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教科書検定制度を採用している国は、世界で数か国にすぎない ―― 21世紀に検定制度は無用、教科書作りにも自由競争の原理を

女性

「閣議決定を受けて、従軍慰安婦という表記を教科書会社各社が訂正申請をしたというニュースが流れましたね」

「中学社会、高校地歴科、公民科の教科書を発行する教科書会社、計10点の教科書の記述について訂正の申請があったそうです」

女性

「すべて削除したということですか?」

「「従軍」の記述を削除する社や、記述は残したまま政府見解を併記する社など、対応は分かれたようです」

女性

「そもそも、従軍慰安婦も慰安婦という言葉も中学生や高校生に教える必要がないと思います。驚いたのは、殆どの教科書会社がその言葉を使っていたことです」

「反日的な学者によって日本の教科書が編纂されていることが分かります」

女性

「ただ、そういった子供たちにとって不適切な言葉や用語をチェックするために文科省の教科書検定制度があると思っているのですが……」

「本来はそうあるべきですが、日本の場合は全く逆になっています。唯物論的な道徳教科書、史的唯物論の立場で書かれた教科書など、反日的な内容の記述であればあるほど評価される傾向があります」

女性

「だから教科書会社は競うように従軍慰安婦とか強制徴用といった言葉を使うのですね」

「別に使わなくても歴史を教えることはできます。敢えて、そういった言葉を入れることによって逆に教科書検定が通りやすくなっているのではないかと思っています」

女性

「それじゃあ、一種の『踏み絵』じゃあないですか」

「『踏み絵』、まさにその通りなんです。教科書検定が本来の役割から外れて、一つのイデオロギーを広めるための装置になり下がっています。こういうことであるならば、教科書検定制度は必要ないと思っています」

女性

「検定制度が無くなると、教科書はどうなるのですか?」

「国定、検定、認定、自由とあります。国定というのは、国がこの1冊と指定する方式です。殆どの国で行われていません。実際には、3種類ですが、検定制度を採用している国は少ないのです」

女性

「ここからが本論です ↓」

 

 教科書検定制度を採用している国は、世界で数か国にすぎない

【主な各国の教科書制度】

国名 検定制度について 使用義務
アメリカ 特にないが、各州がガイドラインに従って採択し、その中から現場で使用するものを選ぶというシステム 使用義務なし
イギリス 自由発行 使用義務なし
フランス 自由発行 使用義務なし
シンガポール 国定制度と検定制度の併用 使用義務なし
ドイツ 認定制度の州(12州)と自由発行の州(4州) 各州の規定による
デンマーク 自由発行 使用義務なし
オーストラリア 自由発行 使用義務なし
韓国 国定、検定、認定制度あり 使用義務あり

 

朝鮮半島は日本の併合時代に公教育制度が整備されましたので、日本の検定制度の影響を現在も受けていると思います。主だった国の中で、日本のような検定制度を導入している国は殆どありません。検定制度を維持するために、調査官を養成、採用しなければならず、そのための経費も掛かります。

各出版社が教科書として使えるような書籍を自由に発行してもらって、市区町村もしくは都道府県の教育委員会がその中から4~5社程度選定し、現場の責任判断で採択すれば良いと思います。教科書を使って、実際に授業を行うのが現場の教師なので、最終判断を現場に委ねれば良いと思います。その代わり、教科書選定を毎年行う必要が出てきます。

その労をどのように考えるかだと思います。


 歴史観のチェック、そして関所になっている教科書検定制度

『教科書抹殺』(飛鳥新社、2020年)の代表著者の藤岡信勝氏は「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)の創立に関わった方です。この書を読むと、検定制度が関所の役割を果たしていることがよく分かります。

本来は、一つの教科書を著者と検定官と教科書会社の3者で共同して作成するものだと思います誤字脱字から始まって、文章表現、掲載する資料など適切かどうかの判断をした上で、お互いの合意の元、検定作業が行われるべきです。だから、そもそも「不合格」という概念自体があり得ないことですが、現在の検定制度には合格、不合格を発表する「通告」というのがあります。いつの時代の発想かと思います。

「つくる会」が作成した自由社の教科書が不合格になったのですが、その理由は検定意見が多かったからです。ただ、従来はその意見に基づいて修正して再度申請すればよかったのですが、そうはならなかったのです。2016年3月に教科書検定審議会で「一発不合格制度」を作っていたため、その「一発不合格」に該当してしまったのです

「一発不合格」というのは、不合格の中でも特段に検定意見が多い教科書に対して出されます。「一発不合格」を喰らってしまうと、もうそこで教科書として陽の目を見るためには、4年後の検定まで待つしかないというものです。簡単に言えば、検定制度の中に死刑宣告制度を導入したのです。「特段に多い」というのは、ページ数の1.2倍ということです。特段に多くても、調査官と著者の共同作業で修正作業をすれば良いと思うのですが、そういう考えは全くないようです。その発想はまるで封建時代の領主です。

自由社の教科書に対して付された検定意見は全部で405箇所でしたが、最も多かったのは「(生徒にとって)理解し難い・誤解するおそれがある」ということでついた箇所が292箇所だったのです。

「理解し難い・誤解するおそれがある」という意見は、極めて主観的なものです。生徒それぞれ理解度においてレベルが違いますので、一般的に「生徒」と言われても困りますし、そもそも現場には免許をもった教員がいるわけで、生徒が誤解しないように彼らが指導すれば解決する問題です。教科書が独り歩きして、子供たちを教育する訳ではありません。

(「www.fuseikentei.org」)

 21世紀に検定制度は合わない

グローバル時代と言われて30年。世界の勢力地図は完全に変わってしまいました。ソ連が崩壊して、中国が政治・経済、そして軍事的にも存在感を増すようになってきました。アメリカにはGAFAといった巨大情報企業やテスラといった電気自動車メーカーが誕生し、経済を力強く引っ張っています。テスラは資産規模の面に於いて、あっという間に日本のトヨタを抜き去っています。ちなみに、テスラの創業は2003年である。

もともと日本は戦略を立てるのが極めて苦手な上に、この30年間根拠なき楽観論が覆いかぶさっていたため、地盤沈下をしている有り様です国際競争はますます激化するでしょう。そんな時代に対応する人材を育てるためにも、自由な発想で作られた教科書が自由に現場の判断で使われる環境を整備することが大事です。文科省が教科書作りの足を引っ張っているようでは論外です。解体して再編した方が良いでしょう。

(「週刊エコノミストOnline-毎日新聞」)

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