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日大問題の本質 ―― 新たな立法の必要性を説く / 今のままでは第二、第三の「田中」が現われる

女性

「日大の理事長宅から、ついに多額の現金が出てきたみたいですね」

「2億円を超える現金が出てきたみたいですね」

女性

「1億円を超える現金と報道されていましたけど……」

「多すぎて数え間違えたのでしょう。半端な額じゃあないですね」

女性

「銀行にどうして預けなかったのかしら?」

「あなたも呑気なことを言う人ですね。そんなことしたら、全部記録が残ってしまい、アシが付いちゃうじゃあないですか」

女性

「悪しからず、と言えばいいじゃあないですか」

「(ズコッ) 自宅に隠し持っていたので、完全に確信犯だということが分かってしまいましたね。東京地検は国税当局と連携して調べる方針とのことです」

女性

「ところで、病院から退院したのですか? ほとぼりが冷めるまで入院する考えなのでしょうか?」

「日大は理事長に財務と人事の権限が集中していますので、長期入院となると組織として機能不全になると思います」

女性

「ただ、常務理事がいますよね」

「最後の決済は理事長が行うようになっていると思いますけど」

女性

「私の知っている限り2回も新聞の3面トップ扱いで報道されました。ある意味では、異常だと思っています」

「大学は最高学府ですからね。本来、カネを巡って何か問題が起こること自体がおかしなことだと思います」

女性

「ここからが本論です ↓」

 理事長独裁体制――起きるべくして起きた事案

日本の国名を大学に使いながら、組織的な体質はまるで大陸にある大国のようです。大学自治を隠れ蓑にしながら、田中王国を築いてきたのです。2013年に総長制を廃して学長制を導入すると同時に、学長をヒラ理事扱いにします。つまり、この瞬間に理事長を頂点とする独裁体制が完成したのです。

理事長というのは、財務と人事権を握っていますので、本来ならば総長もしくは学長の下に置いて裏方として大学を支える側に回れば良いのですが、理事長を頂点とする組織体制を導入して、権力者の道を歩むようになったのです。この辺りも、まるでどこかの国のようです。

そのことを喜んだ田中理事長は、学祖である山田顕義(あきよし)の生誕地の山口県の顕義園(けんぎえん)に日大のモニュメントを建てています。彼の銅像近くに立っていますので、行かれた方は見て下さい。

(「萩ナビ」)

 被害届を出さなかったため、墓穴を掘る

新聞報道によりますと、附属病院の建替えや医療器械の選定を巡って、約4億円の被害額だとされています。この被害額というのは、本来、日本大学が井ノ口理事が統括していた日大事業部を通さずに別のルートで商談をまとめていれば、約4億円少なくて済んだということです。要するに、井ノ口理事と医療法人の藪本元理事長とが間に入ったために、相場よりかなり高い商談になったのですが、日大の資金の決裁権を田中理事長が握っていますので、カネがそのまま流れたということでしょう。

典型的な背任罪のパターンです。理事として、当然日大が不当に資金を出費するようなことがないようにする義務があるのですが、あろうことか相手側と口裏を合わせて、余分な出費を日大から引き出したのです。

日大は法人格を持っていますので、その代表者である理事長は井ノ口理事の行為によって「被害」を受けたという届けを普通は出します。検察もその方が動きやすいため、それを田中理事長に要請したようです。ところが、日大側は「本学が損害を被ったという事実関係が不明」という屁理屈を言って被害届を出すのを拒みます

この辺りが、大陸のどこかの国に似ているところですが、要するに表面上は契約書を正式に交わしているので、被害がないと言いたいのです。ただ、屁理屈を並べたために、遵法精神の希薄さをさらけ出すと同時に、この事案に大学の上層部が間違いなく絡んでいることを捜査当局に告白したようなものだったのです。

(「SankeiBiz」)

 理事長が「独裁者」として振舞えないような法改正が必要

文科省は私立学校法を改正する方針ですが、私立学校法が扱っている範疇の学校は、幼稚園から大学まで幅が広いのです。そのため、総則的な規定となっています。

私立大学を舞台にして、巨額の資金が不正に動いたのですから、そこに狙いを定めた法律を用意すべきでしょう。例えば、「私立大学組織運営法」(仮称)とか「大学自治法」(仮称)といったものです。

要するに、私立学校法には「理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理する」とし、理事長が財務と人事の権限を一手に握る「独裁者」として振舞えるよう法的根拠を与えてしまっていることです。要するに、これは性善説に基づいた立法になっています。私立学校の代表者は、常に生徒・学生の教育の発展のことだけを考えてくれるだろうという信頼のもとに作られた規定です。

それを逆手に取って、理事長の権限を使って、理事を自分に従う者に入れ替えてしまえば、法人そのものを乗っ取ることが出来ますし、日大が現にそうなっています。すでに、理事会の過半数を理事長が政治的に抑えていますので、田中氏は半永久的に理事長職にいられるのです。そして、この組織が存続する限り、第二、第三の田中氏のような人物、つまり教育には関心はないが、その職に留まることだけに魅力を感じているような人間が現われることになります。極端な話、暴力団まがいの人間や国籍が定かでない人物が大学や私立学校を乗っ取ることもできるということです。それを防ぐための法律を用意する必要があります。私立学校法の改正となると、根本的な部分で手直しが必要となります。

 

 私立学校法を改正して、営利事業を限定的にする必要あり――日大事業部の問題

今回の事件は、日大事業部を通して行われた事案が背任にあたるとされるものです。この日大事業部は単なる搾取事業団体ですが、設立そのものは違法ではありません。どういうことかというと、私立学校法に「学校法人は、その設置する私立学校の教育に支障のない限り、その収益を私立学校の経営に充てるため、収益を目的とする事業を行うことができる」(第26条)という規定があるからです

日大事業部の事業というのは、何かを製造販売するという事業ではなく、サービスや物品販売の仲介業を行っています。例えば、日大のどこかのサークルが合宿をしたい場合、日大事業部が出入りの旅行業者と連絡を取って合宿の手はずを整えてくれるという仕組みです。問題なのは、各付属校に対して日大事業部を使えという圧力をかけていることが分かったことです。各付属校には、それぞれ懇意にしている業者がいるのですが、その業者を泣く泣く切って、日大事業部に替えざるを得なかったという話があります。

日大事業部は株式会社として設立されています。私立学校法の立法者は、そこまでの収益事業を想定していなかったと思います。今の規定だと、例えばその会社が収益を伸ばしてM&Aによって巨大化することもあり得ますし、それが法的に禁止されている訳ではありません。ただ、私学助成を受けている立場の大学がそのような巨大企業、あるいは営利企業の経営に関わるというのも変な話です。

すわわち、一番の問題点は「私立学校の教育に支障のない限り」(第26条)という曖昧な規定があることです。これを「学校法人は、その収益を私立学校の経営に充てるため、その所有する施設、設備を使って地域貢献事業を行うことができる」というように、限定的に書き換える必要があるのです。そうすれば、地域の活性化にも繋がると思います。

(「新潟大学教育・学生支援機構」)

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