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平等について考える ―― 日本的な公平の考え方と西洋の平等観(ジェンダー平等)が混然一体となっている / 憲法論議が必要

「朝のNHKで各党の政見放送を見ていたのですが、映像をふんだんに採り入れて昔と随分違った作り方をするなと少し感心して見ていました。かつては、立候補者が画面に向かって淡々と喋って終わっていましたからね」

女性

「私も見てますけど、もう少しショー的な要素を入れても良いかなと思いました」

「ダメダメ、そんなことしたら、何が何だか分からなくなるじゃあないですか」

女性

「俳優やアニメを登場させて、歌って踊ってというのもアリですか?」

「そんなもの流したら、みんながアリって思うでしょ」

女性

「(カクッ)。維新は吉村大阪府知事を前面に出して、政策をアピールしていましたよね。私は知らなかったのですが、維新の副代表なんですね」

「本来は、維新の代表が語るべきではないでしょうか?」

女性

「完全にイケメン効果を狙っているなと思いました。それで、ふと、さっきのアイデイアが出てきたのです」

「私もふと思ったのですが、デジタル投票を考えたらどうかなと……」

女性

「インターネット回線を使って行うのですか? セキュリティーの問題がクリアされれば良いかもしれませんね」

「選挙管理委員会に向けてサイバー攻撃をされたら大変ですけどね」

女性

「いろんな問題がクリアされれば、限定的・試験的に導入してみるのも良いかもしれませんね」

「障害を持っている方、入院治療中の方に喜ばれると思います。ただ、本人確認の問題が最後の最後に残りそうですね」

女性

「もし、上手くいけば、世界で最初のデジタル投票を導入した国となりますね」

「将来的には、国民全員デジタル投票ということもあると思います。投票日と投票時間帯を決めておいて、一斉に送信してもらうのです」

女性

「不在者投票はなしですね」

「ありません。その時間帯に投票するかしないかです。確認のメールを送って、本人確認とするのです」

女性

「実際に出来れば、時間と労力と費用の節約にはなりますよね。ここからが本論です ↓」

 

 自由、平等は近代ヨーロッパ世界が生み出した言葉―― 政敵を攻撃するために編み出された概念

選挙になると、耳障りの良い言葉が飛び交います。普段、何のあいさつもないのに、急に候補者が出てきて、一票のお願いのために街頭演説をする姿が散見されるようになりました。選挙前になると、急に主権者になったことを意識します。

選挙の時に、自由、平等、立憲主義といった言葉が目に付くようになりますが、これらは近代ヨーロッパ世界が生み出した言葉です。実際には、政敵を攻撃するために編み出された概念です。歴史的に見ると、国民をある一つの方向にまとめたい時に編み出された言葉だということが分かります。

時代的には17世紀から18世紀の市民革命期に成立します運動の方向性を指し示す言葉なので、目標ではありません。つまり、自由、平等の国を作ろうという使い方は間違っているということです。これらの概念は、ゴールインを意味する言葉ではなく、実際に自由で平等の国が実現されることはないからです。限りなく近づくことは出来るかもしれませんが、目標に到達することはありません。

そういう意味では、一般的に使う「幸せ」と同じ性質をもっているかもしれません。何が幸せなのか、具体的にどうなると幸せなのかは説明できません。主観的なものだからです。歌ではありませんが、裸電球、一間の下宿でも幸せを感じることができるのです。

(「netgeek」)

  平等とはゴールを指し示す言葉ではなく、方向性を示す言葉

平等ということについて、具体的に考えてみたいと思います。ちょうど昨日(10/22)のNHKで夜の7時半から30分間「ネタドリ」という番組で、都立高校の男女別の定員制についての問題を取り扱っていました。男女の定員を同数にしているため、合格最低点が男女で異なります。それが1、2点程度なら大きく問題とならなかったのでしょうが、ある高校では男女間で15点の違いが出てしまって、女子が入学しにくいという実態が明らかになったのです。

男女同数なので、数の上では平等です。点数で見ると不平等ということです。番組は生放送で視聴者からの意見を同時募集して随時画面で紹介をしていました。あくまでも私の感想ですが、点数を同じにするべきだという声の方が多かったと思います。つまり、人数より能力で平等化を図るべしという声が大きかったということです。

ただ、この制度はもともと女子の人数を一定程度確保したいというところから始まっているそうです。戦後間もない頃は女子の点数が低く、女子の救済ということで男女別定員制度が始まったそうです。その時は、男子の方が差別を受けていたと思うのですが、何も声が上がらなかったようです。

そして、今回、女子が入れなくなった状況が広がって、問題視する人が増えたということです。女子は守るべき存在という意識がどこかにあるのかもしれません。

ただ、今の社会の流れは、能力というより人数で決めるべしという方向に傾いています。だから、女性管理職を20%以上というように、人数優先の風潮があります。

少し話が長くなりましたが、平等と言っても切り口によってはいろいろな平等があるということです。都立高校の入試ですらと言うと怒られるかもしれませんが、これで30分の番組が出来てしまい、様々な意見が飛び交いました。このように、実社会で平等と言い始めたら、際限なく半永久的に議論が続きます。ということは、平等はゴールを指し示す言葉ではなく、方向性を示す言葉であることが分かります。それも含めて、近代市民革命期に西洋で作られたイデオロギー関係の用語は為政者を攻撃する時の言葉であり、あくまでも社会の方向性を示す言葉なのです。

(「毎日新聞」)

 なぜ福沢諭吉は「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」と言ったのか

平等という言葉のもっている攻撃性を感じた福沢諭吉は、それをそのまま当時の日本に紹介するのではなく、「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」という言葉で説明しました。

(「NHKオンデマンド」)

身分制封建社会の残滓(ざんし)が社会の中に残っている状況で、平等をそのまま説いても国民は理解できない、下手をすると社会秩序を乱す言葉になる恐れがあると感じたのでしょう。危険性を取り除きながら、国民にも分かるように社会の新しい方向性を示すものということで、考えた末に導き出した言葉だったのです。

今回の選挙でジェンダー平等を公約として掲げている政党があります。男女平等のことですが、「男女」と書くと、男が先に書いてあり熟語自体に差別感があるということで、ジェンダー平等という言葉が日本でも一般的に使われるようになりました。ただ、言葉にはその時代背景や思想が込められていることが多いので、単純に翻訳すれば良いのかという問題が生じます。

日本は、家族主義的な考え方で国づくりを進めてきた国です。男女平等も、その視点から考えたのです。どういうことか。もともと男女には身体的な違いがあり、そこから派生して様々な違いがあるので、完全に同じように扱うのではなく、役割分担の中で公平ということを考えようとしたのです。結婚した男女が家庭をもちますが、家庭も一つの組織ですので、どちらかを家の代表者として決める必要があります。家庭が生産と子育ての単位なので、どちらかを専念させた方が能率的かつ合理的と考えました。これが日本的な平等の考え方の出発点です。平等ではなく、公平という考え方です。つまり、個々具体的な場面を基準にして同じということではなく、公つまり社会的・俯瞰的な視点から公平に扱うことを考えたのです。そして、その家に緊急事態が発生した場合は、男には命をかけて家と家族を守る責任を求めたのです。

(「www.eqg.org」)

 日本的な公平の考え方と西洋の平等観(ジェンダー平等)が混然一体となっている

現代に入って、日本的な公平の考え方と西洋の平等観(ジェンダー平等)が混ざってしまって、どちらで判断して良いのか、社会全体が混乱しているような状況があります。

ジェンダー平等に関連して、ネットの投稿を紹介します――「中2男子です。 最近ジェンダー平等が謳われているじゃないですか。なのに学校では男子の方が不利なことが多いです。体育の実技テストでは待機場所が女子は日陰の場所で扇風機があり、男子の場所は日があたって暑く、扇風機もありません。なのに女子と男子の場所が反対になったら女子は文句ばっかり。挙句の果てに女子がこっちに来て男子は追い出されました。意味分かりません。使う道具も男子は古いもの、女子は新品です。謎すぎる。たまにジェンダー平等についての本を読むのですが、基本的に「女性の地位を上げる」という内容です。そこまでして地位を上げる必要ありますか?性別が違うので平等は無理だし、どれだけ地位を上げても結局反対意見はでると思います。」

この生徒の学校の先生は日本的な公平観にもとづいて生徒を指導し、この生徒はジェンダー平等の考え方に立って考えていますお互い違うモノサシで考えているので、こういった不満が出て来るのです。

ジェンダー平等法ということを言っている政党がありますが、実はそんなに単純な問題ではないのです仮に国全体として、「平等」ということを決める場合は、憲法論議をして最終的に憲法に明記する必要があります。モノサシを一つにしなければ、国民生活の様々な場面で不公平感が出て来るからです。

(「日テレNEWS24」)

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