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日本は経済的リスクが高い国になってきた――コロナ対策と経済対策、バランスよく / 「アメリカ一強時代」の到来か?

「日経平均について興味はありますか?」

女性

「株価の平均値だというのは分かりますが、それがどういう意味なのか実は余りよく分かっていないと思います」

「全体の株価の平均ではなく、選ばれた会社の株価の平均値ですが、日本経済の現在のおよその状況が分かります。ニュースでは必ずその数字を言っているのは、そのためです」

女性

「最近の動向は、どうなんですか?」

「一言で言えば、軟調ですね。多分、ここしばらくは軟調が続くと思います」

女性

「どうしてそんなことが分かるのですか?」

「季節的に8月は大体軟調なんです。そして、日本株をどういう人たちが買うか、というところから見るとおよそのことが分かります」

女性

「えっ、誰が買うのですか?」

「最近の主なところは、日本銀行、外国人、機関投資家、あと個人の投資家です」

女性

「日本銀行も買っているのですか?」

「個人的には、余り良くないことだと思っていますが、かなりの資金が使われています。正確に言うと買い支えています」

女性

「どうして、買い支える必要があるのですか?」

「難しい質問をしますね。株式市場の値崩れから、日本経済に悪影響を与えないように、さらには出来るだけ多くの内外の投資家に市場に参入して欲しい、余り極端に下がればそれが減ってしまいます。そんなことで買い始めたのだと思います」

女性

「外国人投資家の動きはどうですか?」

「2017年までは買い越しが多かったのですが、2018年から売りに転じます。この3年間で約10兆円を売り越しています。外国人は日本経済の先行きは余り良くないと見ていることが分かります。日本銀行がやはりこの3年間で約17兆円を買い越しています」

女性

「こういった金融市場の動向をどう見るかということを今まで学校教育の中では扱わなかったのですが、2022年度から家庭科の中で「資産形成」という内容で教えるそうです」

「家庭科ではなく、経済の内容なので、「金融」という項目の中に入れて社会科(公民科)で教えるべきだと思いますけどね……」

女性

「ここからが本論です ↓」

 

 コロナ対策も大事だが、経済対策に目を向ける必要あり

今の時期は、上場企業が4~6月期の決算を発表する時期です。個別に奮闘している企業はあるのですが、ここ近年は日本企業を取り巻く経済環境が厳しくなってきており、企業の選別が市場において密かに始まっているという状況だと思います。

企業の選別はどのように行われるのか?簡単に言えば、収益の上がらない企業は見捨てられるということです。資本主義経済というのは、言葉を変えれば、自由競争市場を前提にした経済ですので、競争に敗れた企業体は市場という土俵から下りなければいけないということですが、国が上手く経済をまわすことができれば土俵に残れる企業も出てくるのです。

一口に企業と言っても、様々な業種がありますが、トレンドに乗った業種は強いですが、そうでない業種は株価が下がり気味となります。今はコロナ禍なので、人の動きが止まりかちです。交通、運輸、食品、宿泊、旅行といった業種は厳しいものがあると思います。政府はコロナ禍対応と並行して、経済対策を打ち出すべきです。マスコミはコロナのことを騒ぎ過ぎです。必要以上に国民が委縮すれば、経済の更なる悪化、文化交流の停滞を招きます。そちらの影響も考えなければいけません。昨日の感染者1万人ですが、人口比で言えばわずか0.01%です。何事もバランスが大事です。

(「毎日新聞」)

 世界をトータルに見る――「アメリカ一強時代」の到来か

世界経済と言った場合に見る国は、アメリカ、中国、日本とEUです。これらをトータルに見れば、世界経済のおよその動向が分かります。何を見るのかということですが、それぞれの国の株価動向と為替市場の動向を見ます。

グローバル経済なので、それらは足並みを揃えて動くというのが今までのある意味常識だったのですが、これからはそれが崩れていくのではないかと思っています。すでにその兆候が出始めています。

ざっくり言うと、アメリカ一強時代になるのではないかと思っています。少し前は、米中二強時代と思っていたのですが、中国が経済統制を強め始めたので、これがマイナスに働くだろうと思われます。資本と統制は合いません。資金は自由な台地を求めて、移動するというのが鉄則なのです。

「中国株、マネー流出加速」(『日経』2021.7.28日付)という見出しでの報道がありました。データ(下の表)を見ると、2014年の半ば頃から流出し始めています。これは、習近平が独裁色を鮮明に打ち出すようになったからですが、中国から資金の流出がさらに早まっているということです。ある特定の業種ではなく、ITから教育産業に至るまで、幅広く資金の流出が始まったと報じています。資金は逃げ足が速い性質があります。金利が低いところから高いところへ、規制が強いところから弱いところへ、政治的に不安定な国から安定した国へ、資金量が多ければ多い程早く動きます

その辺りに言及した記事を紹介します――「海外投資家は中国当局が規制強化をどこまで広げるのかについて疑心暗鬼になっている。米バンク・オブ・アメリカは19日付のリポートで『中国の規制政策は不確実性が残っている。当面、中国株を避けて日本やオーストラリア、インドの成長株などに資金を向けるべきだ』と示した」(『日経』2021.7.28日付)。日本は「受け皿」を用意する必要があります。

(「FP OFFICE海援隊/ライフ&マネー塾」)

 日本は経済的リスクが高い国になってきた

わが国日本は、政治的なフォローが足りません。というか、政治が完全に日本経済の足を引っ張ってしまっています与党と野党があっても、アメリカのように国としてまとまっていれば良いのですが完全に対立しています。お互い別の方向を見て何事も論じていますし、政権与党が親中的な政権に変質し始めています。共産主義の影響も見受けられます。そのため、国民の支持率が下がり政権基盤が弱体化し始めています。

政権基盤が安定していないので、重心を下げて将来を見据えた政策を打ち出せないでいます。当面必要なことを各省の官僚に任せるような雰囲気になっていますが、そうなるとどうしても行政は停滞します。官僚は責任を取らされないように、極めて慎重にコトを運ぶようになるからです。

例えば、オリンピック一つ取り上げても、開催と中止で国論が分かれました。最終的に無観客開催で落ち着きましたが、それに至る過程を海外からじっと見ている人たちがいるのです。何を見ているのか、首相のリーダーシップとどういったグループの発言権が強いのかを見ているのです。それを見る限り、資金を日本につぎ込んで良いのか不安になるでしよう。資金は政権の内容を余り問いません。とにかく安定を好む性質があるからです。

(「四季報オンライン」)

『日経』が「日本株想定外の出遅れ」ということで記事を掲載しています――「こうしたリスクに海外勢は敏感だ。米バンク・オブ・アメリカの調査によると、世界の機関投資家の日本株に対するポジションで「オーバーウェート」の比率から「アンダーウェート」の比率を差し引いた指数はマイナス6と、20年8月以来の低水準となった」(2021.7.20日付)。要するに、日本株重視から軽視の方向に転じたということです。コロナ禍の影響が先進国の中で比較的少なく、菅内閣の支持率も高く安定しているということで2020年の秋以降に海外勢が日本への投資を進めてきたのですが、それの反動が出るかもしれないと言っているのです。上のグラフを見ると、最近は日経平均がNYダウと連動せず、引き離されていることが分かると思います。

資金の流れに国境はありません。電子決済で瞬時に移動します。どこに移動するかということですが、このように見てくると結局アメリカに多く流れるだろうというのが今の状況です。アップル、マイクロソフト、アルファベット、グーグルといったIT関連企業が好調で、「NY株、初の3万5000ドル台」(『日経』2021.7.24日付)をつけました。ここしばらくは、アメリカ経済は力強く推移しそうです。

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