「上皇さまが88歳の米寿ということで、お元気そうで何よりですね」
「ちょうどタイミング良く、昨日、安定的な皇位継承策を議論する政府の有識者会議の報告書が出されました。上皇さまも少し安心された内容になったのではないかと思っています」
「今までは、女性天皇、女系天皇という話題も出ていたと思いますが、今回はどうだったのですか?」
「新聞記事しか読んでいませんが、原点に帰って、男系継承を確認し、皇統を安定的なものにするための方策については、今後の課題としたようですね。とにかく、皇室典範に皇位継承について定めがあるので、それを守ろうという前提で議論が進んだのでしょう」
「皇室典範(第一条)は、男系男子としているので秋篠宮さま、悠仁さままでは決まっているわけですよね」
「そうですね。だから、女性天皇、女系天皇という話題は出る余地がないのです。とにかく約2000年、126代続いた皇統を守る、これは日本の文化でもあり、伝統なので何とか叡智を結集して安定的な皇位継承ができるようにして欲しいと思っています」
「男女平等の時代なので、男系にこだわらなくても良いのではという意見もありましたよね」
「今回は、それを完全に排除したところに意義があると思います。男女平等が絶対的なモノサシではありませんし、逆に途中から違うルールになれば皇統そのものが変質してしまいます」
「そうなると、伝統とは言えなくなりますものね。小室さんがらみの一騒動で女系ではダメだろうという世論が作られたのも、大きいと思っています」
「場合によっては、小室家が天皇家になるということですからね」
「女系というのはそういうことなんだと具体的にイメージ出来たのが大きかったと思います。私でも良く分かりました」
「そういうことですね。ただ、日本の場合はもともと家制度があった国です。天皇家に限らず、どの家も家名と財産を守るために男系を維持することに腐心してきた歴史があるのです。養子制度は、そのための手段ですし、一つの知恵ですね」
「今回は、それを利用しようということでしょうか」
「それも含めていろいろ検討することになると思います」
「大きな家には大きな風が吹くと、ウチの父はよく言っていましたが、そういうことですね」
「守るべきものが大きいと、安易な考えに飛びつく訳にはいかないということです」
「ここからが本論です ↓」
日本の歴史は、皇統とともにある
中国や韓国になくて日本にあるもの。それは何か、皇室制度です。大陸や半島の歴史を調べれば分かりますが、多くの王朝が勃興して栄枯盛衰の歴史を刻んでいます。中国4000年の歴史と言いますが、血で血を争う歴史でした。権力をとった瞬間に、前の政権である王朝関係者を全員殺すのが常でした。女も子どもも関係なく根絶やしにします。そのため、途切れた歴史はありますが、日本のように一つの線で繋がった歴史は大陸にも半島にもありません。
今まで守ってきた一つの線を、これからも日本人の叡智を結集して守っていくことが大事だと思います。それが出来れば、日本という国は世界の中で生き延びていくことができます。逆に、従来引き継がれてきた皇統が守れないような事態に陥った時は、この国の命運が尽きる時だと考えて良いと思います。
だから、逆に日本という国を潰したいと考える場合は、天皇制の弱体化ないしは無力化を図りつつ、最終的になくすことを画策するでしょうし、野党の中にはそういうことを頭にインプットして行動している政党もあります。
(「産経ニュース」)
日本国憲法の前文に、日本の歴史を書き込む必要あり
衆議院選挙で憲法改正の審議すら拒否していた共産党と立憲民主党の両党が議席数の上で後退するという結果を受けて、憲法改正に向けて国会が動き始めました。現在の憲法に対して、いろいろな意見があると思います。9条改正からはじまって、緊急事態条項の設置、改正条項の条件変更など、いろいろありますが、一番重要なのは前文だと思っています。意外に盲点となっているのではないかと思いますが、ここに日本の歴史をきちんと入れる必要があります。ちなみに、今の前文は9条を制定するための言い訳文章となっています。
言い訳文章なので、当然もうすでに効力を無くしています。と言いますか、もともと現在の前文は歴史的に制定された権利文書の中心的部分をとって継ぎ合わせたようなものです。そんなものを後生大事にして守る必要はありません。
(「Yahoo!ニュース-Yahoo ! JAPAN」)
日本はシラス国である
明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏が『天皇の国史』(PHP研究所、2020)を出版しています。その冒頭を紹介します――「日本は天皇の知らす国である。『日本とは何か』という問いに真摯に向き合うと、自ずとこの答えに辿り着くのではないだろうか」
「知らす」というのは、日本独特の統治の考え方です。力で統治をするのではなく、権威というか人の魅力という目に見えない力による統治を言います。明治時代に大日本帝国憲法の原案を考えた井上馨が考えた条文が「日本帝国ハ万世一系ノ天皇ノ治(シラ)ス所ナリ」だったのです。「治(シラ)ス」と漢字を当てはめたとろで、この言葉は西洋法学にないということで、これが「統治ス」に変わったのですが、意味を変えた訳ではないことは伊藤博文が『帝國義解』の中で「シラスとは即ち統治の義に他ならず」と言っていることからも明らかです。
権威と権力を分離した上で、両者の緊張関係の上に立って国を統治するという日本独特のシステムを確立したのは天武朝の頃です。その原理を『古事記』に神話のかたちで組み込ませて、当時からすれば国家機密扱いとしたのです。
何故、権威と権力を分離する必要があったのか。多分、中国王朝の勃興史を丹念に研究したのだと思います。権力を持てば必ず標的にされ、最後は打ち滅ぼされます。そして、その瞬間に今までの歴史と文化が葬り去られます。これでは意味もないし、戦乱の時代が半永久的に繰り返されてしまう。聖徳太子が説いた和の国家を実現するためには、どうすればと考えた結果が、権威と権力を分離するという現在のシステムの原型に思い至ったのです。
ちなみに、「統治」を天皇主権という言葉で置き換えて、戦前の日本を天皇が支配した時代と言って革命を言い出したのが共産党です。本質的には、現在と何も変わっていませんが、正面から天皇制反対とは言えないので、男女平等という屁理屈を使って女系天皇でも良いだろうと言っているのです。
(「日本の叡智を日常に/ほっしーの日本人の誇りをもつ旅路」)
読んでいただきありがとうございました。
よろしければ「ブログ村」のクリックをお願いします。
↓