「最近、このブログの新しい読者が増えているようなので、改めてインフォメーションしたいと思います。毎週3回、火、木、土の発信となっていますので、よろしくお願いいたします」
「『日本の危機』と題して意見を発信しているのですが、とにかく題材が尽きることがありません。喜んで良いのか、悲しんで良いのか、……」
「本来的には、悲しむべきことなんでしょうね」
「すべて平穏、波風立つことなしの世の中でいきたいですね」
「何もないと刺激が無くなってつまらない世の中になりませんか?」
「そんなことは絶対にありませんので大丈夫です。すべてのものが時間と共に動いているのが現実社会です。動けば、必ず周りと何らかの摩擦が生まれます」
「それが話題のネタということですね。それで思いだしましたが、円安の話題が大きなニュースになっていますよ」
「3/31と4/14のブログで円安問題を取り上げましたけど、大体言っていた方向で推移していますね」
「3/31のブログでは「130円にすぐいくだろう」と予測されていましたが、今や135円ですよ」
「正直言って、私の予想より早いピッチですね。ただ、大事なのは大局観ですからね。円安という大きなトレンドはここに来ても全く変わっていません」
「ということは、さらに円安が進行するということですか?」
「私は為替のトレーダーではありませんが、今の流れと日本の金融当局者の無策振りを見ると、140円近くまで振れた後「もみ合い相場」になると見ています」
「「もみ合い相場」というのは、行ったり来たりということですね。どうして、その辺りでもみ合うのですか?」
「様々な指標から導き出した理論的なレートがあります。「日経均衡為替レート」というのがあるのですが、その値は約115円です」
「20円も開きがあるのですね」
「ということは、「戻る」ということなのです。ただ、経済の実勢は理論通りには行かないことが多いのです。だから、「流れ」という表現を借りて140円近くまで行ってしまうだろうと見ています。そこから、少し戻って「もみ合い」ながら安定するだろうと思っています」
「ここからが本論です ↓」
円安基調はしばらく続く
3月31日のブログ ――「円安基調 日本経済の今――しばらく続く円安/経済成長を押し上げるのは人の力」をまだ読まれていない方は、この機会に読んで頂きたいと思います。日本経済を取り巻く状況に対する視点は、その当時と変わっていないからです。そして、その続報を4月14日に発信しています。こちらも併せてお読みください。
円安が大きな話題になっています。「日経」の1面トップは「円安98年危機以来の水準」、「産経」も1面トップ扱いで「止まらぬ独歩安『悪い円安』論再燃」との見出しを付けています。
為替レートの急激な変動には、どうしても対応し切れませんので、様々な分野に影響を及ぼします。そんなことから「悪い円安」という言い方をするのでしょうが、経済現象は自然現象のようなものなので、正面から退治しようとすると、逆に押しつぶされます。金融当局者が「声明」を出しても無駄です。台風退散を気象庁が祈っても効果がないのと同じ理屈です。
大事なことは、今回の円安の原因を分析し、このトレンドが短期なのか、長期なのかを見極め、その上で企業や個人はその行動を判断するということなのです。
私の見解は、この円安は長期トレンドになるので、本格的な対応が必要と考えます。
(「Yahoo! ニュースーYahoo!JAPAN」)
「円安」のもとで高度経済成長を達成した
為替レートについて、少し歴史を振り返りたいと思います。
戦後しばらくは「円安」で固定相場でした。1ドル360円の時代が長く続き、途中1ドル308円に調整されましたが、1973年に変動相場制に移行したのです。ちょうどオイルショックの年です。日本の高度経済成長が1960年から続いていたのですが、この年に止まります。ということは、世界の奇跡と言われた戦後の高度成長は今のレート感覚で言うと、円安の状況下で達成されたということです。
何故、円安の状況下で経済成長できたのでしょうか。当時の日本は原材料を輸入して、製品にして外国に輸出するという加工貿易国だったからです。オイルショック前の時代は、原油価格は高くありません。エネルギーや原材料価格が安く、日本国内には比較的安価で有能な労働力が豊富にあり、彼らの力を使って高度な工業製品を生産し、海外に大量に輸出をして、その差益の集大成が高度経済成長だったのです。
つまり、「円安」だったため、日本製品が世界から多く買われたのです。余り売れすぎて「貿易摩擦」という言葉も作られた程でした。当時の日本は「円安」トレンドに上手く乗って経済を発展させたと言えます。このように、「円安」「円高」というものは、海の波の高さの様なものです。波の高低に合わせてサーフボードを使い分ければ良いだけの話です。
ただ、産業構造は固定的な性質をもっているので、サーファーのように自由自在にという訳にはいきません。固定的だからこそ、予測が大事になります。海の向こうの雲行きを見て、波の高さがどうなるかを予測することが重要なのです。予測、そして決断と実行力です。後は、その合意をどの程度のレベルまで引き上げることができるかです。安定的な政権が必要な所以です。
(「ザイFX!-ダイヤモンド・オンライン」)
円安で大騒ぎしているのは何故か
何故、円安で大騒ぎをしているのか。今の日本経済の構造が、円安に合っていないからです。であれば、単純に利上げをして円高基調に戻せば良いではないかという意見を言う人がいますが、「低金利」構造が染みついてしまっている上に、インフレがアメリカのように進んでいません。変に利上げをすると、家計の住宅ローンに連動し、政府の国債の利払いの額が跳ね上がります。要するに、進むことも後ろに下がることも出来ない状況で、実効性のある政策を打ち出せないので大騒ぎをしているということです。
ただ、為替レートは必ずどこかで落ち着きます。「底なし地獄」に堕ちていくことはありません。必ず、どこかの数値近辺で落ち着きます。その時に一安心ではなく、そのレートで日本経済が立ち回れるような社会構造を考える必要があります。
新しい資本主義ということで岸田内閣が動いていますが、まだ全貌が分かりません。前にも書きましたが、成長戦略は学校教育まで包摂する必要があります。今のままでは不充分ですし、経済安保の観点から企業家に対する協力の呼びかけをきちんとした上で、精密な法制化が必要です。
世界の競争はますます激化するでしょう。「強き者が勝ち残るのではない、変化できる者が勝ち残る」とダーウィンは言いました。国の在り方、政策も含めて、世界の政治・経済状況に合わせて、国の社会構造を柔軟に変えていくことが必要です。
変えてはいけないもの、変えなくてはいけないもの。それを見極めて、変える場合は迅速に行動する。日本は、この2つについて動きが特に鈍いのです。
アメリカは銃の乱射事件が連続して起こり、それを受けて銃規制の法案が議会に掛けられようとしています。「身のこなし」が軽快ですし、共和党の10人の議員は銃規制に回りました。政治家ひとり一人が自分の意見を持っていることが分かります。政党を徒党集団と思っていないのです。見習って欲しいと思います。
(「毎日新聞」)
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