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「金」価格が上昇トレンドに ―— 世界の金融不安、世情不安を反映 / 各国の中央銀行も「金」の購入に向かっている

女性

「早いもので、オリンピックはもう閉幕なんですね」

「今回も多くの日本人が活躍しましたね」

女性

「金メダル20個は世界で3番目だそうです」

「人知れず地道に努力している人が多いことが分かりました」

女性

「素朴な疑問ですが、あの金メダルは純金で出来ているのですか?」

「私も興味があって調べてみたのですが、メダルを作成するにあたっての規定が設けられていて、純金を6gだけ使っているそうです」

女性

「ということは、殆んど金メッキということですか?」

「金メダル自体にそれほど価値がある訳ではありません」

女性

「そうなんですね。今は1gが1万2千円位なので、7万2千円ですか」

「そういう計算をするのは、はしたないこと。メダルを取ったということ、記録を出した、出場したということに価値があるのです」

女性

「そうですね。ただ、せっかくですから金のことを話題にしたいと思います」

「このブログで5月に金について扱いましたけどね。それ以降も歴史的上昇が続いているので、再び話題にしたいと思います」

女性

「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「東証マネ部!」提供です」

 「金」は普遍的な輝きを持つ

金は酸化しにくいため、何年経っても、その輝きを失うことがありません。江戸時代の中期に、福岡県の志賀島で農作業をしていた農民が偶然に金印を掘り当てたのですが、覆っていた土を落としたところ、金色に輝いていたので、すぐに本物と分かったそうです。

金印は漢の国から頂いたものだと後から分かりましたが、そうすると紀元1世紀頃のことですので、1500~600年位経っているはずです。土の中でそれだけ長い間埋もれていても、ほとんど平気であるという。そういう金属は金くらいのものでしょう。

人類が金を採掘し始めたのは、今から約6000年前と言われています。その間に採掘された金の総量は約17万トン。そしてWGC(World Gold Council:金産業の国際貿易協会)の調査によると、地球上に残る未採掘の金の埋蔵量は残り約6万トンとされています。地球の地下の埋蔵金は、あと20年の採掘で全て掘り尽くされてしまうと言われています。文字通り貴重な金属なのです。

(「ファミリーオフィスドットコム」)

 「金」は国際通貨

金は装飾用として使う原料でもあり、価値保存機能を有する国際通貨でもあります。ただ、国際通貨と言っても、持ち運びに大変な手間暇がかかりますので、流通性はかなり悪いです。

世界の商取引において、主に使われている通貨は何と言ってもドルです。全体の4割近くがドルで決済されています。その次がユーロ、イギリスポンド、人民元、そして日本円です(2024現在)。ちなみに人民元の決済率は4%くらいです。

国際通貨というものは存在しませんので、経済力の強い国の通貨を国際通貨の代わりに使用しているのが現状です。そうすると、当然のように価値が変動することになります。例えば、貿易で得た黒字をどのような通貨で持つのかという問題があります。金融当局者の頭を悩ませる問題です。使い勝手が良いドルで持つのが常道ですが、アメリカ経済に不安材料がある場合は、金保有に走ることがよくあります。

(「一般財団法人 日本経済研究所」)

 世界の世情が不安定さを増すに従って「金」は購入される

金の最大の生産国でもあり、消費国が中国です人民元で持つより、金で持った方が安全ということで、庶民の間で金投資が流行っているそうです。投資と言っても、1粒1グラムの「金豆」を購入するのです。1か月に1粒という可愛い投資ですが、中国の若者の間で流行っているそうです。

金融商品や貴金属は値上がりし始めると人気が出るというのがセオリーです。金の価格の上昇率は昨年比で18%でした。世界のどの株式市場の上昇率よりも高いのです。日本でも金が上がり始めた今年の3月以降、貴金属のタナカ銀座店前には開店前に10数人が並ぶようになったと言います。

今は金価格が上昇トレンドに入っていると言われています。裏を返せば、世界経済全体が乱気流に入り始めたということなのかもしれません。ここ最近の日米の株式相場の動き、さらには日本の為替相場の急変動、そのような動きを嫌って金を購入する動きが全般的に強まります。8月初めに1トロイオンス(約31g)2500ドル台に乗りましたが、世界全体が富の保全に向かっているため、今後しばらくは金価格は上がると予想されています。

世界の中央銀行による金の購入は2022年が1082トン、昨年が1030トンというように、2年連続で1000トンを超えましたが、このようなことは過去には例がありませんでした(下のグラフ参照)。かつて中央銀行による金の購入がさかんに行われていた頃はいつなのか調べてみると、戦後すぐの時期から1960年代の半ば頃まででした。第二次大戦は終わったものの、朝鮮戦争や中東戦争、中国革命など不安定要因が増大した時です。だから逆にソ連が崩壊して、冷戦構造がなくなり、世界全体に融和ムードが広がった1990年代から2000年代の初めの頃は金が大量に売られています。そして、2010年を境に現在に至るまで、金が再び購入されるようになったのです。

参考記事: 亀井幸一郎「金 歴史的大相場」(『日本経済新聞』2024.7.23日付)

(「日本経済新聞」)

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