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中国共産党「6中全会コミュニケ全文」を読む / 独裁政治がさらに強力に推し進められるだろう

女性

「米中会談が行われたようですね。どちらから持ち出した会談ですか?」

「どう考えても、アメリカだと思いますよ。中国から申し入れるということはないでしょう」

女性

「私の感覚だと、格下というと失礼でしょうか、中国の方から申し入れるものという感覚をもっていたものですから……」

「成る程、ただ中国が暴発するのではないかと、絶えず警戒しているのはアメリカですからね」

女性

「同じ大国なのに、一方が一方に対して暴発するなということで会談を申し入れるということに対して、物凄く違和感を感じるのですけど……」

「どの辺りが感じますか?」

女性

「あくまでも私の感覚ですが、経済大国ということは特に大きな問題がなく上手くいっているということですよね。それなのに、どうして世界に対して何か混乱をもたらすようなことをする必要があるのですか?」

「成る程、そういう疑問をもっている人が結構いるかもしれませんね」

女性

「何をやっても国が経済発展しない、民衆を上手く統治できないということで、八つ当たり的に武力を使う、威嚇をするということであれば、ある程度理解はできるのですが……」

「言いたいことは分かりました。国の経済力が高いので、不満がないはず。だから、自制した行動が出来るはずという理屈ですね」

女性

「そうですね。世界の経済大国としての責任というものもあるのではないかと思います。経済力というのは、自分たちだけの力では達成できないものです。様々な要因の中で現在の繁栄があるのですから、それを世界にお返しするという考えが欲しいですよね」

「私もそう思いますが、自国のことしか考えていないようです。ここからが本論です ↓」

 中国共産党の100年間に対する称賛の歴史

中国共産党の第6回全体会議が、習近平主席に対する「歴史決議」を採択して閉幕しました。この「歴史決議」の概要を含めたコミュニケの全文が発表されました。こういった文章は、「裏読み」をする必要があります。つまり。書いた側の本音や狙いを考えて読むということです。その点、小説を読む場合とは、読み方が違って当然です。小説は書かれたそのままを素直に受け入れて、主人公の心情になって読み進めますが、そういう読み方をすると相手の歴史観に洗脳されるだけです。

1つは、彼らの歴史は、100年前に創立された中国共産党に対する称賛の歴史だということです。機会があるごとに中国4000年の歴史とか、中華民族という言葉を使っているのですが、これまでの歴史が醸し出した多くの思想や宗教、さらには文化を成果として受け継ごうという意志が全く感じ取れない文章となっています。様々な王朝が勃興し、多くの民が多くの文化的な成果を中国と言う地で創造してきたと思います。日本はそれらの交流の中で多くのことを学んできた国の一つでもあるのですが、そういったことに対する言及は全くありません。つまり、暗に中国の歴史で価値ある時代は、共産党が登場して世直しをした100年だと言っているのです。だから、この文章からは、中国の民衆の歴史も国の表情も読み取れません。仮に、中国の代わりに北朝鮮という国名を入れても、大丈夫な文章となっています。

(「カメハッピ―氏のフォトログーFC2」)

 香港の政治弾圧を正当化、台湾統治をほのめかす

香港の統治については次のように言っています――「『一国二制度』の堅持と祖国統一の推進においては、党中央は一連の抜本策と対応策を講じ、『愛国者による香港の統治』と『愛国者によるマカオの統治』を断固実行し、香港地区の情勢では混乱から安泰への大きな転換を推し進めた」。モノは言いようとはよく言ったものですが、民衆への政治弾圧を強力に進めて治安を維持していることを誇っています。

台湾についても言及しています――「『台湾独立』をもくろむ分裂の行動に断固として反対し、両岸関係の主導権と主道権をしっかり握った」。「主導権と主道権」の意味が今一歩分かりませんが、台湾に対してかなり強い気持ちを持っていることが分かります。

ただ、「『台湾独立』をもくろむ」と言っていますが、台湾は実質的な独立国として行動しています。現に、民選議会があり、総統は国民投票によって選ばれています。独自の外交も展開しているので、立派な独立国と言えるでしょう。その地域の政治的立場を決めるのは、その地域の住民の意志によって決めるべきことです。どうしても統一ということを願うならば、台湾の方から祖国復帰という動きが出るような国づくりをすれば良いだけの話です。強権的な併合は、どんな理屈を並べたとしても、許されることではありません。

 

(「ニッポン放送」)

 社会主義的「抑圧経済」を導入しようとしている

中国が経済的に発展したのは、1980年代の鄧小平の時代に改革開放路線によって経済の門戸を開いたからです。それ以降、日米の資本が競うように中国の安価な労働力と中国の市場に魅力を感じて一気に押し寄せるように進出したのです。それによって中国が経済的に潤うことになったのです。日本が日中友好の証といってパンダを貰って喜んでいた頃の中国は、人民服と自転車の国でした。ところが今や世界第二位の経済大国であり、軍事大国です。短期間で急速に力を得れば、当然自信を持つのが当たり前なのかもしれません。

「改革開放を全面的に深め、共同富裕を促進し、科学技術の自立自強……」という一文があります「共同富裕」という言葉を最近よく習近平が使いますが、このコミュニケの中では遠慮をしながら使われています。改革開放と共同富裕とは、ベクトルの向きが違いますが、同じ文脈の中で使われています。それは、党内において習近平が完全に権力を掌握したとは思っていない証拠です。だから「反腐敗闘争を揺るぎなく推進し、……」という言葉がさりげなく入っているのです。党内の権力闘争はまだ終わっていないという認識なのです。

(「楽天ブックスー楽天市場」)

 議会政治導入など民主主義導入のロードマップは相変わらずなし

「人民民主主義共和国」という国名を付けている以上、どこかの時点で議会政治を導入することが望ましいと思います。民主主義というのは、民意を聞くということだからです。そうすれば、民衆のパワーや多様な価値観を取り込むことができ、新たな発展方向を模索することができるのです。そうすれば、台湾の民衆もそれに魅力を感じて、一つの国としてという動きも出て來るかもしれません。ただ、そんな気持ちは100%ないということが分かります。むしろ共産党独裁政治の今の路線を今後も強力に推進していくということが分かります。

呉国光氏は「そのような形で発展して行く状態と形勢であれば、いずれ中国自身も、人類全体も、さらには人類が置かれている自然環境まで含めて、さらに大きな代価を支払うことになるだろう」(『次の中国はなりふり構わない』産経新聞社、2012年/230-231ページ)と述べています。


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