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岸田首相の施政方針演説の批判的検討 ――「資本主義」という言葉は不適切 / 「お見合い文化」の復活を

女性

「今日の最初は久しぶりに金融のことを話題にしたいと思います。為替相場がここのところ落ち着いていますね。130円位で安定的に推移しています」

「「気持ち円高」という水準でしょうか」

女性

「前におっしゃっていた値よりも、少し円高ですが、その辺りの原因をどう考えていますか」

「日本経済の回復・持ち直しというより、アメリカのインフレが落ち着きそうですが、政治的にも経済的にも不安定さが出ています。そのことがドル高に向かわせない要因になっていると思っています」

女性

「政治的不安定というのは、バイデン大統領の機密文書保存事件ですか?」

「それも多少ありますが、議会の中からウクライナ支援をめぐって多少の不協和音が聞こえています。ただ、その程度です。むしろ問題は日本でしょうね」

女性

「今は落ち着いているけど、また円安に振れるということですか?」

「そうですね。日本のファンダメンタルズ(基本構造)は弱いので、円安基調は変わっていません。何かの拍子に、円安に振れてくると見ています」

女性

「ファンダメンタルズが弱いとの話ですが、具体的には何が問題なのですか?」

「1つは、財政赤字です。最近は、財政再建ということさえ言わなくなりましたが、かなりの危険水域です。財源がなければ、国債を発行すれば良いだろうという少し危険な感覚の国会議員が増えています。2つ目は、最近急速に増えている貿易赤字ですね」

女性

「国会の開会、さらに岸田首相の施政方針演説が先日の月曜日行われましたが、その辺りのことの言及はあったのですか?」

「何も言及がありませんでしたね」

女性

「金は天下の回りもの、と思っていらっしゃるのではないでしょうか」

「ワクチン接種の無料化はさらに継続するようですし、子供関連手当の拡充、防衛費の増大など、財源的にかなり厳しいことは確かです。今まで、借金をし続けて、さらにまたということです」

女性

「打ち出の小槌があると思っているのでしょう」

「確かに、今の日銀はそんな感じで対応しているような気がします」

女性

「ここからが本論です  ↓」

 国力をあげるための政策を

外国為替相場の値は、両国間の経済力の反映として見ることが出来ます。一般的に、その国の経済力が強ければ、基本的に通貨は高くなります。ただ、そこに両国の金利差や経済的な成長予測、財政債務の金額などが絡みながら値が変動します。

政治家は、日本の財政状況と世界情勢を見ながら、国力を上げるための施策を立てる必要があります。一言で言えば、成長戦略と防衛戦略です。それを強力に推し進めるためには、財政の裏付けが必要なので、その部分の点検をする必要があります。経済関係は自由市場経済を採用していますので、よい経済の流れが生まれるように政策を立案します。民間の活力が生まれるような施策を考えるのです。

(「金融大学」)

 「資本主義」という言葉は不適切

先般の方針演説を見ると、経済政策が前面に出ています「新しい資本主義」という、今一歩よく分からないネーミングが付いていますが、これを岸田内閣は「目玉商品」にしたいということだと思います。ただ、彼が述べていることの殆どは、民間に任せるべき内容です日本は社会主義国ではありませんので、政府はあくまでも「応援団」の役割に徹するべきです

資本主義の言葉の意味については、前にこのブログで話をした通り、ネーミングとしては不適切です。アメリカでは殆んど使われないそうです。自由市場経済と言っています。主義というのは、人間の考えや生き方を意味します。経済は人の考えや思いとは関係なく動くからです。そして、もともと社会主義と対比するために編み出されたネーミングです。主義を使うため、その考えが有効でなくなることもありますので、いつ無くなるのかという議論になってしまうのです。人類の発生とほぼ同時に物々交換による自由市場は成立していますので、その経済は人類が生存している間は続くことになります

「新しい資本主義」ではなく、「時代に見合った経済政策」、国民の耳目を惹きつけたければ「21世紀をリードする経済政策」といったところでしょう。

(「受験ナビ」)

 「子供・子育て政策」が少子化対策になっている

成長戦略の重要な柱は教育政策にする必要があります。社会は一人ひとりの人間によって構成され、その人間の力量を高めることが重要ですが、それは教育によってなされるからです。ところが、施政方針を見ると教育ではなく、「子供・子育て政策」になっています。そして、言っていることは、少子化対策です。

子供・子育て政策は、福祉政策ですが、子育て手当を拡充したからといって、少子化対策にはなりません少子化の大きな原因は、未婚の男女が増えているからです。彼ら彼女たちは、「安心して子供を産み、育てられる社会」(「施政方針演説」)ではないから、結婚しない訳ではなく、その前の段階で止まっている人が多いのです。簡単に言えば、カップリングの問題です。したくても、適当な相手がいない人が多いのが現状でしょう。

(「厚生労働省」)

 「お見合い文化」の衰退が少子化の原因

カップリングが上手くいっていないのは、一言で言えば、日本の文化でもある「お見合い文化」が地域の人間関係の脆弱さの進行の中で廃れたことと大いに関係があるのです。封建時代の歴史が長い日本です。封建時代というのは、身分制社会ですので、自由恋愛はご法度です。そのため、周りの人たちが身分や家の格式などを考慮して、年頃の男女を結び付けることをしてきた歴史がありました。そういった「お見合い文化」が戦後しばらくの間、地域にも遺っていたのです。そういう中で結婚を成立させたカップルも多かったのです。

ところが、高度経済成長期を経て、都市化の進展とともに個人主義の考え方が広がるとともに、地域の人間関係も徐々に崩れていきました。そういう中で「お見合い文化」が廃れ、結婚しない男女が増えていき、それが少子化という現象として現れ始めたのです。

対策というのは、原因を分析して、そこに向かって人員と予算を組むことによって解決します。養育手当を増やしたところで、少子化は解決しません。ピントがぼけているからです。

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