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オンラインによる緊急の米中会談――切羽詰まった状況が出てきた / 独裁政権が暴走する日

「今日、駅前の古本市で面白い本を見つけました」

女性

「どういう題名ですか?」

「『次の中国はなりふり構わない』(産経新聞出版、2012年)という題名の本です。書いた人は、呉国光で趙紫陽総理の時に政権に近いところにいたのですが、天安門事件(1989年)の直前に出国しています」

女性

「要するに、訳ありの人ということですね。出国して、今はどこで活動しているのですか?」

「出国と言いましたが、実際には亡命です。アメリカに行き、カナダのビクトリア大学の教授となり、そこで書いた本です。彼の著書は本国では発行されることはありませんでした」

女性

「中国ですから、そういうことはないでしょうね」

「その代わり、香港や台湾で出版されてきたのです。そのうちの一つが、今回買い求めた本ということです」

女性

「現在は絶版ということですか?」

「その辺りは分かりませんが、呉国光という名前は日本では知られていませんので、本を出してもそれ程売れる訳ではありません。初版だけ出して終わってしまっているようですが、内容的に価値が高いので、ここに来てプレミアが付き始めているようです」

女性

「本当に、なりふり構わず中国が行動し始めたからでしょう」

「そうですね。多分本が出た頃は、「フーン、そうなの」という受け止め方だったと思いますが、その後、香港の問題が起こり、ウイグル問題が明らかになるにつれ、予言通りに進んでいるということで読み直してみようという動きが出てきたのです」

女性

「ここからが本論です ↓」

 「党幹部人事を縁故主義で地固め」(『夕刊フジ』2021、11.16日付)

独裁政治といっても、たった一人で国家組織を動かすことは不可能です。自分の意志を組んで、手となり足となって忠実に動く側近の人間で周りを固めることが重要ですそれが出来て、初めて一党独裁体制が完成したと言えるのですが、それが間近であるという情報が入ってきました。

習近平氏の政治的基盤は「淅江省」にちなんで名づけられた「淅江新軍」ですが、一種の派閥のようなものです。最新情報によると、そこから2人を中央委員に抜擢し、さらに1人を政治局員に昇格させるということです。政治局常務委員会、これが「チャイナ・セブン」と言われる国家主席の側面援助要員です。ここに、李強・上海市党委書記と、陳敏爾重慶市党委書記を入れ込もうとしています。この二人は、習近平氏が地方の幹部時代から知っている友人たちです。

「チャイナ・セブン」に、このように自分の「投票マシーン」として動くような人物が入ってくれば来るほど、政権は盤石となります。ただ、その分暴走の可能性が高くなることは、歴史が証明しています。下の「中国共産党の組織」は4年前のものです。現在予測と比べてみて下さい。

(「ABEMA TIMES」)

(「週刊エコノミスト Online-毎日新聞」)

 「オンラインで米中会談を行わなければいけない切羽詰まった状況がある」と読む必要あり

首脳会談というのは、顔を合わせて行うのが国際的な常識です。中には、今の時代、電話やメールでやりとりすれば良いのではないかと思う人がいるかもしれませんが、小さな誤解が大きな誤解に発展することがあるのでそれは出来ないというのが、国際常識です。それにも関わらず、敢えてオンライン会談を行うというのは、それだけ緊急性があるということです。100歩譲って信頼感が醸成され、ある程度気心が分かっているならば別です。台湾海峡などを巡って、緊張感が高まる状況下でのオンライン会談は非常識なのです。そんなことはアメリカ側は百も承知、だけど行わなければいけない状況があるのだと読む必要があります。

オンラインの危険性について言うと、例えば英語を日本語に翻訳する場合、状況が複雑であればあるほど、そのニュアンスをそのまま日本語に直す難しさが出てきます外交の場面は難しい場面の連続ですから、実際に会って、相手の表情を見ながら言葉を交わすという作業が必要なのです。それは、同じ言語を交わす国民同士でも、そういった問題はあります。「バカだな」という言葉をどういう表情で発したかで相手の受け止め方は全く違います。発信の仕方によっては、いじめと受け取る人もいますし、その逆に自分に親しみを込めて言ったと受け取る場合もあるのです。そのため、メールでやり取りする時に微妙なニュアンスを伝えるために絵文字を使ったりしますが、首脳会談ではまさかそういうことはできません。そして、何よりも記録として残ってしまいますので、踏み込んだ発言は出来にくいでしょう。

NHKのニュースでは「オンラインは初、信頼は築けるか」とありましたが、タイトルの付け方が違います。「オンラインで信頼築くのは無理。そこまで切羽詰まった状況があるのか」が正しい表題です。そして、その大変な状況について、取材をして日本の国民に知らせる必要があります。ただ、NHKの問題意識が低いため、単なる現状報告ニュースで終わっています

(「Yahoo!ニュース-Yahoo!JAPAN」)

 独裁政権が暴走する条件

一般的に思うことは、冬季オリンピックがあるので、少なくともそれが終わってからというものです。ただ、独裁政権にとってオリンピックの実施よりも台湾の方がはるかに価値が高いのです。しかも、相手は今が「まさか」と一番思っている時期です。ということは、孫子の兵法ではないですが、油断している今こそがチャンスという考え方もあり得るということです。

中国からすると、時間が経てば経つほど、台湾を防衛する壁が厚くなるばかりです。太平洋の国々とアメリカだけではなく、EU本体だけでなく、イギリスやドイツといった国が太平洋に向けて動き始めています。日本を見ると、憲法改正に向けて動き始めたように思っているでしょう。沖縄県の選挙状況を注視していたと思いますが、簡単に言うと2勝2敗です。

独裁政権といっても、それは国内で通じるだけなので、国際的な行動を大規模に起こして、もし失敗すれば自分の地位どころか共産党の統治そのものが排除される恐れがあります。そういった意味で、慎重にならざるを得ません。戦いの基本として、最初は先陣を派遣するものです。その先陣をどうするかということを考えているかもしれません。

一番の候補は北朝鮮でしょう。核をもっていますし、国内は独裁体制です。要するにトップさえ説き伏せれば、無理筋でも攻撃してくれるということです。無理筋の攻撃から、新たな展開、そして光明が開けるかもしれません。そのように使いやすい国を利用することは、大いにあり得ることです。その北朝鮮で近く重要会議、「3大革命会議」が開催されるという情報が入ってきました。何が議論されるのか、気になるところです。

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