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被害者救済法成立 ―― アイデンティティの形成を妨害された悲しみ / 宗教2世

女性

「旧統一教会問題ですが、被害者救済法が成立しましたね」

「この国会での成立は無理だろうと思っていたのですが、与野党が協力して通しましたね。ただ、マスコミは被害者救済法と報道していますが、正式名称は「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律」です」

女性

「「不当な寄付勧誘防止法」の方が良かったのではないでしょうか?」

「旧統一教会のことに関心が向いていますので、国会の「救済」の考え方を知って欲しいということで、そういう名称になったのだと思います」

女性

「専ら、寄付の仕方と金額を規制しようという趣旨みたいですね」

「そこなら政治の問題として法律を作って対応できますからね。ただ、これですべて対応することはできません」

女性

「だから、宗教法人の解散の話が出ているのでしょ」

「仮に解散がなされたとしても、心のケアの問題が残ります。宗教2世の方にとって実はそちらが大きな問題なんです」

女性

「女性の宗教2世の方が「私たちのことを忘れないで欲しい」とテレビで涙を流しながら言っていたのが印象的でした」

「宗教2世の方々の被害は二つあると思っています。一つは、多くの寄付金を取られたことにより、家庭生活が経済的に破壊されてしまったこと」

女性

「それをこれからは無いようにしようというのが先の法律の目的ですよね」

「もう一つは、アイデンティティが親によって破壊された問題です。テレビの彼女の涙は、その悲しみの涙だと捉えています」

女性

「要するに、価値観を押し付けられ、生き方を変えざるを得なくなったということですか?」

「個人個人それぞれ微妙に違いはあると思いますが、総じて言えばそういうことだと思います」

女性

「心の問題は直すのが難しそうですね」

「これを機に、国民全体が宗教に対してどう接するのが正しい在り方なのか、そして親は子供に対してどの程度、信仰を求めることが出来るのか、といったことの方向性を確認すべきでしょうね」

女性

「ここから本論です ↓ 画像は「ネィティブキャンプ英会話です」」

 前時代的な感覚の人がまだいる

封建時代においては、子供は親の所有物でしたその時代は身分制社会なので、子供は親の身分や地位ならびに職業を受け継ぐのが定められた生き方でした。そこに家の繁栄と家族や個人の幸せがあると信じられていました。

しかし現代はそういう階級社会ではなく、自由に生き方を選べる時代ですが、中には前時代的な感覚で子供と接する人がまだ多くいるのでしょう。自分の信仰を子供にもさせたいと考える人がまだまだ多い現実があると思います。人の意識はなかなか変わるものではないからです。

(「歴史総合ドットコム」)

 「子どもの権利条約」にも宗教の自由の規定がある

1959年11月に国連総会で採択された「子どもの権利条約」というのがあります。そこには、「思想、良心および宗教の自由についての児童の権利」(14条)、「自由に自己の意見を表明する権利」(12条)が規定されています。要するに、子供を一人の人間として扱い、無理な信仰を勧めてはいけないということです

ただ、その規定を読む際に気を付けなければいけないのは、日本は多神教、つまりアニミズム(精霊崇拝)の国だと言うことです。そのため、教義もありませんし、従って開祖もいません。初詣でや七五三、鏡餅を飾る、各地方のお祭り、相撲も神事から来ています。このように、自分たちの生活の中に溶け込んでしまっています。それこそ「いただきます」の言葉も一つの神事なのです。そのため、権利条約の宗教に関する条文は、一神教の国の子供を念頭に置いたものだと理解して読む必要があります。

(「ウエザーニュース/鶴岡八幡宮」)

 アイデンティティの形成を妨害された悲しみ――宗教2世

2人の会話の中に出てきたアイデンティティですが、「今や心理学研究の主要な概念のひ1つにまで発展している」(西野、沢崎「アイデンティティの本質をめぐる研究の動向と課題」目白大学心理学研究/2013年第9号)とのことです。

このアイデンティティ論が注目されるようになったのは1950年代のアメリカにおいてですが、エリクソンによって提唱されます。人間は単に寝て飲み食いして、それで満足できる動物ではありません。これが他の哺乳動物と大きく違うところです。

人間は命を維持することプラス「生き甲斐」が必要です。エリクソンは、その「生き甲斐」は「自己アイデンティティ」と「心理社会的アイデンティティ」の二つによってもたらされると考えたのです。簡単に言えば、能力や適性の自己評価とそれがどの程度周りに受け入れられているかの度合です。

ある程度文明が進んだ国の人間には、何故か青年期が現れます。この青年期(11~20歳)において、人は人生の道しるべを求めます。自分の存在確認(自己の確立)と自分の人生の進むべき道を模索します。ある意味、その人の人生に於いて最も重要な時期かもしれません。

宗教2世の人たちの涙は、この時期に親や宗教団体によって自分の進路を妨害され、人生という旅路が歩めなくなったと感じているからです旧統一教会は幼少期から社会との接点を求めないようにという指導があったとのことアイデンティティを確立する上で、他者とのコミュニケーションは極めて重要です。他者からの「情報」によって自分の立ち位置が客観的に正しいかどうかが判別できるからです。

(「アイデンティティブランディング」)

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