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多様な人材(ダイバーシティ)育成のためには、多様な教育ルートを用意すること / 「4月 & 9月入学制度」、「飛び級制度」

「昨日、ようやくワクチン注射をしてきました」

女性

「あら、良かったですね。私は、まだです」

「1年前の今頃も緊急事態宣言が出ていましたが、ようやくここまで来られたという感じですね」

女性

「ただ、今から考えると、出す必要がないようなレベルでしたよね。当時は3ケタになったといって大騒ぎをしていましたからね」

「病床数を心配したのと、感染が欧米のように拡大する前に人の流れを止めてしまおうとしたのです」

女性

「ただ、公立小中学校の休校は余分でしたよね。私はあれで職場を休まなければならず、大変だったのです」

「思い出しました。何か、こういう会話を1年前にもしたような気がします。小学校で入学式ができないままだったのです。それに合わせるかのように、入学式を9月にずらしたらどうかという意見が出たのです」

女性

「あの時、何かのついでに入学式をずらすというのは、子どもじみた発想だっておっしやつていましたよね」

「何事もよく考えずに、思い付きで何かをすると大体失敗するのが定番ですからね。ただ、その時の9月入学の話がつながっていて、現在も議論されているのです」

女性

「そうなんですね。ただ、いろいろあの後考えたのですが、小中高は無理だと思いますよ」

「すべての学校行事を移動させなければいけないからですよね。私も無理だと思います。ただ、今話題になっているのは、大学なんです」

女性

「大学なら良いと思いますよ」

「3月卒業して、9月までどうすれば良いですか?」

女性

「4月の入学式は残しておけば良いと思います。それにプラスして、9月でも入学出来るようにすれば良いというのが私の考えです。ここからが本論です ↓」

 大学は4月入学と9月入学、両方行う大学、様々にあって良い

人の流れは、水の流れと同じです。いろいろな方向を用意してあげることが、人材育成には必要です。空から降った一粒一粒の雫が山の栄養素を取り込んで、支流となり本流に合流して大海に注がれます。一つの方向しかないと思い込んで、人工運河を整備しても、そこから水が溢れ出してしまうこともあります。多様な人材育成のためには、多様なルートを用意することです

しかし、アンケートを取ったり、世界の主流は9月なのだからそれに合わせるべしと声高に論じたりしていますが、大学はもともと単位制なので、通年必要なものと半期だけでとれるものを用意して、それに対応するように4月入学でも9月入学でもできるようにすれば良い話だと思います。4月入学の大学、9月入学の大学、4月と9月の2回入学できる大学とをそれぞれ認めれば良いだけです別に、1つにまとめる必要はありません入学式を2回行う大学が出てくることを承知すれば良いということです。下の写真は、早稲田大の9月入学式です。卒業式は3月に1回だけで良いと思います

小中高の9月入学はあり得ないというか、無理だと思います。日本には私立学校が多くありますが、スタートをする年度の4月から8月の学費を誰が払うのかという現実の問題が出てくるからです。日本全国で膨大な金額になります。それを保護者に支払わせる訳にはいきませんし、学校も困るでしょう。挙句の果てに、仮にそれを国が全額負担したとして、その負担に見合うようなメリットがあるのかということです。行事日程もさることながら、混乱だけが生じることになります。

(「朝日新聞デジタル」)

 入学の権利を留保できないか

そういったことにプラスして、入学の権利を9月まで持ち越すことを考えたらいかがでしょうか。つまり、大学に合格したので4月に普通は入学するのですが、それを敢えて留保して9月まで入学を持ち越すことを認めてくれるかどうかということです。入学が決まってから、9月の入学までを海外留学などで有意義に過ごすことができるという選択肢を与えるためです

推薦入試であれば、早い場合は秋口に合格が出ます。少子化の進展の中、大学の定員割れが進み、大学側も定員を早く確保したいという事情があるため、早めに合格を出すという傾向がこの間続いています。受験生の立場からすると、有難いと言えば有難いのですが、そこから卒業式がある3月までを結構無駄に過ごしている生徒が多いのが現状です。時間を持て余して、バイトをする高校3年生も多いのです。

その期間が勿体ないので、仮にそこから約1年余りを海外留学するという選択ができれば、有意義に過ごせるのではないかということです。あるいは、3月から9月まで半年ありますので、短期留学も可能です。そういったことも議論して欲しいと思います。下の案内は、最近日本から増えている(昨年は約3000人)台湾への留学案内です。

(「tw-ryugaku.com」)

 玉川学園の構想—— 「初等中等一貫教育学校(K-12)」

『日経』の5月3日付紙面に玉川学園が構想している「初等中等一貫教育学校(K-12)」が掲載されていましたので、それを紹介したいと思います。

いわゆる先取り授業、高校の授業内容を中学で習うということで行われているのが常ですが、現状は小中を合わせた「義務教育学校」、中高を合わせた「中等教育学校」における場合に於いてのみ認められている。つまり、同じ学校内のことなので認めても良いという判断なのです

多分、玉川学園はそこに目を付けたのだと思います。幼小中高大を一つの学校として捉えることによって、高校で学ぶべきことを小学校または中学校で学ばせてしまう、ということです。そして、大学の9月入学に合わせて、小学校から高校までをすべて9月入学にしてしまおうというものです

だから、幼稚園の年長時の9月に小学校に入学をすることになり、世間一般の子供たちよりも6か月早い小学校の入学になります。ということは、高校3年生の教育課程は6月に終わってしまうことになり、それ以降は大学までの準備期間として意義ある活動に使えるという考えです。

こういった試みに対して、『日経』の記事は極めて好意的です。「玉川学園の構想には意義がある。日本の学校制度の硬直性に一石を投じることになるからだ」、「玉川学園の構想が戦後の硬直した学校制度に新たな風を吹き込むことは間違いない」(「学年超え柔軟に教育」)と、同じ記事の中で同じようなことを2回言っていますが、それだけ評価をしているということでしょう。

(「日本経済新聞」)

 「多様な人材」(ダイバーシティ)を輩出するための「飛び級」導入の進め

かつてソ連のゴルバチョフ大統領が日本の教育制度を評して、社会主義国の教育制度と言ったことがあります。それは、言葉を換えれば「硬直」ということです。それでは、今の時代に求められている「多様な人材」を輩出することはできません。

経済産業省は「ダイバーシティ経営」という言葉を使っています。そして、なぜ「多様な人材」が必要かと言えば、「潜在的な能力や特性」(「経済産業省ホームページ」)をもった個々人が自由な発想をもって一つの組織の中に入ることによって様々な価値が創造されるからです

簡単に手直しするだけで実現できることを提案します。高校と大学の入学年齢の制限をなくすことです。現在、高校は15歳以上、大学は18歳以上(海外帰国子女は17歳)という縛りがあります。これを無くすのです

高校も大学も義務教育ではないので、年齢制限は必要ないでしょう。これは、学校教育法の規定を変えるだけですので、簡単に出来ます。その上で高校受験の資格試験を導入して、中学1年生から受検できるようにします。高校側はそういった資格試験合格者に受験資格を与えるようにします。

大学も同じような措置を考えます。大学共通テストを大学受験の資格試験にします。そもそも、世界の大学ランキングベスト50に入るような大学と定員割れをおこしているような大学を同一線上に並べて同じ共通テストを実施しようという発想自体が馬鹿げています。大学入試というものは、各大学で求めている学力レベルを勘案して作成するものです。ヒアリングや記述試験が必要かどうかは、各大学で判断することです

(「明倫ゼミナール」)

大学共通テストは入学試験として使わないで、問題をもう少し平易にして資格試験として使うようにします。それを、高校1年生から受検できるようにします。大学はその点数と内申書で入学させるかどうかを決めるのです。定員割れを埋めるための手段として使われないように、早期入学できる大学をあらかじめ決めておきます。

何を狙っているか分かると思いますが、「飛び級」制度を作ろうとしているのです。戦前はありましたので、「復活」というのが正しい言い方かもしれません。大学が余りにも大衆化してしまったので、こういう形で差別化を図ろうという試みです。別に、16歳の大学生がいたとしても、特に問題がないと思います。社会に出れば、1、2歳の年齢差は関係ありません。

組織を引っ張るためには、リーダーが必要です会社にそういう人材がいなくなれば、その会社は潰れます。国も同じ理屈です。日本の今の状況は良くないのです。

リーダーは自然には生まれません。それが人間のやっかいなところです。社会の中でエリート教育を施して意識的に養成する必要があります。かつての大学生はエリートでしたが、現在はそうではありません。であれば、エリートを輩出するシステムを考える必要があるということです。

読んでいただき、ありがとうございました。

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