本に求められるのは、積極財政と緊縮財政を適切に使い分ける「バランスの取れた財政運営」です。例えば、教育や技術革新への投資は将来の成長を生み出す可能性が高いため、積極的に支出を増やすべきです。一方、無駄な公共事業や補助金のばらまきは抑え、財政の健全性を維持することも重要です。

デモ隊が主張する「財務省の解体」や「積極財政への転換」は、一部正しい点もありますが、単純な解決策ではありません。むしろ、日本経済の現状を冷静に分析し、どの分野に投資を行い、どこで財政規律を守るべきかを慎重に見極めることが、今後の政策運営の鍵となるでしょう。

(「FNNプライムオンライン」)

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