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円安基調は一時的なものにあらず ―― 2つの構造的な問題が横たわっている

女性

「3月31日のブログで予告していたように円安基調が続いていますね」

「そこで書いたように、円安に進むのは、ある意味必然的なのです。外国為替市場も競争市場なので、レートが変動するのは当たり前のことですが、その変動が短期間で変わっている今の状態は余り良くないのです」

女性

「円安に一気に動いているという感じですよね」

「本当は日銀総裁あたりが利上げを含ませるような発言をすれば良いのですが、真正直に言ってますからね」

女性

「「日経」が「円安 黒田氏発言で加速」(4/14)との見出しで報道していますが、総裁の一言で流れが変わるものですか?」

「変わりますね。場合によっては、何千億、あるいは兆単位で国境を挟んで動きます」

女性

「動かないようにするには、どうすればいいですか?」

「言葉をぼかせば良いのです。黒田総裁は、はっきり言い過ぎです。誰もそのことについて、アドバイスしないのかなって思っています」

女性

「流石に総裁にアドバイスと言うのは、恐れ多いと思っているのではないでしょうか。具体的に指摘してもらって良いですか」

「昨日のNHKニュースでも紹介されていましたが、「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と言ってしまっています」

女性

「どのようにぼかせば良かったのですか?」

「枕詞が2つもあります。「強力な」と「粘り強く」です。これを使わずに、曖昧な言葉を使います――「金融緩和をこのまま続けるかどうかについては、市場の動向を見定めて政策委員会で決めたいと思います」で良いと思います」

女性

「成る程、言葉一つで変わるのですね」

「為替のディーラにとって有難いのは、方向が定まることです。ただ、それは流れが一方通行になるということです。総裁が利上げなしを保証してしまったので、仮にあなたの手元に1千億円あったとしたら、どうしますか?」

女性

「えっ、考えたこともないですが、貯金をします」

「貯金をアメリカの銀行にするか、日本の銀行にするかということです。当然、利子を考えてアメリカの銀行だと思います。その場合、円を売ってドルを買いますよね」

女性

「円安になってしまうということですね。ここからが本論です ↓」

 円安基調は一時的なものにあらず

この1年で2割くらいの円安が進んだことになります。外国為替市場は変動するので、中には円高に戻るだろうと考えている人がいるかもしれませんが、今回の円安の動きは構造的なものなので、しばらくは円安基調が続くと思われます。

構造的というのは、どういうことか。日米の経済力の質的な差が明らかになってきたことに加え、世界の政治の流れが大きく変わり始めたからです2つの大きな要因の上に立っての円安なので、これはそのまま円安が加速することはあっても、円高基調に戻ることは当面ありません。

(「テレ朝News-テレビ朝日」)

 構造的な問題――part1 / 国防力が弱い

「リスクオフの円買い」という言葉も死語になりつつあります。今までは、有事の時は円で持つのが一番と言われてきました。日本が世界で一番の政治的安全地帯との評価だったのです。少なくとも、21世紀の初頭まではそうだったでしょう。世界一の軍隊を有するアメリカ軍が駐留し、日本の周辺国は逆に日本がかつてのように侵略戦争を仕掛けてくるのではないかと思っている位でした

逆に、アメリカの方はキューバを始め南米は反米国家が多く、さらに強国であるがために逆に標的となりやすいと思われたのです。現に、2001年に同時多発テロが起きています。ニューヨークのマンハッタンの高層ビルに乗っ取られた飛行機が突っ込む衝撃的な映像が世界を震撼させました。その結果、約3000人が死亡し、25000人以上が負傷しています。

それがいつの間にか、日本の周辺は「波高し」になってしまいました。その一番の大きな理由は中国ですが、日本の隣国は韓国も含めていずれも反日です。さらに国防費を調べてみると、中国は日本の約5倍、ロシアは約1.2倍です。つまり、日本は中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に囲まれた国であり、かつてのように安全な国という評価はなされなくなっているのです。データ的にも、日本一国では守りきることは出来ないので、現実的に在日米軍を頼りにせざるを得ないという状況です。そのように自国の力で守り切ることができない国の通貨では、安心できないと言う人がどうしても増えます。それもまた、円安要因として働くのです。

(「Quora」)

 構造的な問題――part2 / 国家戦略がなく、労働生産性が低い

OECD(経済開発協力機構)によりますと、2020年の日本の平均年収は約460万円です。アメリカはその1.8倍の830万円、韓国は約500万で日本を上回っています。なぜ、日本は韓国に抜かれたのか。それは、この20年間日本の平均年収が殆ど上がっていないからです。ちなみに、2000年では、日本は38,365ドル、韓国は29,238ドルです。これが2014年から15年の頃に逆転をしています。

日本の平均年収がなぜ上がっていないのか。労働生産性が上がっていないからです。労働生産性は今やOECD加盟38か国中28位で、G7のメンバーの中でも最下位です。人口がG7の中では多い方ですので、それでリカバーしているようなもので、もう経済大国ということが言えるような状況ではありません

政府は「成長と分配」と言って、しきりに経済界に労働者の賃金の引き上げを要請しています。その理屈は、企業が分配を多くすれば、可処分所得が増え、消費が拡大し、企業の収益が拡大して成長できるはずというものです。コロナの時も一時給付金を支給したりしていましたが、分配すれば成長するだろうという考えに基づくものです。

物事の順番を考えれば、逆です。まず、いかにして成長させるかということを考える必要があります。そのためには、付加価値をいかに多く生み出すかが重要なのです。原料価格から製品価格を差し引いた額が付加価値となります。そして、製品が高度で希少性があればあるほど付加価値は高くなります。そのように付加価値を高めるのは、人財力(人材力)です学校教育、社内教育、再教育を含めて、ありとあらゆる人材育成が付加価値を高めることになります。そのシステムが日本では遅れているということです。

その中で問題なのは学校教育だと思っています。そのことについては、機会があれば書きたいと思います。

(「プレジデントオンライン」)

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