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岸田首相の所信表明演説を分析する(1) ―— 相も変わらず「経済」が柱 / 積極財政論は国家破綻理論

「国会が始まって約1週間経ちましたが、今日は国政のことを話題にしたいと思います」

女性

「私の最も苦手とする分野です」

「苦手でも、物価の動きや選挙などを通じてそれなりに感じることがあると思います。そういうものから出発しましょうか」

女性

「そうですね。自民党離れが私の中で起きている気がします」

「それはどういう意味ですか?」

女性

「政治関連のニュースで野党の国会議員がコメントすることがありますよね。前は同意することは余りなかったのですが、最近は「そうだ、そうだ」と思う回数が増えています」

「キックバックの問題ですか。私もそう思いますよ。逮捕されないイコール潔癖ではありませんからね」

女性

「お金の問題は皆さん敏感ですからね。そういえば11日の地方選挙、市長選挙だったと思いますが、自公推薦の現職が完敗でしたよね」

「前橋市長選挙ですね。群馬県は保守が強い県ですが、かなりの大差で負けています。私も少し驚きました。京都市は自民が推した候補が何とか勝ったという選挙でしたね」

女性

「自民党推薦だと、今は票が逃げていく気がします」

「京都市の結果を見ると、そう思いますよね。キャリアもあり、実力がありそうな良い候補者を立てたと思います。それでも、共産党候補者と接戦でしたからね」

女性

「ここからが本論です ↓」

 相も変わらず「経済」が柱

先般の岸田首相の施政方針演説、全文が手に入りましたので、分析をしていきたいと思います。まず、項目が全部で8項目あります。中身は担当する官僚の作文ですが、項目の順番については岸田首相の考えに従っていると思います。こういった公的な文書は重要な順番に並べるのが基本です。

彼の真意を探るためにも、8項目を順番に紹介します。1.能登半島地震 2.成果を実感する年に 3.政治刷新本部 4.経済 5.社会 6.地方創生 7.外交・安全保障 8.憲法改正・皇位継承 です。

1番、3番はともかくとして、本来的に6~8を一番前に持ってくる必要があります彼の頭の中は経済しかないようですが、前にも言いましたように、「経済家」とは言いませんので経済を項目として挙げるのは基本的におかしいのです。施政方針の「政」は政治だからです。

(「朝日新聞デジタル」)

 経済を言うなら、財政再建を語るべし

財政再建を言わなくなって、久しいと思います。最近は、マスコミも言わなくなっていますが、借金はいつかは返さなくてはなりません。エコノミストが使う格言の中に「永遠に続くはずのないことには、いつか必ず終わりが来る」というものがあります。今から1/4世紀前に、当時の小渕首相が「私は世界一の借金王」と言ったことがありました。それから現在まで、何ら減らす努力をしていません。当然、今はダントツの借金王です。

財務省の統計データによりますと、2023年度末の時点で1,068兆円の債務残高がありますこの債務は日本の1年間のGDPの約2.5倍です。その他のG7各国は概ね1.5倍程度です。日本だけ突出しています。今後、少子高齢化社会がさらに進行するが予想されます。GDPは増えない、債務残高だけが利子で増えていくということになりそうです。

そのように債務が膨らんでいるのに、政府もマスコミも誰も何も気にする様子はありません。どうしてでしょうか。これは積極財政論という理屈が出てきたためだと思っています。

(「朝日新聞デジタル」)

 積極財政論は国家破綻につながる理論

「積極財政論」というのは何かと言うと、会計というのは国全体で考えなければいけないというものです1,068兆円という政府の借金はあるのですが、政府はアメリカ国債を100兆円以上保有し、さらに国民全体が保有する金融資産が約2,000兆円あり、その他不動産などの資産価値、企業そのものの価値もプラスとして計算できるので、トータルで考えればプラスなので大丈夫というものです。

ただ、それも考えてみればおかしな理屈だと思っています。政府と家計、さらには企業は主体が別だからです同じ家に暮らしていているので、母が多額の貯金をしているから父は多額の借金をしても大丈夫と言うようなものです。仮に母が1億円の金の延べ棒を持っているからということで、父は1億円を借りたとします。トータルで±ゼロですが、父は1億円については利払いをしなければなりません。その分は自由に使えるお金が減ります。

仮に父と母が離婚したらどうなるでしょうか? あるいは、母が延べ棒を現金化して5千万円を使ってしまったらどうなるでしょうか。トータルで考えると危険だし、言えることは父の借金は返さない限り借金として残るということです。そして、これが膨らめば膨らむほど国際的な経済信用力がなくなります現在日本の国際の格付けランクは「A+」です。これは上から5番目、簡単に言うと中の上というランクです。このままでは、これから下がることはあっても上がることはありません。そうなれば、国債も低利で発行できなくなりますし、国債を誰も買わなくなります。亡国の経済論に惑わされないようにする必要があります。

(「SAMEJIMA TIMES」)

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