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雌鶏(めんどり)が歌えば家滅ぶ / 『古事記』が説く陰陽の原理から男女の問題を考える

「雌鶏(めんどり)歌えば家滅ぶ、という諺を知っていますか?」

女性

「何ですか、それ?」

「古代中国の諺なんですけどね、朝一番に鳴くのは、オスの鶏のコケコッコーと相場が決まっています。めんどりが時を告げるために鳴くことはありません」

女性

「朝だから起きなさい、と家で主人や子供たちを起こしていますけど……」

「あのね……、茶化さないで下さいますか?」

女性

「すいません、つい……」

「そのめんどりがオスより先に鳴くようなことがあれば、不吉なことが起こる前兆なので注意しろという意味の諺です」

女性

「めんどりが出しゃばるとロクなことがない、というような意味ですか?何となく、女性差別的なニュアンスが込められていますよね」

「今の時代感覚で捉えると、そう思うかもしれませんが、あくまでも経験的に導き出された法則だと思ってください」

女性

「「家」というのは、具体的には国ということですよね」

「そうですね。実際に「傾国の美女」という言葉もありますからね」

女性

「確かに、多くの国の政治指導者は男性が担っていますものね。だけど、例えばドイツのメルケル首相のように、女性リーダーとして政界を引っ張っている人もいます」

「注意をして欲しいのは、女性が絶対ダメと言っている訳ではないということです」

女性

「あくまでも、確率論ということですね。北朝鮮のキムヨジョン氏はどうですか?」

「おっと、そう来ましたか。データというか、情報が余りに少ないですよね。感覚でモノを言うことになってしまいます」

女性

「だけど凄いですよね。南北連絡共同事務所を爆破してしまいましたね」

「政治は忍耐、腹の探り合いなんです。先に手を出す方が、大体負けます。だから、相手が手を出すように仕向けるのが、政治手腕なんですが、あっさり攻撃してしまいましたね」

女性

「韓国は引き下がれなくなってしまいましたよね」

「両方とも引き下がらないでしょう」

女性

「どこかが仲介しないと大変なことになりますよね」

「中国が乗り出してくると思っています。(ここからが本論です) ↓」




 雌鶏(めんどり)が歌って国家が混乱した実例

中国の「傾国の美女」といえば、何と言っても楊貴妃の名前が浮かびます。玄宗皇帝(在位712-756年)は唐王朝を立て直した名君として名を馳せたのですが、晩年になって楊貴妃と出会ってからは、その美貌と色香に溺れ政務に関心を示さなくなったと言われています。何しろ、自分の息子の嫁を奪い取ってしまったのですから、よほど魅力的な女性に見えたのでしょう。

貴妃というのは皇后に次ぐ位という意味ですが、その地位を利用して楊貴妃は、彼女の一族を政府の要人として登用させます。宰相の楊国忠も彼女の親戚筋から抜擢された人物です。そんなこともあり、それに反発した軍人の安禄山が755年に反乱を起こします安史の乱)。この反乱は、何とか鎮圧できたものの、これがきっかけで唐は衰退していくのです

日本の場合は、第46代の孝謙天皇でしょう。聖武天皇の娘にあたります。聖武天皇には男のお子さんがいなかったのです。そのための即位となりました。ただ、日本の場合は女系は認めていませんので、例え子供を授かったとしても天皇になることはありません。

聖武天皇の死後、孝謙天皇が上皇となります。761年、孝謙上皇が病に倒れます。その時に呪術的治療を施したのが道鏡です。それをきっかけにして、2人は男女の仲になり、それと同時に孝謙上皇が政治に目覚めるようになります。当時の政治状況は、藤原仲麻呂一派の独壇場でしたが、やがて孝謙上皇と藤原仲麻呂との対立が表面化するようになります。これが藤原仲麻呂の乱となり、この乱は鎮圧されます

孝謙上皇は称徳天皇として2度目の即位をした後は道鏡との2人3脚の政治が始まります道鏡はやがて法王となり、天皇の地位を狙うようになります。道鏡の目論見は失敗に終わり、称徳天皇もやがて病に倒れて崩御します

平城京は唐の長安を真似ての人工都市でした。国家の威信と威容を示すためもあり、大規模建築を多く建てましたが、道鏡の政治の介入に象徴されるように仏教界と政界との癒着も起きました。そんなこともあり、都を京都に移します

平安京は大規模建築は殆どなく、自然とマッチするかたちで建物が建てられます。日本独自の文化を大事にしようという考えが、そこにはあったと思います。それから約1100年にわたって、京都に朝廷が置かれることになります。

 形式的平等と実質的平等

平等には、形式的平等と実質的平等があります。それぞれの使う場面があり、それを間違えると往々にして結果が出ないということになります

例えば、何かを普通に分け与えるのであるならば、形式的平等で行えば、そんなに不満は出ません。コロナ禍で給付金をどうするかで多少議論となりましたが、結局1人一律10万円に落ち着きました。これは典型的な形式的平等に基づいています。

役割分担については実質的平等を適用しろ、と諺は言っているのです国のトップ、組織のトップ、男女どちらでも同じというのではなく、向き不向きの観点から「おんどり」が良いというのが先人の教えだということです

近年、何でもかんでも平等と言って、その観点から、国会議員の男女比や会社役員の男女比を1:1に近づけるようにすべき、という主張をする人がいます。ただ、その辺りについては、それぞれの国の歴史とこれまでの流れがありますので、それらを踏まえて適正な数字が出てくるのだと思っています。

例えば、私の勤務校は共学校ですが、男女比は2:1です。それが経験の中から編み出した数字なのです。

形だけの平等原則を適用すればそれで良いみたいなことを言う人がいますが、その適用場面を常に考える必要があると思っています



 『古事記』が説く陰陽の原理から男女の問題を考える

『古事記』に「陰陽欺(ここ)に開けて、二霊群品の祖(おや)と為りき」(次田真幸 全訳注『古事記 上』講談社学術文庫.1977年/17ページ)という一節があります。陰陽、つまりプラスとマイナスのエネルギーがすべてのものを生み出す元として立ち現れたと言っています。ニ霊というのは、陰陽のこと。群品というのは、すべての存在物の意味です

マイナスエネルギーとプラスエネルギーは本来的に一つになるようにお互い引きつけ合います。ただ、二つの相反するエネルギーが存在すれば、自動的に反応する訳ではなく、二つを引きつけようとするもう一つ別のエネルギーの存在が必要です

そのことを『古事記』は、イザナギとイザナミの二柱の神が結婚する場面を使って説明しています。要するに、この世界は陰・陽の組み合わせや陰・陽のエネルギーの影響によって成り立っている、と言っているのです男と女も陽と陰。明暗、上下、寒暑、縦横、緩急、栄枯、愛憎なども陰と陽。陰があるので陽が分かる。悪があるので善が分かる。暗があるので明が分かる、ということです。ついでに言うと、太陽と月も陽と陰です。2つがあったので地球に生命が誕生したのです。今、世界で高度な生命体を発見するための努力が行われていますが、銀河系だけで2000億個の恒星があると言われています。しらみつぶしでは大変です。恒星、惑星、1つの衛星の組み合わせを見つけることです。

物質のミクロの分野においても、陰陽の原理は成り立ちます。すべての物質は原子で構成されており、原子は他の原子との関係において、電子のやりとりが行われますが、その原子は+(プラス)の電気をもつ原子核と-(マイナス)の電気をもつ電子により構成されています。Na+とCl-、Cu2+とO2-というように+(プラス)と-(マイナス)が引き合い結合します。つまり、プラスとプラス、マイナスとマイナスが反応しないのは、その間に中心である「天之御中主(アマノミナカヌシノカミ)」からのエネルギーが入らないからです。

陽のイザナギと陰のイザナミが協力して国生みをしますが、これは陽と陰を掛け合わせることにより、新たなモノが生成されることを言っているのです

国生みの儀式の「声掛け」は、どちらが先に声を掛けるかということが問題となります。イザナミが先に声を掛けて出来た子供たちは失敗作で、イザナギが先に声を掛けると上手くいったと書かれています。ここで初めてイザナギが+(プラス)の放出エネルギーの意味であり、イザナミが-(マイナス)の受容する側だということが分かる仕組みになっているのです。

そして、プラスとマイナスの順番を変えてしまうと、この世界では何事も上手くいかない、ということを教えています。政治の世界は、プラスエネルギーである男を前面に立てて、後方をマイナスエネルギーである女性に守ってもらいます。そうすることにより、国は安定するというのが、先人の教えなのです

それは、組織のあり方、国のあり方の原則について言っていることであり、平等というモノサシで論じられる問題ではないのです

(拙著『古事記とスピリチュアリズム』参照)


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