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日本の憲法は、地方分権を認めていない ―― 武蔵野市住民投票条例否決される / 多様性と選挙権は関係ない

「武蔵野市の住民投票条例が話題になっているのですが、ご存じでしたか?」

女性

「この前、テレビで報道されていましたね。委員会採決で3対3になって、最後は委員長採決で通ったと言っていました」

「本会議でどうなるかということですが、今日の10時から議事が行われる予定です」

女性

「一番の争点は、やはり日本人と外国人を区別しない投票制度でしょうか?同じ地域に住んでいるので、仲良くやれば良いとは思いますけどね」

「投票権を与えることと仲良くするということは、別にセットで考える必要はないと思います」

女性

「女性の市長さんですよね。確か、テレビで国籍に関係なく意思表明をして欲しいということをおっしゃっていたと思います」

「外国の人たちの意思を汲み取るのは大事なことだと思います。ただ、大上段に構えて投票によって彼らの意思を推し量らなくても、外国の方に対する住民サービスを拡充すれば良いと思います」

女性

「最近は、外国の方も増えていますよね。他の地域で先進的な取り組みをしている所がありますか?」

「新宿区は人口の1割が外国人なんです。あそこは、外国の方専用の住民サービスを行っていて、日本での生活に不便がないように対応しています」

女性

「成る程、そちらの方が、何か現実的なような気がしてきました」

「投票というのは、白か黒かどちらかですからね。ある問題で日本人と外国人の意見が大きく分かれるということが出ないとも限りません」

女性

「そうなると、却って条例を作ったことが裏目に出てしまうということですね」

「投票権というのは、最後の手段だと思っています。そういうものに頼らないで、住民の意思を絶えず掴んで行政に反映させるという心構えが必要です。選挙の時だけ、住民の意見を聞けば良いというものではありません」

女性

「ここからが本論です ↓」

 日本の憲法は、地方分権を認めていない

憲法は、その第8章に「地方自治」についての規定を設けています。第9章が改正条項ですので、実質的には一番最後に「地方自治」の規定を持ってきています。憲法や法律は重要な内容から順番に並べますので、憲法の位置付けはあくまでも中央の政治の補完的な役割ということで「地方自治」を位置付けたということが章立てを見ただけで分かります。

そのため、第94条に「法律の範囲内で条例を制定することができる」と規定されています。つまり、この規定によって日本は地方自治は認めるが、地方分権は認めていないということが分かります。地方自治体が勝手な条例を作ることは原則的にできないと憲法は言っているのです。武蔵野市の住民条例が憲法違反の恐れがあると言っているのは、こういうことです。多様性云々というより、日本の基本法である憲法の趣旨に反する条例は、制定してはいけないのです。アメリカのように地方分権の国にしたいというのであれば、憲法を改正する必要があるのです。

 

 住民とは、日本国民を指すという最高裁の判決がある

「住民」という言葉を、憲法はその第8章で使っています――「地方公共団体の長、その議会の議員及び……、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」(第93条2項)。そして、この住民について地方自治法は「日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する」(第11条)としています。外国から日本に来て、どうしても選挙権が欲しいと思うならば、日本国籍を取得すれば良いだけの話です。外国籍の人に、どうして日本の選挙権をあたえなければいけないのか、必然性が全くありません。

さらに、1995年2月28日の最高裁の判例があります。そこでは「住民とは地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当である」としています。当たり前の判決だと思います。ただ、このような判決があるということは、当たり前のことを当たり前と思っていない人がいるということです。国籍の人は本国の選挙で権利を行使できるので、最終的にはそこでバランスはとれるのです。

(「nippon.com」)

 「多様性」を切り札のように使ってくる風潮がある

昨今の野党の方たちの言説を見ていると、彼らは何かと言うと「多様性」ということを切り札的に持ち出す傾向があります。共産党まで「多様性」ということを言います。松下玲子武蔵野市長の言葉です――「性別や年齢、国籍、障害の有無にかかわらず、多様性を認め合い、誰もが安心して暮らし続けられる支え合いのまちづくりを目指す」(『産経』2021.12.12日付)。

(「新宿区 Shinjuku City-HOME」)

「多様性」を言えば、すべて許される訳ではありません。そして、松下市長は大いなる勘違いをしています。選挙というのは、最後の切り札だからです。切り札の一部を外国人に与えるというのが、今回の措置です。外国人の中には、善意の人もいれば、中には日本の領土を狙っているという悪意の人もいるでしょう。太平天国の時代に生きている訳ではありませんので、その位の警戒心は当然必要でしょう。そのような危険性を考慮して、本来は選挙権を与えて解決するという発想ではなく、外国の人の多様な要求を受け止める行政組織と多彩な行政サービスを用意すれば事足りると思います。

ましてや、条例案によりますと、3か月以上住んでいれば投票権を得られるとのこと。留学生もOKとなります。他国から来てまだ3か月、日本語はおろか、右から左まで分からないことばかりでしょう。その方たちが投票権をきちんと使えると思う方が愚かです。どう考えても乱暴な考えです。

新宿区は人口の1割が外国人ですが、定期的に外国の人たちに集まってもらって、そこに区役所の職員が入って意見交流をしているそうです。そういう形であれば、まさに彼らの多様な意見を聞くことができますし、それは区全体の住民にとってもプラスだと思います。

武蔵野市議会の良識に期待したいと思っています。

(「新宿区外国人向け生活情報ホームページ」)

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