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危機意識が国民の能力を伸ばし、国を発展させる ―― イスラエルに学ぶ (その3)

女性

「イスラエルでの総選挙の結果が判明しましたね。右派勢力が勝利したという報道がなされています」

「今回の選挙の焦点の一つは、昨年の総選挙で破れて下野していたネタニヤフ氏の返り咲きがなるかどうかというものですが、実現しそうですね。直近約3年半で5回目の総選挙、投票率は71.3%とのこと。国民の関心の高さを伺わせます」

女性

「投票率だけで見ると、日本の倍くらいですね」

「国民の危機意識が高いためだと思われます。対外的な部分と対内的な部分、2つの大きな問題を抱えています。対外的な部分は、パレスチナ問題です。対内的な部分というのは、ユダヤ教内の問題です」

女性

「極右台頭みたいな報道がなされていますよね。右派は何となく分かるのですが、「極右」というのは、具体的には何なのですか?」

「右派はパレスチナに対する強硬派です。極右というのは、「ユダヤ教原理主義」というグループです。ただ、「ユダヤ教原理主義」というのは、私が勝手にネーミングしたものなのでポピュラーなものではありませんが、ユダヤ教の教えを忠実に守ろうという考えのグループです。マスコミは「超正統派」と言っています」

女性

「忠実というのは、具体的にどういうことですか?」

「例えば、ユダヤの教えの中に「安息日」というのがあります。これを忠実に守ろうということで一切の労働をしないのです。だから、エルサレムのユダヤ人街は金曜の日没から24時間商店や公共機関、交通も含めてすべてが止まるそうです」

女性

「そんなこと、エルサレム」

「そういうダジャレは怒られると思います。エルサレムは聖地ですからね。まだ、このブログはメインになっていないので大丈夫ですが、もしメジャーになったら気を付けて下さい」

女性

「すいません、つい……。そういう「安息日」の捉え方はイエスが批判をしましたよね。安息日をどう使うかは、人間が決めれば良いと――「安息日は人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない」(「マルコによる福音書」)」

「イスラム教にも原理主義はあります。そして、実は周りの情勢が不安定になると、原点に戻れということで原理主義の傾向が強くなるのが特徴です」

女性

「逆のような気がするのですが、違うのですね」

「不安定な状況を感じて、原点に回帰しようという動きが強くなるのだと思います」

女性

「右派勢力の勝利は、ある意味必然的だったということですね。ここからが本論です ↓表題写真は『CNN  co.jp』提供です」

 危機感をバネに国家を発展させた

世界で一番頭の良い民族は、と聞かれた時、あなたはどう答えますか? すべての人間の頭脳は同じはずなので、良い悪いという判断など出来ないと答えるのだろうか。それも一つの答えとして正解でしょう。もう一つのアプローチとしては、ノーベル賞を基準にするという考え方です

日本人の成績は立派なものです。2022年までで日本人は28名にのぼります。ただ、2017年までの全ノーベル賞受賞者約900名のうち約200名がユダヤ系の人たちで、彼らが圧倒的に多いのです。ちなみにイスラエルは11名です。ただ、イスラエルの人口は950万人で日本の人口の1/12位です。仮に日本位の人口であれば受賞者は軽く130人位になる計算です。

なぜイスラエル、更にはユダヤ系の人たちの受賞が多いのでしょうか。血統の影響もあるでしょうが、一番の要因は切羽詰まった環境だと思います。その環境が民族に危機感を与え、国民に様々な刺激を与えているのです。戦後の建国までは亡国の民です。自分の能力を最大限生かして身を立てたい、祖国再建のためと思う気持ちが強かったと思います。戦後に何とか建国はしたものの、パレスチナ人との背中合わせの「同居生活」は今後も続くでしょう。そして、周囲を見渡せば、反イスラエルの専制国家が多くあります。この状況で、国力が弱くなれば再び国が無くなることもあるのではという危機感です。

そういった危機感をバネにして国家を発展させてきたのが、イスラエルなのです。

(「梅島の受験対策は英才個別学院梅島校」)

 日本も2度の危機感をバネに飛躍した

実は日本が近現代において社会的に発展したのは、危機感が背景にあったからです幕末の時代は、西欧列強の国々が植民地争奪戦を世界で繰り広げていた頃です。何もしなければ、やがてはどこかの国の植民地として支配されてしまうかもしれない、そういう危機感が急速な近代化を成し遂げる力となります。

その次の危機感は、敗戦です。日本の多くの都市は空襲によって焼け野原になってしまいました。誰もが勝つと信じて戦った戦争に敗け、家は焼かれ、戦前の紙幣は戦後インフレで殆ど価値がないものになってしまいました。列島全体が絶望と喪失感、虚無感に包まれました。もしかしたら、日本という国が無くなってしまうかもしれない、そう思った人もいたことでしょう

その危機感が戦後復興を支え、さらには高度経済成長を実現させます。戦後30年足らずで世界第2位の経済大国にのし上がります。そしてやがて冷戦が終結し、グローバリゼーションの時代に突入します。長い争いの時代は終わり、世界は平和と繁栄を謳歌する時代に入ったと錯覚をします。日本人の多くも錯覚をしました。

平成の30年間は最近になって「失われた30年」という言い方をするようになりましたが、財政赤字だけが増えて、社会的に停滞した時代です。「ゆとり教育」というピントがずれた方針が文部省によって示されたことに象徴されるように、日本全体が気が抜けた時代だったと思います。今、そのツケが回ってきているところです。昨今の円安現象もその一つです

(「FPhime/報道府」)

 立て直しの時代に突入をした

この30年で日本の周辺は完全に「景色」が変わりました。独裁3国がキバを剥いて睨み始めました「近所とは遠く付き合え」は、日本に古くからある1つの教えです。世界を見渡しても、隣国同士仲が良いというのは余り聞いたことがありません。大体、領土問題で紛争を抱えているケースが多いのです。近所だからと言って仲良くする必要は全くないのです。気が合う国、付き合うべき国と親交を深めれば良いのです。人間関係と理屈は同じです。

気が合う国、付き合うべき国としては、アメリカ、オーストラリア、イギリス、インド、台湾、そしてイスラエルだと思っています。

ヘブライ大学のベン・アミー・シロニー名誉教授が「日本人の業績は典型的に達人のものである。ユダヤ人の成功の頂点には天才がいたのである」と述べています。これからの時代は天才をいかに育てるかという視点が教育において重要です。実は、そのテーマでイスラエルは70年研究を重ねています。日本の教育界は形式的平等が先行していますが、21世紀は実質的平等の考え方を採り入れる時代です。イスラエルから学ぶべきことは多々あると思っています。

(「Quizlet」)

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