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しばらく円安が続くことになるだろう(2) ―— 外貨準備の活用を考える時期 / なぞるような新聞記事が多過ぎる

女性

「円安が進んで、昨日(4/29)の午前には1ドル160円に到達したそうですね」

「『日経』(4/30)の1面に、この3日間の値動きのグラフが載っていますが、まさに「行ってこい」の動きだったのですね」

女性

「市場介入があったかどうなのか、ということが取り沙汰されていましたけど……」

「緊急的に市場介入したと思います。だから、こういう値動きになるのです」

女性

「言わすもがなということですか。であれば、神田財務官は、どうしてその辺りを明言しないのですか?」

「市場価格というのは、原則的に自由な市場取引によって形成されるべきだという大原則があり、介入というのは、その原則から外れた行為なのです」

女性

「だから、大っぴらに宣言できないということなんですね」

「いや、神田財務官は「投機による看過しがたい動きがあり、適切な対応を取った」とのコメントを発表していましたので、あれで介入したことが分かります」

女性

「ところで、今後の行方ですけど……」

「パリ・オリンピックが気になるみたいですね。熱さましみたいなものだと思っています」

女性

「しばらくは効くということですか?」

「前回も言いましたが、根本的な治癒に向かって進むことを政府は考えないといけない時期でしょうね。円安基調は変わっていません。この介入の措置が何日間有効に作用するか、そこが見どころだと思っています」

女性

「ここからが本論です ↓」

 外貨準備の活用を考える時期

外国為替市場で円買い・ドル売りの為替介入する場合は、外貨準備として蓄えてきた資産を活用します。内訳は、米国債などの証券や海外の中央銀行や国際決済銀行(BIS)への預金、そして金などです。2024年3月末の時点で約1兆3千億ドルあります。ちなみに、この額は中国に次いで世界で2番目ですが、G7各国の中では突出して多いことが分かっています。

経年で見ると、この20年で4倍近くに増加しています。これは過去の円高局面でドル債を買うなどといった為替介入によって貯め込んだことや、その債権の利子などが膨らんだことが原因です。

介入について明言していませんので、現時点では、介入した金額を予測するしかありません。過去のデータから推測すると、600億ドル程度ではないかと見ています。日本円に直すと、9兆円です。介入資金は充分あり、そういう点ではまだ余裕があります。むしろ、あり過ぎる外貨準備の資金を日本経済の再生のために有効に使うことを考える時期ではないかと思っています。要するに、余分に貯めていても仕方がない、資金は活用してこそ意味があるからです。

(「東京新聞」)

 「毎日」の社説が一番的を得ていた

そういったことを含めて、この円安問題に対して新聞各社の報道を概観すると、物足りないの一言です。円安の現象面だけをなぞったような記事ばかりが目立ちました。事実関係は仕方がないとして、その現象が何故起きているのか、その原因を過去に遡って探究する姿勢に欠けています。額に汗して記事を書くという精神がないので、部数が減るのです

図書館に行ったりして、読売、朝日、毎日、日経、産経と見てみました。その中で、意外と言うと失礼かもしれませんが、一番掘り下げた記事を書いていたのが「毎日」(4/30日付)でした「社説」の表題が「人材生かす経済に転換を――失われた30年の教訓」です。慶大教授の小林慶一郎氏の著書が提起する視点に同調しながら、1990年代以降「働き手をコストとしか見なさず、人員削減や正規から非正規雇用への切り替えなどを進めたこと」が現在の円安に繋がっていると指摘します。要するに、人材を育てて金を生む人財にするという視点が全くなかったという指摘です。

教訓の2つ目は、的外れな政府・日銀の政策です。これは前回のブログで指摘しましたが、対症療法的な政策の乱発の結果、国債の発行残高を増やすことになり、現在では一つの足かせになっています。そういった失敗の数々が国際競争力の低下を生み、それが円安に繋がっているのです。介入だけ繰り返しても解決はしません。

(「NHKニュース」)

 中国経済の行方を注視すべき

日本の経済界は、まだまだ中国を頼りにしている傾向が強いのですが、企業関係者は、そろそろ警戒する時期です。というのは、上海株価指数の値動きが不自然で荒っぽいからです。たぶん、何らかの人為的な圧力が掛かっているのではないかと思っています。とにかく、乱気流に巻き込まれたように上下するのは、良くない兆候なのです。東京市場も上下変動が激しいのですが、それよりも更に大きく揺れ動いています。

それと人民元が安くなっています。中国という国は買い支えをする国ですが、1ドル=7.3人民元(現在/1ドル=7.25人民元)が一つの目安になります。ここをもし突破するようなことがあった場合は、「警戒水域」に入ったと判断して良いでしょう。

日本も他の国のことは余り言えないのですが、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が急速に悪くなっています。若年失業者(16~24歳)が多分25%位になっていると思われます。不動産関係の情報が流れなくなっていますが、状況は相当厳しいと思います。日本、中国共倒れにならないよう、デカップリング(切り離し)を早く進め、人材育成のための政策を打ち出すことでしょう。

(「株探」)

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