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AI新時代における教育のあり方 / ヒトとAI (人工知能) の競争時代に突入

「AIという言葉が普通に使われるようになりましたね」

女性

「そうですね。日本語に今はいちいち翻訳しませんものね」

「書店に行くと、いわゆるAI本が多く出ていることが分かります」

女性

「急速に普及すると、私の行っている事務的な仕事は、AIに奪われてしまうのではないかと心配しています」

「まあ、その可能性はありますよね。これはある人の予測ですが、今後10~20年間で今ある仕事の半分がAIにとって代わられるだろうと言っています」

女性

「10~20年なら、まだ定年前ですね。何か資格を取るようにした方が良いですね」

「そういった向上心をもっていれば大丈夫だと思います」

女性

「AIがとって代わることができないような仕事を考えないといけない時代になってきたということですね」

「そして国は、そういうことを見越して先回りの政策をする必要があります」

女性

「それは、決して良いことばかりではないということでしょうか?」

「技術の革新は、決してプラス面ばかりではないのです。かつて産業革命によって機械化が進みましたが、工場労働者の多くが仕事を失い、それが世界恐慌の遠因となったと言われています。無策でいると、その二の舞が起こります」

女性

「今から、どんなことを考えていけば良いですか?」

「日本のアイデンティティを確立して、未来のビジョンを打ち出して、しっかりとした人材育成政策を考えて欲しいですね」

女性

「もう少し具体的にお願いします」

「一言で説明するのは難しいので、本文の中で論じたいと思います」

女性

「ここからが本論です ↓」




 AI(人工知能)をめぐる最近の話題

  米グーグル社傘下企業が開発した囲碁AI「アルファ碁」が世界トップ級の韓国プロ棋士を4勝1敗で破るという衝撃的なニュースが流れたのは、2016年の3月のことでした

すでに1997年にチェスの世界チャンピオンを、2010年には女流棋士をそれぞれコンピューターが破っていたのですが、チェスや将棋に比べて囲碁は石を打つ場所が多く、選択肢は一説によると「10の360乗分の1」という天文学的数字になるので、過去の経験則ですべて対応することは出来ず、コンピューターが囲碁チャンピオンに勝つのは、まだ10年くらい掛かると言われていた矢先の勝利だったのです

そしてこれはインターネットからの情報(米Fast Company)ですが、2018年12月に米グーグルの姉妹会社にあたるディープマインドが、遺伝子コードに基づいてたんぱく質の形状を予測するコンテストで、並みいる一流の生物学者たちを尻目に勝利を上げたそうです。

また、AIによる自動運転の実用化ですが、今年の1月に日本で初めて自動運転バスが公道の定常運行を実現しました。バスといっても11人乗りのミニバスですが、茨城県境町で4月から運転をしています。法律上は無人バスが認められていないため、運転士と補助員が乗り込んでいますが、大半のルート(往復5キロ)を自動走行しています。このような自動運転バスが、今後は全国各地で導入が進められると思われます。

 

 AI(人工知能)との共存時代に本格的突入―――教育界に及ぼす影響

日本では今後、少子高齢化による人口減社会を生き抜くために、各企業は競ってAIを生産部門のみならず、販売、流通など様々な分野への導入を試行錯誤的に行ってくることが予想されます。そうなってくると、今度は人間がAIによって職場から追い出されるというような事態も起こり得るということです。

その辺りの動向について、『産経新聞』が2016年の6月に「AI新時代」と銘打った特集記事を連載しています。副題は「脅威か希望か」です。

19世紀の初めの頃に、イギリスでラッダイト運動(機械打ちこわし運動)なるものが起きました。手工業の時代、自分たちの仕事を最新機械が奪ったかのように思えたのでしょう。歴史は繰り返すと言います、今度はAIの方が人間の職場と従来の価値観を打ち壊すかもしれません。

ところで、今回のコロナ禍をきっかけに教育界においても、急速にデジタル化を進めようという動きが起きています。あと10年位経つとチョークが教室から消えるのではないかと言われています。チョークに関して言えば、チョーク製造の老舗である羽衣文具が2015年3月末で自主廃業をしたことが象徴的です。需要の減少が主な理由とのことですが、黒板というメディアがホワイトボード、電子黒板やタブレットに移行している時代のエピソードなのかもしれません。教室もIT化が進んでおり、教室にプロジェクターが設置されている学校が公立、私立を問わず増えています。

文科省は、2011年4月に「教育の情報化ビジョン 21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して」という詳細な方針を打ち出しています

それによると2020年度に向けて情報タブレット端末を1人1台ずつ保障し、デジタル教科書などを使った双方向性のある授業を提起しています。そのように教育のICT (Information Communication Technology)環境を整備するために文部科学省は平成26年~29年の4年間で総額6712億円の予算を組んでいるのですが、一体この計画はどこへ行ってしまったのかと思っています

文科省の「教育の情報化ビジョン」計画が予定通り進められていれば、今回のコロナ禍の中で、オンライン授業によって対応できたのです。ただ、実際にはそのように対応できたのは、全体の5%程度と言われていますいつものことながら、ずっこけています。

「教育の情報化ビジョン」を受けて、2013年に「世界最先端IT国家創造宣言」(以下「創造宣言」とする)を閣議決定しています。「学校の高速ブロードバンド接続、1人1台の情報端末配備、電子黒板や無線LAN環境の整備、デジタル教科書・教材の活用等、初等教育段階から教育環境自体のIT化を進め、(中略)2010年代中には、すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で教育環境のIT化を実現する」としていますが、こちらも完全に出遅れています

前回のブログでやるべきことをやらず、やらなくても良いことをやろうとする文科省の話をしました。情報化といった重要なことについては何もせず、スマホの学校持ち込みなど、枝葉末梢のことに関わろうとします。ピントがいつもながら、づれています。



 IT時代に対応した教育プログラムの構築を

現行の学習指導要領のスローガンは「生きる力」。今一歩分かりづらいのですが、文科省の説明によれば、それは「詰め込み」でもなく「ゆとり」でもないとのこと。ただ、これは従来の流れを全面否定することなく、整合性を持たせるために考えられた屁理屈です。

実際に改訂内容を見ると、小学校、中学校で5~6の教科について10%授業時数を増やしています。簡単に言えば、「ゆとり」路線の転換です。「ゆとり」路線のもともとの発想は、週休2日制を念頭に置いた労働基準法改正による週40時間の措置に合わせて、学校5日制を導入しようとしたところにあります。「ゆとり」教育は1980年代から準備され、2002年からの学習指導要領により完全実施されていますが、時代の流れに逆行する施策であったため学力の低下を招きました

学力の低下は、国際競争力の低下を招きます。IMD(国際経営開発研究所)が発表している数値に基づくと、日本の国際競争力は80年代後半から90年代前半にかけて、総合ランキングは1位だったのですが、2015年には27位、2020年は34位と低下する一方です。この責任は、政府と文科省の教育に対する愚策にあることは明白です。

明日は、今後の課題と問題点について論じたいと思います

読んで頂きありがとうございました。

(アイキャッチ画像はニューズウィークより)

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