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教科書に書かれている嘘シリーズ(10)―—アイヌ民族が和人によって支配されたという嘘

「今日はアイヌ問題とチュチェ思想とのつながりについて話をします」

女性

「それが、どうして繋がるのですか?」

「普通は関係ないと思いますよね。日本もかなりイデオロギ―的に浸食されてきている一つの事例として理解して欲しいと思います」

女性

「何か、恐そうな話ですね」

「核やミサイルといった殺傷能力が高い武器が開発されたために、かつてのように、じゃあ一丁戦って決着をつけるか、という訳にはいかなくなったので、どうしてもイデオロギー戦が激しくなります」

女性

「そういう感覚は、日本人は余りもっていないと思います」

「本来は、国防教育というのをする必要があるのです。国家、政府とは何なのか、どうあるべきか、国民として何を考えるのかということを考える機会をつくることは、アイデンティティの確立の上でも重要だと思います」

女性

「中学の公民の時間では、そういうことを扱わないのですか? 憲法のことを勉強するついでに……」

「結局、それだと個々の教員に任せているだけになってしまいます。中には、全く別のことを言う教員もいますからね」

女性

「国防教育のイメージが湧かないのですが……」

「道徳教育の一環として考える必要があるのでは、と思っています」

女性

「道徳教育の中で国防ですか? ビンと来ないですね」

「道徳は「生き方」という意味です。今の社会情勢と連動して考える必要があるので、周辺諸国の状況と日本の伝統、文化、いわゆる日本のアイデンティティについて教える必要があると思います」

女性

「清く、正しく、美しくだけでは、世の中を上手く生きていくことはできないって、最近よくおっしゃっていますよね」

「美しく生きることは大事なのですが、そのために騙されたり、国が滅ぼされたりしたら意味がありません。韓国は北朝鮮にイデオロギー的には呑み込まれています。手遅れにならないうちにと思っているのです」

女性

「浸食が結構進んでいますものね。(ここからが本論です)↓」



 アイヌ民族が和人によって支配されたという嘘

「北海道や樺太、千島列島などには、古くからアイヌ民族が暮らしていました。しかし、明治時代になって、日本政府により本格的に北海道開拓が推し進められるようになると、屯田兵などとして本州などから移住してきた人々(和人)によって支配されるようになりました」(『中学公民』東京書籍.66ページ)という記述があります。

これは学問的な裏付けのない主張です。後でまた、このことに触れますが、「古くから」とか、「支配される」という記述自体が不正確であり、問題です。生徒に「古くから」と書いてありますが、およそ何年位前のことですかと質問されても、おそらく答えられる教員は誰もいないでしょう。書いている人自体が、別の狙いがあって書いているからです。そして、明治政府の統治を支配とは言いません。

「先住民族の権利に関する国連宣言」(2007年9月)というものがありますが、これは欧米列強の植民地政策の中で、原住民を凌駕して開拓をしてきた歴史を踏まえ、その反省を込めて出されたものです。実際に、この国連宣言は国連本部で賛成143カ国、反対4カ国、棄権11か国で採択されていますが、反対した4カ国はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アメリカですこれらの国は、まさに先住民族を駆逐して建国した国だからです。さらに、この先住民族決議というのは、北朝鮮の外交戦術でもあるからです。ロシアなど民族問題を抱えている国は棄権し、34か国が欠席をしています。日本は賛成票を投じていますが、そこには先住民族を支配したという歴史がないという判断があったからだと思います

ところが、この国連決議を盾にとって、国会(福田康夫内閣)で翌年(2008年)に「アイヌ民族を先住民族とすること」を決議(2008.6)してしまったのです。内容は2つあります。1つは、日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること。2つ目は、これまでのアイヌ政策の推進です。この決議の狙いは、1つ目にあることは明白です。2つ目は、単なる今後についての継続確認が内容となっているからです。

国連決議に賛成した国で、その決議を使って、国内の「先住民族問題」ということで議会で決議をあげたような国は、たぶん日本だけでしょう。

『公民』の教科書は、さらにアイヌ民族の問題とオーストラリアの少数民族のアボリジニを同列に並べ、「共通点や異なる点をまとめましょう」と書いています。そもそも時代背景が全く違う問題を並べることにより、生徒にかつて日本人が少数民族に対して侵略行為を働いたかのようなことをイメージとして植え付けたいのだと思います。そもそも、オーストラリア開拓の歴史は17世紀からです。


 アイヌの祖先は縄文時代人

アイヌ民族が先住民族かどうかということは、極めて純粋に学問的な問題なので、国会の場で決議するようなことではありません。国会議員の知的レベルの低さを証明する事例として、後世に語り継がれるようなことだと思います

その問題について、自然人類学者の埴原和郎氏とアイヌ語に取り組んでいた哲学者の梅原猛氏の対談本があります(『アイヌは原日本人か』小学館ライブラリー.1993年)その内容を紹介したいと思います。

まず、人種的にどうなのかという問題があります。「アイヌは……コーカサイド、白人である。あるいは白人ではないにしても、日本人とはまったく違った人種であるという考えが、今なお、日本人の常識になっている。はたしていったいそうなのか」と「はじめに」のところで、梅原猛氏が疑問を投げかけています。その疑問を軸に埴原氏との対談が進みます。

埴原氏は「日本人論というのは、じつは、いま始まったばかりだ」と言います。そしてそれを追求するためには、人類学、考古学、言語学、人文科学的な諸学問がお互い連携をとりながら考えていくべき問題と言っています。

日本人の祖先が議論されるようになったのは、そもそも明治時代以降ということで、まだわずか150年位の歴史しかありません。きっかけはアメリカ人モースの大森貝塚発見以降です。ただ、モースは日本人について発言はしておらず、「シーボルト父子、ベルツから日本人論は始まったといってもいい」と埴原氏は指摘します。

そして、アイヌについては世界的にも謎の民族とされていて、100年以上前から外国の学者がいろいろ研究しているそうです。アイヌについて、いくつかの仮設を立てます。①白人説 ②オーストラリア原住民説 ③モンゴロイド説(和人説) ④特別人種説です。そして、IBP(国際生物学事業)という世界的なプロジェクトが1965年頃に組まれ、その中にアイヌ研究班が組まれ、5年位研究が行われたそうです。歯、血液型、血液中の遺伝物質、指紋、人骨分析といった分野から研究を進め、「分析すればするほど、アイヌはモンゴロイドであるという結論に達せざるをえなくなってきました」(埴原和郎、梅原猛 前掲書/131ページ)と埴原氏。つまり、「アイヌの祖先は縄文時代人に求めるべきではないかというのが、いまのところの一応の結論です」(埴原和郎、梅原猛 前掲書/131ページ)。

外見や言葉がかなり違うので祖先が同じとは、とても信じられない、という疑問が湧くと思います。それについては、「小進化」という言葉を使って説明しています枝分かれをしたのは縄文時代とのことです――「日本には原住民として古モンゴロイド的特質をもった縄文人がいた。それが独自な小進化を遂げて現在のアイヌになった。ところが和人のほうは外来人であろうと思われる農耕民が入ってきてそれと混血する。それが小進化を遂げて現在の和人になった」(埴原和郎、梅原猛 前掲書/133ページ)という見解です。

さらに「アイヌ語と古代日本語は似ている言葉が多いし、琉球語と古代日本語も似ている言葉がある。そしてさらにアイヌ語と琉球語も似ているところがある」(埴原和郎、梅原猛 前掲書/153ページ)とのことです。このような学問的成果があるにも関わらず、それらをすべて無視して、政治的主張を優先させるたのは、そこに狙いがあるからです。

 チュチェ思想の人たちが最も注目しているのがアイヌ問題

アイヌ民族が北海道に住んでいなければ、これ程注目されなかったと思います。どういうことか、簡単に言えば両サイド(北海道、沖縄)とセンター(東京)は防衛上重要拠点だからです。アイヌ民族を突破口にして、政権の攻撃のきっかけを掴むことができるかもしれないからです。

先住民となれば、独立というフレーズが出てきます。民族自決の原則というのもあり、統治能力が付与され、住民がその方向に動かないとも限りません。やっかいな問題に発展しかねないような決議を無防備に国会で行ったということです

そして、この決議を前提にして、2019年には「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ新法)が国会で可決しています、そこでも、「先住民族としてのアイヌ」が明記されています。これは明確な歴史の書換えです。

縄文時代は、今から1万3千年から2300年前までの約1万年間続いたと言われています。その始まりについては、多少争いはあるものの、その約1万年という長きにわたって、「縄文人は、さまざまな自然環境に適応しながら、北は北海道から南は九州、南西諸島まで日本列島のほとんどの地域に住むようになり、日本文化の基層となる諸文化を形成してきた」(橋口尚武『海を渡った縄文人』小学館.1999年/9ページ)のです。「先住民族」という概念を使うならば、縄文人の血の流れを受け継ぐ日本人が先住民族です。さらに言うならば、千島列島にも縄文、続縄文文化の遺跡があることが確認されていますので、千島は日本に帰属されるべきということにもなります。

「文科省も『アイヌに関する教育の充実』を掲げていて、教科書のアイヌに関する記述を充実してもらうために、教科書会社に対してアイヌ協会がレクチャーをしている」(篠原常一郎、岩田温『なぜ彼らは北朝鮮のチュチェ思想に従うのか』育鵬社.2019/200ページ)とのことです。さらに、アイヌ協会とチュチェ思想研究会が結託をしていると言います。そして、「アイヌ協会の人たちがやっていることは、……日本国籍をもっているアイヌの人たちに対して『日本国籍は持っていても、血統はアイヌ民族だ。だからアイヌ民族として政治的に自立しろ』と言っている。あなたたちは日本国民ではない、アイヌ民族なのだ。日本国籍など無意味だ、アイヌ民族であることこそ意義深いことなのだというわけです。この発想は、国民国家に亀裂を走らせる危険な考え方です」(篠原常一郎、岩田温 前掲書 /211ページ)

チュチェ思想の人たちが日本の中で関心を持っているのが、アイヌ問題と沖縄基地問題です。そこが日本のウィークポイントと思い、攻めてきているのです

読んで頂きありがとうございました。

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