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なぜ、日本経済に勢いがないのか ―― 経済のグレートが高くなっているのに、旧態依然の考え方でいるため

女性

「2022年は景気が良くなり、株も上がると言っていたのに、今日は800円も下がってしまいました」

「株を買った途端に、そういうニュースに敏感になりましたね」

女性

「コツコツ貯めたお金、10万円を清水の舞台から飛び降りる覚悟で投資しましたからね」

「今年の日本はボックス相場、アメリカは右上がり、中国は横ばい、下手をすると下落と見ています」

女性

「ボックス相場というのは、上がったり下がったりしながら結局、元の所に戻るというやつですか」

「そうですね。上がる理由がないからです」

女性

「昨日のNHKニュースでは、大企業の社長さんにインタビューをして取った今年の景気の見通しのアンケート結果を発表していましたが、殆どの人が期待が持てると答えていましたけど……」

「経済は政治と違って、人間の思惑とは関係なく動きますので、そこは注意をした方が良いですよ。そして、社長さんなので、希望的観測というのがどうしても出てくると思います」

女性

「えっ、そういうことですか!  ところで、上がる理由がない、とおっしゃったのは、どういう意味ですか?」

「株が上がるためには、当たり前ですが資金が日本の株式市場に流れる必要があります。ところが、資金というのは国境を越えて自由に移動します。投資家から見て、アメリカや中国、さらにはEUよりも日本市場に魅力を感じなければ、資金は日本の株式市場に向かわないのです」

女性

「アメリカの株式市場は上がり続けていますよね」

「日本の資金がアメリカにかなり流れているからです。中国から逃避した資金も流れていると思います」

女性

「えっ、そうなんですか! そんなことニュースで言っていませんよね」

「そこにはいろいろな思惑もあると思いますし、それを流せばそういう動きが加速して、さらに円安が進むことになります。そうなると、食料の多くを輸入に頼っているので、益々物価は上がることになります。そうなれば、政情不安が起きます」

女性

「ここからが本論です ↓」

 なぜ、日本は高度経済成長を達成できたのか

話を分かりやすくするために、日本の経済をスポーツに例えてみたいと思います。スポーツに於いて、試合に勝つという最終目標を達成するために、日々の練習やトレーニングをします。それでは、練習とトレーニングをしていれば、それで試合に勝てるかと言うと、それは誰もが行っているので、それだけでは無理です。それでは、人より多く時間的な努力をすれば良いのではないかと一瞬思うかもしれません。試合のレベルが低ければ、それでも勝てます。日本が20世紀の後半に高度経済成長を達成できたのは、当時の世界経済のレベルが低かったからです。「モーレツ社員」という言葉が生まれたように、当時の日本人は働きまくったのです。その時の感覚を現在も引きずっているようなところがありますが、それだけでは、もう今は勝てません。世界のグレートが高くなっているからです。

(「三井住友トラスト不動産」/高度経済成長期の銀座)

 試合のグレートが高くなっているのに、旧態依然の考え方でいる

例え話をさらに続けたいと思います。試合のグレートが高くなれば何をする必要があるでしょうか。練習時間を可能な限り増やしても、ライバルとの差は逆に開いていしまう一方という状況であれば、トレーニングと練習の質を高めることを普通は考えるでしょう。量でダメなら、質で勝負、内容で勝負ということです。そんなの当たり前の考えと思うかもしれませんが、日本の経済はその考え方にまだ至っていません。

今の状態は、今まで練習をしていれば勝てたのに、最近は練習しても勝てない、おかしいな、何故かなと、ようやく考え始めた段階です考え始めただけで、原因究明に至っていません。その一方で、自分たちの弱点を克服して世界市場で勝負をし始めたかつての弱小と思っていたチームに負け始めています。その状況を見て、少し焦り始めたというのが今の状況でしょう。本人は何故こうなのかという理由が殆ど分かっておらず、暗闇の中を走っている感じです。

ただ、日本は皇統という軸がありますので、フォームはそれなりにまとまっています。もっとも、それを変えて新しいフォームの方が良いのではという悪魔のささやきが心の奥底から聞こえることがたまにあります。そら耳だと思って、無視するのが一番良いでしょう。とにかく、全体的に練習もトレーニングも行っていますが、非常にアバウトです。そして、肝心の試合の時は戦略がありません。行き当たりばったりで戦っているようなものです。これでは、レベルの高い試合では勝ち抜くことはできません。

(「スポリート」)

 練習段階から精密な身体を作っていくことが必要

世界の最高峰にチャレンジする。言葉では簡単ですが、誰もが到達していない峰に行くためにはどのような身体の部位を鍛え、どこに力を配分して、どのようなイメージをもってなどと多分いろいろ考えることがあると思います。先日、羽生結弦選手が出場して優勝した大会がありました。テレビのカメラは、彼の練習から試合前の気持ちを集中させようとする彼の様子を捉えていました。すべてが上手く揃わないと結果を出すことは出来ない、ということを一番知っているのは彼です。

トレーニングは何のためにするのか、何のための練習なのか、もちろん結果を出すためです。自由競争社会の中で我々は生きています。そこから逃げることはできません。常に、相手がいるということです。勝負なので、それに勝ち抜くためには、自分の身体をまるで精密機械のように見立てて、作り込んでいく必要があるのです。

まずは形が大事なのでフォームを作ります。フォームを安定させるためには軸が必要です。さらに、重心をどこに持っていき、インパクトの時の筋肉の働きを最大限発揮するためには、どのようなトレーニングが必要なのか、それをどのような割合で行なえば良いのかということを精密に割り出していきます。

(「Ameba」)

 世界の市場経済のグレードが上がっている――人材育成を中心に精緻な計画が必要

羽生選手を持ち出して、日本経済の状況を説明しようとしているのですが、日本の政府主宰で「新しい資本主義」の会議を開催し始め、その分析に入ろうとしているところです。

分析するためには、項目を立てなければなりません一番重要な項目は、人材の育成です成長するためには、成長の原動力を育てなければなりませんそれがすべてのエネルギー源だからです。ただ、人材を項目には入れているのですが、大学、社会人しかその範疇に入れていません。試合のレベルが高くなっているので、3才,4才、少なくとも小学生といった早いうちから将来の選手になるような子供には英才教育を施すくらいの気持ちをもって態勢づくりをしなければならないのですが、のんびり大学からと言っているようではダメです。後は推して知るべしという状態なので、見る人が見れば、これでは試合に勝てない、日本国という馬券は買えない、「アメリカ馬券」を買った方が勝てるだろうということで、資金がアメリカに流れてしまうのです。

コロナ対策とかでカネをバラ撒いても、景気回復の足しにもなっていないということはそういうことなのです。頭とカネは使い方が大事なのです

(「ネット競馬」)

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