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『古事記』と日本のかたち(1) ―— なぜ今まで『古事記』を読解できなかったのか / キーワードを見落としていた

  • 2024年4月20日
  • 歴史
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女性

「ご著書を出版されたと聞きました。おめでとうございます!」

「ありがとうございます。ただ、ここからが重要だと思っています。本というのは、皆さんに読んで頂いて、なんぼですからね」

女性

「ところで、何という題名の本ですか?」

「『古事記と日本のかたち』という題名です。私が持ち込んだ原稿を読んだ出版社が驚いて「誰も知らない本当の」という枕詞をつけてくれたんです」

女性

「へえ、そうなんですか。どうしてまた、『古事記』に関心を持つようになったのですか?」

「『古事記』が編纂されて1300年目だった2012年に、ちょっとした『古事記』ブームがあり、その時にいろいろ読み始めたのがきっかけです」

女性

「それ以来、問題意識を持たれたということなんですね。ただ、『古事記』に関する出版物は結構たくさん出てますよね。敢えて出そうと思ったのは、どうしてですか?」

「従来の『古事記』関連本では、肝心なことが読み解けていないからです」

女性

「肝心なことと言うのは、スバリ何でしょうか?」

「生成の原理と陰陽の原理です」

女性

「何か急に難しい話になりそうですけど……」

「難しくないですよ。中学の化学の知識があれば、すぐに理解できます」

女性

「それでは、今日は第一回目ということで、そのことについてお願いします。ここからが本論です ↓ 」

 宇宙の生成の原理と陰陽の原理を説く

今まで『古事記』を読み解くことが出来なかった最大の原因は、一言で言えば「見込み違い」です。3次方程式を使わなければ解けない問題なのに、足し算引き算で解こうとしていたのです

従来の『古事記』関連本が犯した大きなミスは、冒頭の造化三神のシーンに全く問題意識を示さず、イザナキ、イザナミの国づくりのシーンを性交と解釈していました。実は、この2つの場面に『古事記』全体を解読するためのキーワードが隠されていたのです。

このように書くと、何故そのような手の込んだことをしたのかと思うかもしれません。大きな理由は、中国(唐)の存在です。白村江の戦い(663年)で日本は唐・新羅連合軍に大敗します。約3万人の兵を失っています。その恐怖心から天智天皇は九州に水城を作ったり、都を内陸に移したりということをしました。彼らが攻めて来ると思ったのです。

天智天皇の弟の大海人皇子(天武天皇)は、当時は一緒に行動していましたので、天智の「唐、恐るべし」の気持ちを共有していたと思われます。そのような唐に重要な原理を知られないようにするために、神話の中にキーワードを書き込むことを考えたのです。普通に字面だけ読んでも分からないようにしたのです。要するに、今まで多くの『古事記』関連本が出されていますが、字面だけ辿って読んだつもりになっていただけなのです。

(「聖書と歴史の学習館」)

 イザナキ、イザナミの国づくりで陰陽の原理を説く

2神の名前に仕掛けがあります。前の3文字が同じです。違いは「キ」と「ミ」の違いだけです。陰と陽は、わずかな違いと言っているのです。そして、どちらが陰で、どちらが陽なのかを分かってもらうために、2神に天の御柱を回らせます。「すべての根源は回転」と説いたのがギリシアの哲学者のアナクサゴラスです。そして、これを科学的に証明したのが、マリ・アンペール(1775~1836)です。

そして、天の御柱をどちらから回ったかが重要です。右まわりによってエネルギーが生まれると説いたのがアンペールですが、右に回ったのがイザナキなのでこれが陽、イザナミは陰を表していることが分かる仕掛けになっています。そして、この世界は陰陽の原理によって成り立っていることと、その順番が大事なことを「ヒルコ」(失敗)を使って説明しています。

そして、この「ヒルコ」を従来は、女から声掛けをしてはいけない教えとか、近親相姦をしてはいけない教えという珍解釈が堂々と語られていたのです。そうではなく、陰と陽の2つが揃って初めて生成が行われ、さらにその順番が大事だと言っているのです。どういうことか。具体的に説明します。

(「制御工学の基礎あれこれ」)

 「ヒルコ」を使って順番の大切さと2つを揃えることの大切さを説く

この世界のものは、陰陽の原理によって説明ができます生物の雄、雌が陰陽です。2つのものが合わさって一つの命が生まれます。同じ種であれば、陰陽の違いはわずかです。わずかな違いだからこそ、お互い引き合い、新しい命が生まれます。違う種との組み合わせがあり得ないのは、違いが大きいからです。

そして次に「ヒルコ」を使って順番の大切さを語ります陽陰ではなく、陰陽というのは、本質的な陽が表面に出ずに隠れがちになるためです。例えば、人間自体も陰陽で成り立っています。身体が陰で、人格が陽です。法律が陰で、それを支える制度が陽です。

法律や規則を制定すれば、それで解決する訳ではありません。「ゴミポイ捨て禁止法」を作っただけでは、何も変わりません。監視団や罰則規定といった制度を併せて作ることによって初めてゴミのない街が生まれます。法律が陰で制度が陽となります。ところが、法律だけ作って安心してしまうことが良くあります。例えば、2006年に新教育基本法を制定しますが、事態は改善されるどころか悪化しています。何故なのか。陰である制度を作っていないからです。看板だけ掲げて、店の中に品物を並べるのを忘れるようなものです。

このように陰と陽の順番を間違えたり、陰だけ作って陽を忘れたりということがよくあります。それがないように「ヒルコ」のエピソードを使って説明したのです。下の漫画は従来の説明を元にしたものです。近親相姦の結果、生まれた子供が障害をもっていたため、川に流したという話をそのまま漫画にしています。『古事記』の編纂事業は天武天皇が直接関わった国家事業です。そういうレベルの低い話を載せるはずがないのです。普通に考えれば、分かると思います。

(「漫画で絵・古事記」)

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