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『財務省バカの壁』を読む ――  財務省は日本のディープステート / 「ザイム真理教」(森永卓郎)になった瞬間に日本の成長が止まった

「元大蔵省のキャリア官僚の高橋洋一氏が『財務省バカの壁』(祥伝社、2025)という本を出しています。それを話題の材料にしたいと思います」

女性

「老婆心ながら、「バカの壁」なんて表題をつけて大丈夫ですか?」

「少し品がない感じがしますが、高橋氏に言わせると、バカと表現するしかないということです」

女性

「最近、心なしか財務省を話題にした本が多く出されるようになりました。これは何か原因があるのですか?」

「財務省解体デモも継続して行われているようですね。何と言っても、財務省が日本のディープステート(闇の権力者)であることが、ようやく分かってきたところだからです」

女性

「ただ、俄かに信じがたい気がしますけど……」

「教科書には三権分立と書いてあり、国会が「国権の最高機関」(第41条)と習ってきましたからね」

女性

「実際には、そうではないと……」

「高橋氏は大蔵省のキャリア官僚として、安倍元総理をはじめ多くの首相たちとも接してこられた方です。貴重な証言が多く入っています」

女性

「会社にも影のトップがいることがあります。そういうことですか?」

「建前と本音という言葉もあります。日本は表裏のある社会になってしまったということです」

女性

「ここからが本論です ↓表紙写真は「メルカリ」提供です」

 財務省は日本のディープステート

「岡目八目」という言葉があるように、渦中にある者には、その置かれた状況を客観的に把握するのは意外に難しいものです。だから、スポーツの世界には必ず監督やコーチがいます。一流選手と雖も、自分のフォームや状態を客観的に把握するのは大変難しいからです。

日本の権力機構について、高橋氏は、あるアメリカ人から「財務省という立派なディープステート(闇の権力)があるではないか」と言われたそうです。その言葉に、高橋氏は「ハッ」と気付いたのでしょう。そして、改めて『安倍晋三回顧録』を読むと、そこには財務省との激しいバトルが書かれていたことに気付き、核心を深めていったのだと思います。

例えばということで紹介されているエピソードとして、消費税10%引き上げを目論む財務省に対して安倍総理がそれを延期しようとした時です。2019年当時のことです。財務省は首相の座を引きずり下ろすことまで考えたとのことです。それも含めて、『回顧録』の中には「財務省」という言葉が71か所使われていたそうです。故安倍晋三氏の問題意識の中で、大きな部分を占めていたのが財務省であったことは確かです。

(「You Tube」)

 巨大な権限を与えれば政治的な一大勢力となる

問題はなぜ、そのような権力を有する組織にまで「成長」したのかです。一朝一夕にそこまで成長した訳ではありません。戦前の大蔵省の時代にまで遡る必要があります。明治の藩閥政府は富国強兵政策を採りました。その政策遂行に必要な省庁として1869(明治2)年に大蔵省、1871年に文部省、1872年に陸軍省と海軍省を創設します。真っ先に大蔵省をつくりますが、重要な省庁と認識していたことは間違いありません。

軍隊が戦争を遂行するためには、軍事費が必要です。必要と思われる予算を確保できる位の強い権限を持った「金庫番」が必要です。予算編成権、予算配分権、国税調査権の三権を大蔵省に与えたのです。これがそもそもの始まりです。ただ、こう書くと、それはどの国もそうなのではと思うかもしれません。結論から言うと、これだけの権限を一つの省庁に集めているのは日本だけです。

例えば、アメリカでは徴税権は内国歳入庁(IRS)が担当し、予算編成は大統領府の行政管理予算局(OMB)が担当し、議会が修正・可決、各省庁が配分・執行し、議会が厳格に監視しています。行政の権限についても、権力分立の考え方を貫いているのです。また、ドイツでは、徴税は連邦と州が共同で行い、予算編成において財務省案を作成するが、連邦議会で修正・可決します。さらに資金配分も連邦と州の協議によって決定されるというように、地方分権が強く、中央の財務省が一元管理する体制にはなっていません。本来は、こういった海外の動向について、新聞各紙が報道して、日本の状況はある意味異常であることをインフォメーションする必要があるのですが、『産経』、『朝日』など新聞各紙の政治的スタンスに関係なく財務省の「ポチ」になっていて、財務省に不都合なことを報道しないのです。

(「マネーポストweb」)

 「ザイム真理教」(森永卓郎)になった瞬間に日本の成長が止まった

財務省の取っている行動で一番の謎は、増税、緊縮路線をこの30年続けてきたことです。高橋氏の本を読むと、齋藤次郎という方が大蔵事務次官に就任したことを期にそのような路線をとるようになったとあります。齋藤氏は大蔵省の天皇のような人物だと書いてあります。そして、その力は総理大臣を凌ぐとも言われていたそうです。明治以降、日本は表裏のある社会に移行してしまいました。当然、そういうことはあるでしょう。

要するに、その方の就任以降、財務省は「増税、緊縮路線」を鉄の掟にするようになったということです。「ザイム真理教」(森永卓郎)になった瞬間だったのです。その際の理屈が、財政再建です。日本は借金大国なので、財政再建を第一課題にすべきというものです。それに対して、高橋氏はプライマリーバランス(「PB」)を見なければいけないと言います。確かに、日本は借金も多いが資産も併せて見ることによって、正確な財政状況が分かると言います。最もな主張だと思います。ただ、高橋氏はこの「PB」の数値を公表したため、大蔵省内で目の仇にされるようになったと言います。自分たちの論拠が崩されると思ったからでしょう。

彼の本の中には「PB」を説明したページがありませんので、具体的に話をしたいと思います。例えば、ある会社が1000億円の融資を受けて事業拡大をしたとします。会社所有の土地や建物、工場など合わせて500億円の資産価値があるとします。500億円のマイナスが「PB」による数値となりますが、こんなことは企業経営ではよくあることです。1000億円の融資を返すまで新規融資を申請しないというのが財務省の考えです。ただ、ビジネスチャンスがあれば、さらに1000億円の追加融資を受けて事業拡大する判断も必要です。それが大きな利益に結び付くからです。要は、その判断が重要ということです。

紙数が尽きました。次回、この続きを話したいと思います。

(「毎日新聞」)

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