「会社での飲み会に参加することがありますか?」
「私的なものは殆どありませんが、会社のお偉い方が参加する飲み会には参加するようにしています」
「日本には、「飲みにケーション」という言葉があるのですが、これは男性社会を象徴するような言葉だと思っています」
「そうですね、余り良い印象を持っていません。本来は仕事の中でチームワークを築いていくべきなのに、それを離れた酒場で人間関係を築こうというものでしょ」
「いや、そういうふうに分けて考えるのではなく、一体的に考えて欲しいのですが……。人間関係をさらに潤滑にするための場と捉えて欲しいのです」
「そうなると「飲みにケーション」も職場にとっても重要な場だということになり、それでは女性はついていけません」
「あなたの会社にも女性の管理職がいるでしょ。いかがですか?」
「酒豪と言われている女性がいますけどね……。かと言って、男性のように部下の社員を誘うということはしてはいません」
「もっとも女性と男性ではアルコールに対する耐性が違いますからね」
「えっ、そうなんですか?」
「これは一般論ですが、女性の方がアルコールの分解度が遅いことが分かっています」
「アルコール依存症になる人の割合が女性の方が多いと聞いたことがあります」
「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「エコノミックニュース」提供です」
目次
女性は男性よりアルコール耐性が低い
女性活躍社会ということで、社会で男性並みに働く女性が増えていますが、身体構造が男性と女性では違っています。出産という最大の試練があるため、その分、肝臓が小さく体内の血液量も少ないため、男性と同じ量を飲んだとしても、アルコールの血中濃度が高くなります。女性ホルモンがアルコールの分解を阻害するため、体内にアルコールが長時間残る傾向となります。
飲酒が習慣化してアルコール依存症になるまでに、男性の場合は10~20年と言われているのに対して、女性の場合は6~9年と言われています。
そんなこともあり、厚生労働省が2024年2月に「飲酒ガイドライン」を出しました。それによると、生活習慣病のリスクを高める飲酒量についての1日当たりの純アルコール量を男性の40グラム以上に対して、女性は20グラム以上と定めました。
(「愛知のニュース」)
アルコール依存症になる女性の割合が増えている
女性のアルコール依存症の患者が急速に増えているそうです。生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている人の割合が、09年から19年の10年間で男性は減ったのに、女性は逆に増えているそうです。
どの年代で増えているのかということで追跡調査をすると、40代から50代にかけて増えています。ここからは推測ですが、女性の社会進出が進む中で女性管理職も増え、彼女たちも社内の「飲みにケーション」の文化に対応しようとしている結果だと思われます。
(「アサヒビール」)
不健康な飲酒は女性を蝕む
「不健康な飲酒 女性を蝕む」と、この種の記事で異例の1面トップの扱いで報じたのが『日本経済新聞』(6/16日付)です。女性の身体がアルコール耐性に弱いため、依存症以外に様々な内臓疾患のリスクが高いそうです。
同記事は京大の研究グループの調査を載せていますが、アルコール関連の肝疾患と膵炎(すいえん)による入院率(前年同月比/20年4~6月)を調べてみたところ、男性が最大1.2倍に対して女性は2.0倍だったとのことです。
今はコンビニで手軽にアルコール飲料を手に入れることができます。そして、女性を意識して、口当たりの良い商品や見た目がジュースのようなアルコール商品の開発もなされるようになりました。そんなこともあり、20~30代では女性の飲酒率が男性よりも高くなっているというデータがあります。楽しんで適度に味わうのは、良いことかもしれませんが、疾病のリスクが高いのは女性の方が高いことを頭の片隅にでも置いておく必要があるのかもしれません。
(「DIME」)
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