「性自認の生徒の受け入れを検討している女子校があるそうです。産経新聞の記事(2/11日付)によると、14校もあるということで、少しショックを受けています」
「あなたは確か、女子校出身でしたよね」
「そうなんです。私の青春時代の中・高校は女子だけの楽園でした。そんなこともあって、下の子は女子校を考えていました」
「そういう方にとってみれば、関心がある問題ですよね」
「そうなんです。性自認の生徒ということは、生物学的に男性ですからね」
「受験する時に、学校側の考え方をよく聞いて判断するということでしようね」
「それとは別に、男子校、女子校、いわゆる別学が公立、私立を問わず減っていますよね」
「それは生徒募集の時に有利だからですよ。対象となる生徒数は確実に増えますからね」
「別学だからということで強く希望して入ってくる子もいると思いますけど……」
「一般的に中堅校より下のレベルの学校は、共学化の波に流されやすいと思っています」
「背に腹は代えられないというやつですね」
「特に私立は、生徒が入ってナンボですから、どうしても時流に敏感にならざるを得ないと思います」
「校風よりも、時流ですか。海外はどうなんですか? ちなみに、アメリカに男子校、女子校があるのですか?」
「ありますよ、普通に。この10年は共学化ではなく、別学志向の方が強かったようです。2001年に公立でも別学を認める法律ができ、それ以来、別学人気が続いているようです」
「日本とは逆なんですね。ここからが本論です ↓ 表紙写真は「埼玉新聞」提供です」
各学校には自治権がある ―― 重要事項は各現場が判断
学校に対する社会の期待は常に高いものがあると思います。そのため、どうしても様々な要望や意見が学校に持ち込まれます。私立の場合は承知の上で入学したということで、学校の制度や教育方針への要望はほとんどないと思いますが、公立学校への要望が教育委員会によく持ち込まれると言います。
近年、共学に移行する公立高校が多いのですが、その手続きにおいて首をかしげる事案が時々あります。例えば、宮城県は全県一律共学化を県の教育委員会が決めてしまいました。根拠としたのは、有識者会議の答申です。公立とはいえ、それぞれの学校には自治権があるはずなので、現場から意見を吸い上げてボトムアップで議論をするようにしなければいけないと思います。
宮城県の場合は、県議会に請願書が持ち込まれ、その時は共学化の延期が決まるなど、政治問題化したのです。結局は2010年度に全県の公立高校は共学となりました。社会主義国でもあるまいし、「一律」というのは乱暴だと思います。
(「Yahoo!ニュース-Yahoo!JAPAN」)
埼玉県は現在進行中―—別学か、共学か
共学問題が現在進行中の県が埼玉県です。埼玉県には、公立の男子校が5校、女子校が7校あるそうです。別学か、共学かという議論は長年にわたって続いていたようですが、昨年8月に男女共同参画の問題に対応する苦情処理委員が県教育委員会に対して共学化が早期に実現されるべきとする勧告を行っています。
どうして苦情処理委員なのか疑問に思って調べると、要するに行きたい学校が男子校なので、女子の「私」が通えないという苦情が持ち込まれ、3人の苦情処理委員がその訴えを受けて教育委員会に勧告したということなのです。
これを受けて埼玉県教育委員会は「男女別学」の県立高校の保護者や卒業生から「男女別学」を維持するか、「共学化」を目指すかについて意見を聞き取ることになったのですが、学校の自治権を踏まえた対応が望まれます。つまり、教育委員会が頭越しに保護者や卒業生から意見を聞くのではなく、学校現場が意見をまとめるように働きかけるのが順番として正しいと思います。そして、仮に共学とする場合でも、宮城県のように「一斉」というのはいただけません。その辺りは、丁寧に事を運んで欲しいと思います。
(「Yahoo!ニュース-Yahoo!JAPAN」)
トランスジェンダーの生徒の受け入れをどうするか
LGBT理解増進法が成立をしたため、学校現場でも、ある程度対応をしなければいけなくなったことは確かです。そして、実際に具体的に受け入れるかどうかについて検討している学校もあるとのこと。
一番問題となりそうなのは、トランスジェンダーの生徒の受け入れだと思います。男性だが女性と自認している子を女子校が受け入れるという問題と、女性だが男性と自認している子を男子校が受け入れるのかという問題です。
仮に受け入れたとしても、様々な問題が待ち受けていると思います。何と言っても一緒に学校生活を送る生徒たちの気持ちの問題が大きいと思いますが、保護者の気持ちもありますし、部活の対外試合や大学進学にあたっての書類の問題や、さらには学校説明会の時に何と言って説明するかなど、多くのことが付随してきます。たった一人の受け入れだったとしても、現場は対応に苦慮することになると思います。相当な覚悟がなければ、引き受けることは出来ないと思っています。
(「NHKニュース」)
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