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LGBT+Q をめぐる歴史とその問題 ―― 法律の世界は外見が全ての世界 / トランスジェンダーの歴史は浅い

女性

「LGBTという言葉を最近よく耳にするようになりました。何の略称ですか?」

「Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダーを表わしています」

女性

「バイセクシャルというのは、男女どちらの性も恋愛対象とするというものですよね。トランスジェンダーは何ですか?」

「心の性と身体の性が一致しないというものですね。常に、違和感を持ちながら生活している状態です。これが注目され始めたのはLGBよりも後です。ここ5、6年のことです」

女性

「最近、それらにQを付けることがありますよね」

「Qはクエスチョニングですが、自分で自分の性が分からないというもので、性自認と言います。ただ、ここまで認めたら、社会は混乱します。ビートきよしさんがこれが認められたら、自分は女だと思ったと言えば、女風呂に入れるということなので、流石にそれはマズいと言っています」

女性

「そうでしょうね。昨日まで男で、都合の良い時に女になるというのも変ですし、ましてやそれを法的な権利として認めると、混乱が生じると思います」

「Qは除いて、LGBTについての状況ですが、法案をめぐって凌ぎ合いをしているような段階です」

女性

「推進派と拒絶派ですか?」

「デリケートな問題を含んでいるし、人権と言われると、なかなか明確に拒絶できないところがあります。そういうこともあって、推進派が押し気味です。実際に「LGBT差別解消法案」を野党は過去何回も国会に提出しています」

女性

「法律になってしまうと、当然強制力が与えられますよね。どういう問題が出て来そうですか?」

「この法案が基本的に狙っていることは、男女の性別という概念を日本社会から無くすことです。その延長線上には家族制度の破壊ということを考えていると思います」

女性

「多くの国民は、そこまでは認めていないと思います」

「だから妥協的に条例制定で止めるのが良いと思います。多様な性を認め合う条例を制定している自治体がいくつかあります。それで良いと思います」

女性

「どうしてもという人は、そこに移り住むということでしょうか。ここからが本論です ↓ なお表紙は「HR NOTE」の提供です」

 法律の世界は外見が全ての世界

本人の心の内は外側からは、誰にも分かりません。誰にも分からない世界を、現実に見える世界よりも優先し始めると社会は混乱をし始めます。例えば、頭の中で何千人殺そうと、それを文章にして殺人計画として発表したとしても、日本では罪に問われることはありません。ただ、それが外部に見える形で出てきた時に罪に問われます。法律の出番は、そこからです

LGBTというのは、あくまでも本人が考えている自分の姿です。本人が考えていることを権利ということで法律によって守ると社会は混乱し始めますので、法律として制定することではありません。

本人の気持ちは尊重しなければいけないかもしれないのですが、それと法律を定めることとは次元が違う問題です

(「d’s JOURNAL」)

 性についての心理学者の考察

精神分析学を創始したオーストリアのフロイト(1856-1939)は、性的指向に関して、人間はもともと皆両性性をもっていると言います。確かに、小さな子供を見ればそれは理解できます。外見もそうですが、本人も自分が男なのか女なのか、殆ど関心を持っていません。だから、男の子は母親と、女の子は父親とお風呂に入っても平気な訳です。ルソーは「はじめは人間に生まれ、つぎには男性か女性に生まれる」(『エミール』第4編)と言っています。

ところが、何らかの事情で男性か女性に生まれることが出来ないことがあります。フロイトが例として挙げているのは、苦痛な異性愛体験です。異性を好きになったもののかなりの苦痛を味わい、その体験の結果、リビドー(性衝動)が向かう対象が内側、つまり同性に向かったケースを紹介しています。

そして、もう一つ挙げているのは、シュレーバーの症例です。シュレーバーの父は医師であり教育家として世間に知られていた人です。ところが、この父はシュレーバーに対して常に支配的で高圧的に接していたそうです。そういう中で彼が父に対して女性的な立場に立つことによって、父からの威嚇を逃れ、逆に愛されようとしたのです。

同性愛を一律に「病理」として捉えることをフロイトはしていません。ケースバイケースで判断すべきという立場だったと思います。いずれにしても、アイデンティティの確立期における人間関係のもつれに性意識が絡むことによって同性愛に向かったというのが従来の議論だったと思います。

(「TANTANの雑学と哲学の小部屋」)

 トランスジェンダーの歴史は浅い

トランスジェンダーという用語が使われるようになったのは、1965年以降です。それまでは、性別に違和感を抱くものは、同性愛と区別されていなかったというか、よく分からなかったというのが実際のところだと思います。

ただ、違和感をもつ人に対する性別適合手術(SRS)の歴史は結構古く、ドイツやイギリスなどヨーロッパで行われるようになり、1960年代以降はアメリカでも行われるようになったそうです。1979年にこのトランスジェンダーに関する国際組織も設立されています。なお、SRSを正式な医療行為として健康保険が適用される国もあるとのことです。

以上、LGBTをめぐっての動きを概略的に述べてきましたが、繰り返すようですが、法律で判断する世界は外見が全てです。つまり、内面がどうであろうと、外見で全て判断されるということです。女子トイレに入るためには、切り取る手術をしなければいけないということです。

参考文献:葛西真記『心理支援者のためのLGBTQ+ハンドブック』(誠信書房、2023年)

(「ニコニコ」)

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